アレックス・マルケス『接触を避けられたのはバニャイアの方だ』

『マルケス：接触を避けられたのはバニャイアの方だ』

★9月1日（日）、アラゴンGPのモトGPクラスでアレックス・マルケス（ドゥカティグレジーニ）が、決勝で転倒リタイアした。現在、総合10位（-195ポイント）。

★第19ラップで3位争いの最中、フランチェスコ・バニャイアと接触して両選手とも転倒してしまった。

★レース後、アレックス選手がイタリア衛星放送『SKY』のインタビューで、次のように話した。

【接触転倒について、貴方の見解は？】
「あの時点まで、うちにとっては良いレースでした。
ちょっと膨らんでしまったけど、コースアウトはしてないし…第13コーナーでの方向転換で僕の身体は既に右に倒れていて、人の姿は見えてなかったんです。
そうしたら、バニャイアがラインをかなり塞いできて…アウト側から抜きにかかってきたんですよ。
接触の瞬間、自分がアクセルを開いたかどうかは分からないけど…僕はずっと壁の方を見てました。
接触を避けられたのは彼の方でしょう…僕のことが見えてたんだから。ラインを開けておくべきだったんですよ。1ｍでも開けてくれてたら、何事もなかったんだし…どちらも転倒なんかしなかったでしょ。
ただ、タイトル争いをしている選手だってことは分かるし、表彰台のチャンスだったんだってことも分かります…お互い、こう言う終わり方になってしまって残念ですよ。」

【バニャイア選手が貴方に、『地獄へ堕ちろジェスチャー』をされたと言っていたが…】
「嘘ですよ…そんなことしてません。むこうは怒ってるようだけど、僕は彼に腹を立ててないし…彼の状況はきちんと分かってるし、常に配慮もしてきました。以前、長くチームメイトだったこともあるし、良く知った仲なんで。
怒ってるのかもしれないでしょうね…僕は謝罪はしてないし、むこうからの謝罪もありませんでした。僕としては、ちょっと彼に非があったと思ってるし…むこうは僕に非があると思っていて…見解が異なってるんですよね。
話し合うとしたら内輪ですることになるでしょう…TVカメラはなしでね。
そもそも、僕は相手がペッコ（バニャイア）だとは知らなかったんですから…ピットボードに名前は出てなかったし。迫って来ようとしてるってことは分かってたけど、どこまで寄って来てるかは分からないわけで…コースアウトしたなら確認は必要だし、膨らんだならラインに戻らなければならないものでしょ。
あそこに居るとは思わなかったんです…右側はどこも問題なしと見てたんで。接触を避けられるものなら、避けてますよ…彼は僕の位置が分かってただろうけど、こっちはアウト側から抜こうとしてたなんて知らないんだし。」

★また、アレックス選手は記者会見で次のように話している。

【今回の接触事故については？】
「ラスト8周ってとこまでは、実に良い感じだったんですけどねぇ。あの瞬間までは最高のレースをしてると思ってました…ミスをしないようにし、きちんと完走しようと頑張ってたんだから。
正確なところは分からないけど、ラスト8〜9周って辺りの第12コーナーで少し膨らんでしまい…けっこう横滑りしていて、2人とも限界ギリギリだったんですよね。第13コーナーに僕が先に入り…後ろに誰がいるかは知りませんでした。
きちんと言っておきたいんですが…（チーム側から）誰が後ろにいるかは知らされないんですよ。その後、僕はイン側に入って、頭は起こしてたけどアウト側からは誰の姿も見えないし…
接触したって思った瞬間、マシンが起き上がり…もうどうすることもできませんでした。僕はずっと壁の方を見るようにしてたんです…壁の方に向かって真っすぐ進んでたんで。ちょっとトリッキーな瞬間だったんですよね。」

【バニャイア選手は、貴方に非があると言っているが…】
「そうですね…転倒の可能性はどちらにもあったんだし、結局、結果は変わりませんでしたね。
ただ、接触を避けられたのは彼の方だと思います…僕が居ることは分かってたんだから。僕は彼が居たことは知らなかったんですからね。
あれほどの高速リズムで、あんなに速攻で追いついて来てたなら、別のタイミングで抜くことだってできたんじゃないんですか…あんな風に突っ込んでこないで。
レースディレクションで僕は、1ｍほどスペースを開けてくれてたらイン側のラインには行かなかったのに…とだけ言っておきました。
これが全てです…接触を避けられたのは、あくまでも彼の方であってね。僕が入ってくることは…少なくとも、僕がコーナーを回ろうとすることは分かってたわけでしょ。
彼には彼の意見があるだろうけど、僕もあるんで…いずれにせよ、結果は変わらないんですしね。お互い、0ポイントだったってことで。」

【バニャイア選手と話し合ってみた？】
「いいえ…レースディレクション側が、話は別々に聞くって言ってきたんで。僕らが居た時、（バニャイアは）座って待ってたけど、TVカメラも多かったんで話をする気はありませんでした。
こう言う時は、冷静になってからじゃないと解決できないものでしょ…あと、内輪で話した方が良いわけだし。
ペッコとは良好関係だし、スペイン選手権の頃は長いことチームメイトだったから…今回のことは残念ですよ。2人とも、完走できなかったんですからね。」

【貴方にとっては、今シーズンで一番好調な決勝レースだったの？】
「一番好調ではないです…でも、好調な方でしたね。地元ファンの前で表彰台争いをしていたんだから…最後まで全力で戦うつもりだったし。
今日はオーバーテイクがかなり難しいって分かってたんで、そのチャンスを活かそうと頑張ってました…自分がオーバーテイクをする時も、けっこうなリスクだったんですよ。走行ラインの外側がかなり汚れてたんで。
（バニャイアの）気持ちは分かりますよ…タイトル争いをしてる選手だし、今週末は絶好調ってわけじゃなく、なんとかポイントを稼ごうとしてたんだから。
とにかく、もう良いんじゃないんですか…今も言ったように、もう何も変わらないんだから。先の方に目を向けないとね。」

【兄マルク選手の優勝については？】
「本当に良かったと思ってます。今は細かい話はしませんけどね…そう言う気分ではないんで。モーターホームに居た時はかなりムカついてたんで、兄の優勝をきちんと喜べてないんですよ。
とにかく、（兄の）優勝は当然ですよね。皆さんも知ってるだろうけど、他の誰よりも努力してたんだし…あのドキュメンタリーは皆さんも観たでしょ。
辛い思いをしてるのをずっと見てきたし、勝って当然の人間が苦しんでたんだから…何度も勝ってきたサーキットで、やり遂げたんです。これがマルク・マルケス　なんですよ。」

【接触転倒後、身体の方は大丈夫？】
「左足を強打したんですが…とにかく、2人とも本当にツイてましたよね。かなり酷い転倒だったんだから。」

【次はサンマリノGPだが…イタリア入りするのは心配？】
「観客の皆さんも同様、それぞれの意見があるでしょう。サッカーでもそうだけど、オフサイドがあった時のカフェのお客さんみたいなもので。
朝、コーヒーを飲みながら、お客さん同士で会話して…非があるとかないとかって話をするじゃないですか。
とにかく、ペッコを始め、皆、それぞれの意見を自由に言い合えるんだから。
（ミザノは）ギスギスした雰囲気にはならないでしょ…（ロッシとマルケスの一件の後の）ムジェッロＧＰみたいな感じでしょう。
結局、何も起きはしないんだし…どう言うことかは分かってるんで。こうなっても、何も起きませんよ。」

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（参照サイト：『Moto.it』）