モトGP『なぜなぜインディアナポリスGP』
なぜケーシー・ストーナーは予選、決勝レースともに制覇できたのか?
ストーナー選手と言うのは常に困難な状況において限界を見極めることにたけていた。インディアナポリスはアスファルトのコンディションが最悪であることで有名なのだが、それがストーナー選手の感覚をより研ぎすましたのだ。また、現在のホンダRC212V機に完璧にフィットしていることも忘れてはいけない。ストーナー選手自身は次のように語っている。
「非常にコンペティティブなマシンだし、僕らの方が絶好調じゃない時も速く走らせることができるんですよ。このマシンでなら思った通りのことができますね。もちろん、僕もチームも常に懸命に頑張らなければなりませんけどね。正直言って、これ以上の状況に身を置くなんてことはありえないでしょうね。」
なぜダニ・ペドロサは好調なスタートを切りながら、第5ラップまでしかトップに立てなかったのか?
決勝レースでペドロサ選手が苦労したのは予選がイマイチだったことに起因しており、ペドロサ選手が次のように説明している。
「予選ではストーナー選手に周回1秒の遅れを取っていました。僕はあのリズムでは走れなかったですね。予選に比べればなかなか一歩前進しましたよ。だから僕としては2位に大満足してます。」
なぜベン・スピースは、ケーシー・ストーナーの最速タイムと僅か0.0067秒しか違わなかったのに、第3位でのゴールとなってしまったのか?
スピース選手はスタートで完璧にミスを犯してしまった。第1コーナーで多くの選手と連なってしまったのだ。そのうえ第4コーナーではドヴィツィオーゾ選手(前を走っていたドヴィは全く責任なし)と接触し、劣勢に陥ってしまった。第1ラップが終わった段階で9位、その際にトップだったペドロサ選手とのタイム差は2秒531。第2ラップでの差は3秒515とどんどん広がっていったのはスピース選手の前方に遅い選手が連なっていたせいで、それをを追い越し障害がなくなった時点で、あの強い走り(おそらくストーナー選手とも勝負できたのでは)を披露し始めたのだ。
なぜホルヘ・ロレンソは今回のレースであんなに苦労していたのか?
インディアナポリスのアスファルトがしっくり感じられず、ずっと適当なセッティングを見つけられずにいたのだ。レース後のロレンソ選手のコメントは次のとおり。
「最悪なレース・ウィークエンドでした。常にフロントタイヤで苦労してね。あらゆることを試してみたんです。エドワーズ選手のセッティングも試したし、レースにはスピース選手のセッティングで挑みました。でもレース終盤で、向こうの前輪はほぼ完璧な状態だったのに、僕のは完全にボロボロになっていた。通常は、僕がヤマハでは一番タイヤに『優しい』ライダーなんですが、今回ばかりは操縦できなかったですね。」
なぜアンドレア・ドヴィツィオーゾはレース終盤で最も強い走りを見せていたのか?
ドヴィツィオーゾ談。
「序盤でかなりタイムロスしてしまって。第1コーナでの接触やら、スピース選手に接触されたのやらでね。その後は皆と同様、フロントタイヤが大問題でずっとフロントが切れ込んでいたんです。ラインとライディングスタイルを変えてみたら、なかなか上手いこといってね。そのお陰で終盤に自己最速タイムを出せたんです(編集部注:最終ラップで1分40秒108を記録)。たった0.7秒差でロレンソを抜けなかったのが残念です。」
なぜヴァレンティーノ・ロッシは、トップと55秒345差で10位に終わったのか?
ロッシ談。
「非常に難しいレース・ウィークエンドでした。ただ今シーズン始まって以来のことを考えると、びっくりした…とは全然言えませんけどね。残念ながら、自信が出てきて、新たな改良をする度に転倒してしまうんですよ。土曜の予選の時のようにね。あのスリップ転倒以降、リズムを取り戻すのに非常に苦労してしまって。そのうえ決勝レースではギアボックスのトラブルに見舞われてね。ずっとニュートラルになって、それで2回も膨らんでしまったんです。リタイヤしようかとさえ思ったんですけどね…。こう言う風に走るって言うのは非常に難しいものでね。うちの状況からいけば、たいしたリザルトじゃなくても甘んじなければならないんです。例えば、ブルノ戦での6位とかね。でも、これじゃ本当にキツいですね。でも諦めることはない。マシンを調整していかなければ。2012年もコンペティティブな状態になれない危険が大きくてね。非常に遅れた状態なんですよ。でも新開発を待つより他に手だてはないし。ドゥカティでは最大限の尽力をしてくれてます。ただ、うちはホンダやヤマハのようにビッグではないんですよ。」
なぜマルコ・シモンチェッリはトップと1分0秒141の差で12位に終わったのか?
予選の段階から浮上していた問題なのだが、わずか5周でフロントタイヤが終わってしまうのだ。その後は弱冠落着いたようで、第11ラップでは4位に追い上げるほどのアタックをかけたのだが、明らかにそこまでだった。
なぜニッキー・ヘイデンは全選手が前輪にハードタイヤを使用している中で、ただ一人、ソフトを選んだのか?
ヘイデン談。
「フロントにソフトって言うのは、なかなか良い選択だと思ったんですが。それもたった第7ラップまでの話でしたね。その後は、どんどん抜かれてしまって、最後は直線コースでまでかなり振動するようになってしまってね。で、交換するのにボックスに戻らなければならなかったわけです。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事 Moto.it 2011年08月29日)
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ロッシ選手、予選での転倒がよほど響いたようで。
一見、ケガもなく、そう大事にも至ってないようだったんですが…
不運の多いDPに、がんばってCSの連勝を止め、HRC先輩エースの意地を見せてもらいたいですね。