『アコスタ:父、姉、故郷について語る』
★ペドロ・アコスタ(19才)は2021年にモト3クラスにデビューし、いきなり総合優勝した。
2022年にモト2クラスに昇格し、表彰台を5回(優勝3回、2位2回)獲得し、2023年に同クラスで総合優勝した。
2024年はGASGASテック3からKTM機でモトGPデビューするが、既に『第2のマルク・マルケス』として期待されている。
★先日、スペイン『Dazn』が、アコスタ選手のドキュメンタリー『Pedro Acosta, obligado a ganar(ペドロ・アコスタ、勝つことを強いられて)』を放映した。
★同ドキュメンタリー内容を一部抜粋。
アコスタはムルシア近郊にある、人口3万人強の町、プエルト・デ・マサロンに住んでいる。
【2023年モト2タイトル獲得後に言っていたとおり、アンドーラ(※タックスヘヴン)に移住するつもりはないそうで…】
「アンドーラに行かなくなって、なんともないんで…稼ぎがちょっと減るだろうけど、ここで家族と一緒の方が得るものは多いから。
この町じゃなきゃ駄目ってものが、いくつかあるんですよね。」
【いまや、すっかり有名人なのでは…】
「有名になったせいで、すべてがガラリと変わってしまって。
町中が知り合いみたいな所に住んでるのに、突然、知らない人が家に訪ねてくるようになりました。
もう3年も前から、地元の海で泳いでないんですよ…行けないんでね。
でも、ここが性に合ってるんですよ…ずっとここに住めるなら、余分に払っても良いんで。」
【モト3クラス初参戦で、いきなり2位/優勝/優勝/優勝と大活躍し…】
「8戦目ぐらいには、もう世界チャンピオン扱いされてましたからねぇ。もう、絶対に勝たなければならないって感じでした。
『Red Bull』を背負いつつKTMファクトリー機に乗って、世界選手権にデビューした子供がねぇ…。」
【もっと違う環境が良かった?】
「小さなチームで成長しつつ、初めての表彰台を獲得する…なんてことは経験できませんでしたね。
上を目指して登っていくって言うプロセスを味わえなかったわけで…突然、チャンピオンシップに登場してしまいましたからね。そこから前に進んでいくしかなかったんで。
モト3クラスに普通に参戦するって言う経験ができなかったですね。」
【他にも経験できなかったことはある?】
「チームの人達を大切にするとか、GP開催中に色々と見て回るとか…。
でも、もし明日、『過去に戻れるなら?』って訊かれたら、やっぱり、『また同じ選択をする』って答えると思います。
世界選手権について、自分が知っている以外のことは分からないから。
もし、あの年、タイトルを取っていなかったら…多分、皆からがっかりされてしまったと思うんですよ。
僕のキャリアも、今みたいにはなってなかったでしょうね。」
【2022年にモト2昇格した年は、けっこう『普通』だったのでは?】
「あの頃は良く泣いてました…なにも分からなくって。自分の人生が…チャンピオンシップがどうなってしまっているのか…全然分からなかったんですよ。
参戦してるってことは、気持ちよく走って楽しむためなんですけどね。もちろん、良い時もあれば、悪い時もあるんだし。
世界選手権に出たら、首位から最下位まで選手全員が超速だってことが分かるんです…世間の人達には想像できないでしょうけどね。」
【家族について聞きたいのだが…お姉さんがいるよね?(※上写真)】
「姉はトマトの出荷場で働いてました。トマトを箱詰めし、夜勤していた時期もあったんで、週末にしか会えないこともありました。」
【バニャイア選手の姉カローラさんと同様、今後はパドックで貴方の世話係をやってくれるのでしょ…】
「今は自宅で、のんびりとマーチャンダイジングを担当してくれてます。
レースの時は一緒にパドック入りし、全部やってくれるんですよ…色々なビジネス関連とか、スーツやヘルメットのこととか。
僕のスケジュール管理やインタビュー調整など…姉の生活も、ずいぶん良くなったと思います。」
【お父さんは漁師をやっていて、よくパドックにも来てくれるそうで…】
「(パドックに来るのが)好きなんですよね。
セカンドオピニオンを聞くって悪くないじゃないですか…なんであれプロとして働いてきた人間って言うのは、物事の道理を知ってるものだから。」
(参照サイト:『Moto.it』)
(Photo:Instagram)
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