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『なぜドゥカティからヤマハに移籍しようと思ったの?』マッシモ・バルトリーニ

『バルトリーニ:なぜドゥカティからヤマハに移籍しようと思ったの?』

★マッシモ・バルトリーニ氏は、長年、ドゥカティで働き、『ジジ・ダッリーニャの右腕』として高く評価されていたが、2023年末にヤマハに移籍し、テクニカルディレクターに就任した。

★バルトリーニ氏の役職はプロジェクトリーダーであるカズヒロ・マスダ氏(増田和宏)と同格であり、ヤマハの技術部門で欧州出身スタッフが就いた最高位である。

★バルトリーニ氏が伊サイト『Gpone』の5月28日付けインタビューで、次のように話した。

【ドゥカティでなら優勝争いしていられたのに…ヤマハには誰に引っ張られたの?】
「大勢にです(笑)。これまで私はラリー世界選手権やF1、SBK、モトGPで働いてきたんですが…以前から、『世界タイトルが取れるようなチームで働けたら、もう引退しよう』と思ってたんですよ。
ただ、好きなんですよね…この仕事が。辞めるのは残念だなって思えてきて。
一番大きな問題は、僕自身が生粋の『ドゥカティスタ』だってことなんですよ…ヴァレンティーノ・ロッシがドゥカティで苦戦し、優勝できないでいた時期も、ドゥカティから離れられなかったんですから。
(ヤマハ移籍に向け)気持ちが動いたきっかけは…ずっと遠くから眺めていただけの状況も、実は違うんじゃないかと…さいわい、現実を間近で見れるチャンスが巡ってきたわけですからね。
速攻で検討してみたんです。」

【検討してみた結果…】
「スミ(※鷲見崇宏、ヤマハ発動機モータースポーツ開発部長)と話した際、ヤマハは変わろうとしていると言う姿勢を心底感じました。
ヤマハが欧州出身者を、今回の私のような役職に就けようとするなんて初めてだろうと思い…物凄い大チャンスですよね。
妻にも話し、私としても試してみようかと言う気になってきて…ただ、ドゥカティを辞めるのは本当に残念でしたけどね。」

【ドゥカティ側も残念がっていて、ダッリーニャやタルドッツィ、バニャイアらは『ヤマハにやられた』と言っていたが…】
「彼らのことは家族のように思ってます…タルドッツィとは20年一緒に働いてきたし、今でも定期的に連絡を取り合ってますからね。兄のような存在なんですよ。
ドゥカティのことは何でも知ってますよ。どんな歩みで、どんな風に復活してきたか…子供の頃から見てきましたからね。
でも、ヤマハについては、ほとんど何も知りません。日本では色々な発見をしたし、歴史に熱中するのも好きなんですよ。」

【ヤマハについては、どんなイメージだったの?】
「詳しくは言えないが、寺院に入っていくような感じかなぁ〜と…驚くような側面があるんじゃないかと思ってました。
文化の違いはあるけれど、(社員には)熱心なオートバイ愛好家がかなりいて…ある意味、私が見慣れてきた状況よりも熱い感じなんですよ。
ほぼ全員がオートバイを所有していて、それを解体したりしてね…メーカーがどうこうって話でもないんです。
大勢からドゥカティ市販機についての話題を振られ…そう言う点において、かなり感動しましたね。」

【イタリア人がヤマハで働くのって、どんな感じ?】
「メンタリティはけっこう違いますね…ただ、レースを中心に一丸となってます。
イタリア人って言うのは、10個ぐらいのことをやってから1回考えてみるって感じだけど…(日本人は)1つのことを10回ぐらい考えてから行うんですよ。
そして、実に良い仕事をしますね…ただ、彼らなりのタイミングがあるし、とにかく、色々と細かく配慮する習慣なんです。
そのため、少し遅れを取ってしまうようなんですよね。」

【つまり、ラテン系のイカれた感じも必要だったと…?】
「ミックスさせる必要があるでしょうね。今は追い上げていきたいってことなんだから…勝ちたいならば、人より先んじていかないと。
2つの文化の良いところをミックスできたら、良い仕事ができるんじゃないんですか。」

[ 中編に続く ]

(参照サイト:『Gpone』)

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