MotoGP

『伊エンジニアのアイデアを、ホンダが素早く実現できるかどうかが問題だ』ステファン・ブラドル

『ブラドル:伊エンジニアのアイデアを、ホンダが素早く実現できるかどうかが問題だ』

ステファン・ブラドル(35才)は2011年にモト2タイトルを獲得し、2012年にホンダLCRからモトGP昇格した。
その後、ヤマハやアプリリアのマシンに乗り換え、2017年にホンダ機でSBK参戦をし、2018年からホンダのテストライダーを務めている。

★2025年から新テストライダーとして、アレイシ・エスパルガロとタカアキ・ナカガミが加わるため、今後、ブラドル選手のモトGP参戦はほとんどなくなる模様。

ブラドルテストライダーのコメント。

【12月18〜19日にセパンで、ナカガミ元選手と一緒にテストを行うそうだが、エスパルガロ元選手は?】
「アレイシは参加しません…11月のバルセロナテストで、正規選手らと一緒に初テスト済みですからね。」

【2022年、ホンダ機はミシュランの予選用ソフトタイヤを8割しか使いこなせず、そのためグリッド順位が落ち、その後、パッケージ全体の戦闘力が落ちてしまったそうで…】
「ここ数年、技術面における変更が多かったじゃないですか…他メーカーが色々と発明品を投入してたもんだから。
あと、ライバル陣の方が技術レギュレーションを、大胆かつ厳密に吟味してるってのもありますよね。他メーカー陣は下降デバイスやウィング、エンジン、フレームに関し、限界ギリギリまで攻めてくるでしょ。
だから、ホンダはたった1つの問題を解決すれば良いわけじゃなく、パッケージ全体に関わってきてるんですよ…これまでかなりの時間を無駄にし、パフォーマンスもこんなに脆弱になってしまってるんだから。」

【日本流のアプローチ法は、ちょっと保守的すぎるのでは…】
「ドゥカティなんかが一番良い例ですよね…技術的な面すべてにおいて、100%攻めの姿勢でしょ。そう言う意味では、ホンダは行儀が良すぎるだけなんですけどね。」

【ホンダは長い間、若い新世代エンジニアを投入することができず、かつての創意工夫が見られなくなり…一方、ジジ・ダッリーニャは奇妙奇天烈な発明品を投入しては、他メーカーが追随してくるのを楽しんで眺めているが…】
「反論のしようがないですね…なんだか、長年現場にいるベテラン記者と話してるみたいですよ(笑)。」

【今年、ヤマハはマシンが改善されてきたようだが、ホンダはアプリリア&KTM機と戦うこともできず…】
「そうですね…世界最大の二輪メーカーが、これほど何年もの間、低迷していると言う事実は考えさせられますよ。そして、史上最強ライダーの1人と言われている選手でさえ、解決することができなかったんだから。
今シーズン、ドゥカティ機でのマルクは好パフォーマンスを見せていたじゃないですか…いまだ若手選手らに対抗できるんですからね。
まぁ、負のスパイラルだったってことなんですかねぇ。僕としては、これまで何度も言ってきたことを繰り返すだけなんですが…ホンダのような大企業では、それなりのことを決めようと思ったら、それなりに時間がかかるもんなんですよ。
つまり、(モトGP)プロジェクトを再び然るべき方向に進めるには、少し時間が必要だってことです。
ただ、アプリリアのテクニカルディレクターだったロマーノ・アルベジアーノが、欧州人としては初の重職に就くわけですからね。
僕は2015〜2016年にアプリリアでアルヴァロ・バウティスタと組んでたんで、ロマーノのことは良く知ってるんですが…アプリリアから直接移籍してくるんだから、確実に新たなアイデアをもたらしてくれるでしょう。
あとは、そのアイデアをいかに素早く実行できるかどうかなんですよ。とにかく、ロマーノ引き抜きは大きな一歩でしょうね…ホンダが技術部門において、欧州人をこれほどの重職に就けるのは初めてなんですから。」

[ 後半に続く ]

(参照サイト:『Gpone』)
(Photo:Instagram

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  1. フルバンク より:

    今期も含め近年のホンダの1発の速さは、タイムが接近戦で0,6秒落ち 離されて2秒落ち位です。ザルコ(小柄)のみが安定して10〜15位のポイント圏内でチェッカーを受けれる。
    上位は1発タイム0,3秒で決勝のスタートやタイヤ温存とスパートのタイミングを見計らうレース展開。
    アルベジアーノがどうまとめ上げてマシンが進歩するか、タイム差と順位と転倒有無で観る方は判断するが、HRCはあれだけ期待を持って入れたスズキの方も今では左遷で他部門。
    努力は感じるが、信用感はまだ薄い。
    ホント自前のエンジニアはWSBKのRRRも含めて能力差を感じざる負えない。オフモトレース(Trial最強)だけ強い。

  2. キキ・ダッルィーニャ より:

    素人目に見てずっと気になってるのが、ホンダさんのフロントブレーキホースが横に張り出し過ぎてフロントのサイドウィングレットに影響している様に思うんですけど、そんな事無いのでしょうかね。
    ドカを見るとブレーキホースの取り回しにも気を遣ってる様に見えるんですけどね。

  3. バリー#7 より:

    バルセロナ他のテストで2025年版マシンが出て来なかったというのはやはり、ロマーノ・アルベジアーノが就任してから方向性を決めるってことなのかな?
    そうすると来シーズンもなかなか結果は望めない状況だろうか?

  4. きゃめる より:

    日本の大企業と言われる四輪二輪メーカーは、オイルショックを歴て発展し、バブル景気に入り躍進しだし、有名大学出身者が入社しだして、その世代の人達がいま幹部なり要職についている。
    その中身といえば幹部は官僚化し、部下達は派閥みたいな中で連携はとれていない。
    ホンダはその筆頭格で、70〜90年代までは革新的な技術投入をしてきた姿は見る影も無く、四輪二輪の技術は停滞し、近年では航空機やEV車開発に傾倒しだしたのも有り、人も予算も其方側に取られている。
    二輪部門は従来通りの製品を作っていれば世界シェアの4割を確保出来てるので、マルクに20億円払って戦闘力をキープできてれば御の字だったのだが…遂にはそれでも駄目になったという流れ。

    ホンダは二輪だけで黒字に持っていけるので、MotoGPを辞める事はないが…問題はヒトの流れと組織体制の変換が急務なのだが、しかし…。

  5. へほへも より:

    メーカーのアイデンティティって難しいよな
    アプリリアの開発者が来て、一緒にマシン作ってたアレイシも来る
    それで勝てたとしてホンダすげぇ!ってなんの?って話で
    記事の中身がホンダだったからこう書いたけど、どのメーカーでも思う
    生え抜きが開発リーダーであって欲しいって思う考えが日本メーカーが低迷してる理由に重なるんだろうな…
    でもそこにブランドとしての意味があるのかわからん

  6. maxtu より:

    2スト時代から基本エンジンとフレームの進化で国内メーカー同士が切磋琢磨してきた時代
    その流れでmoto GP 初期もやってきたけど、勝てなかったDUCATIがF1ノウハウの電制、エアロ、デバイス類の導入で新時代を切り開く

    欧州はその類のエンジニアが豊富だけど、日本の2輪メーカーでは限界があるのかもね
    今はパワーや剛性よりも、ライダーを補助する扱い易さ、スタートやスライドを制御する技術合戦になってる

  7. ジジィ鑑賞勢 より:

    0025〜26シーズンは27に向けたデータ収集に終始して戦闘力の有るマシン開発はやらないだろうな、今のホンダの体力と熱意では

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