モトGP『『2012年バルセロナGPこぼれ話』』
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ブレーキは鋼?それともカーボン?
さらなるコスト削減策として話し合われているのが、カーボン製ブレーキを鋼製に変えてみては…と言う案なのだが、これまた多くが異を唱え、多くが意味なしとしている。ブレンボ社の代表陣によれば同案で経費は全く抑えられないと…つまり、鋼製に変えることはマシンのフロント部の再設計を要し(ここで経費が増大する)、安全性が大幅に縮小し、なおかつ、多くの技術陣によれば見せ場が増えることもないと。
バルセロナGP開催決定
ドルナNo.1ことカルメロ・エスペレータが次のように明言した。
「バルセロナGPは2013年も開催される予定であり、その際、スペインでは少なくとも3レース催されることとなる(編集部注:バルセロナ、アラゴン、ヘレス)。」
しかしながら4レースになる可能性が完全に排除されたわけではない…今のところ、ヴァレンシア戦は明確にされていないが。エスペレータ氏はこう続ける。
「来年は、インド、オースティン(米)、アルゼンチンが加わることは確実で、全19戦となる可能性もある。」
マルケスの蟻
バルセロナ戦で、マルク・マルケスが、イタリア有名デザイナーのアルド・ドルゥーディ氏による新デザインのヘルメットを被っていた。ヴァレンティーノ・ロッシの全ライダースーツを手がけている、あのドルゥーディ氏だ。
今回、マルケス選手がシンボルとして選んだのが『一匹の蟻』。本人の説明では理由は、
「この世で一番強く、細く、働き者の生き物だから。」と。
ロレンソ&ペドロサ結婚
木曜午後のプレスカンファレンスで、ホルヘ・ロレンソとダニ・ペドロサに、ここ最近、2人の関係がどうなってきたかについて質問がなされたのだが、ロレンソ選手が愉快に即答していた。
「2005年、僕が世界選手権デビューした時は僕ら互いに虫が好かなかったし、その後、それがどんどん悪化していって、2008〜2009年はあんまり憎み合ってたもんだから、国王が表彰台で僕らに握手させたほどだったんです。今は、2人とも大人になったし、互いのことを尊重し合ってるし…もう2〜3年したら結婚するかもしれないですね…。」
最速スピード
予選最中、フォルセルで記録した最速スピード近似データ。
ロッシ[ドゥカティ]338.2km/h(高速スピード上位5ラップの平均は337.4km/h)
ドヴィツィオーゾ[ヤマハ]336km/h(高速スピード上位5ラップの平均は335.3km/h)
アブラハム[ドゥカティ]335.3km/h(高速スピード上位5ラップの平均は331.7km/h)
ブラドル[ホンダ]335.1km/h(高速スピード上位5ラップの平均は333.0km/h)
クラッチロー[ヤマハ]334.6km/h(高速スピード上位5ラップの平均は333.8km/h)
ペドロサ[ホンダ]334.4km/h(高速スピード上位5ラップの平均は333.1km/h)
ストーナー[ホンダ]334.0km/h(高速スピード上位5ラップの平均は333.5km/h)
バルベラ[ドゥカティ]333.4km/h(高速スピード上位5ラップの平均は332.7km/h)
ロレンソ[ヤマハ]332.9km/h(高速スピード上位5ラップの平均は332.2km/h)
バウティスタ[ホンダ]332.8km/h(高速スピード上位5ラップの平均は331.4km/h)
ヘイデン[ドゥカティ]332.8km/h(高速スピード上位5ラップの平均は332.5km/h)
スピース[ヤマハ]332.2km/h(高速スピード上位5ラップの平均は331.6km/h)
ド・プニエ[ART]320.1km/h(高速スピード上位5ラップの平均は319.1km/h)
撤廃すべきルール
モトGPのルーキー選手はワークス参戦できないと言う規則が適切か、それとも撤廃すべきが引き続き問われている。
当然のことながら、2013年にマルク・マルケスがモトGP入りするだろうと見越しての話なのだが。もう長いことHRCのスポンサーとなっているレプソルが引き続きもう2年更新しようとしているのだが、HRCとしてはスペインの期待の新星が走らせることができるのかどうかを知らせておかねばならないだろう。各種可能性から言って、同規則は廃止となるだろうが、モトGP選手らの意見も聞いておきたいところだ。
ホルヘ・ロレンソは駆け引き上手で、
「僕はライダーであって、運営側じゃないんでね。この手のことを決めるのは僕の仕事じゃないから。」と。
一方、ダニ・ペドロサは無関心。
「プライベート・チームにとっては良い規則だけど、実際のところ、あまり変わらないんじゃない…才能があるなら、どんな場合でも良いマシンに乗れるわけだし。」
そして、ヴァレンティーノ・ロッシ。
「このルールがなくなったら、マルケスはHRCに入るわけで…そうじゃなくってもホンダはワークス機の乗せるでしょう…他のチームから管理してね。」
ブラドル in ラグーナセーカ
ル・マン戦の後、ステファン・ブラドルがアメリカへと向かい、ホンダCBR1000機でもって生まれて初めてラグーナ・セーカを走った。
「良いサーキットで、それと同様、凄いですね…覚えるのがもの凄く難しいです。市販車で走ってみたんだけど、確実に役に立ってくれました…もちろんモトGP機でなら全然違うことは承知の上だけど。」と、水曜日…今回のGP前にヨーロッパに戻ってきたブラドル選手。かなりの時差ぼけだったようだ。
だから言ったでしょ
今年の1月、マドンナ・ディ・カンピーリョでカルメロ・エスペレータがこう言っていた。
「5月までに、2013年向けレギュレーションは決定するでしょう。」
6月2日(土)のバルセロナにて、メーカー陣と幾度にも渡る話合いを重ねた結果…今月末、アッセンにて再度話合いの場が設けられることとなった。
[ 完結 ]
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Moto.it 2012年06月05日)
マルケスの蟻ヘルメット画像が見つからなかったんですが…こんな商品もあるみたいですね…
どちらかって言うと『ワルケス』顔の方ですかね…
さぁ、いよいよ7週間5レースに突入!走る方も観る方も頑張れ!!クリックPrego