『マルケス&ベイリス&ビアッジ、小指の話』
★マルク・マルケスがトレーニング中に左手の小指を負傷し、手術を受けた。
★もしマルケス選手の負傷が、ホンダの声明通り、左手の小指の脱臼だけならば、5月1〜3日のヘレスGPには確実に参戦できるだろう。
ただ、マルケス選手が手術で挿入したチタン製プレートは指骨2ヶ所分を固定する面積のものであり、レース専門の医師によれば、外観よりは機能を重視した手術だったものと思われる。
★左手はスタート時のクラッチ操作にしか使われず、一般的には左手の中指もしくは薬指でレバーを操作する。なお、ハンドルを握る際に最も力がかかる部分は掌である。
また、指の防護には特製グローブと痛み止めだけで充分であろう。
★2輪レース史における『小指物語』は枚挙にいとまがない。例えば、マックス・ビアッジとトロイ・ベイリスのエピソードである。
★1999年フランス戦で、マックス・ビアッジ(当時はヤマハ500ccを使用)が転倒し、右手に重症を負った。なお、左手も2本の指の中頃を脱臼し、小指に擦り傷を負った。
同夜、手術により小指に釘1本が挿入され、それを固定する針金は外側に露出していた。つまり、今回のマルケス選手よりも重症だったが、マルケス選手が次戦まで1週間弱なのに対し、当時のビアッジ選手にはムジェッロ次戦まで10日間の猶予があった。
ムジェッロ戦の金曜朝、FP1の1時間前にクラウディオ・コスタ医師(※当時のモバイル・クリニック責任者)が、サーキット内で釘と針金の除去手術を行ない、麻酔なしで3回(除去が)試みられた。
ビアッジ元選手は予選で9位となり、日曜のレースではロケットスタートを切り、アレックス・クリヴィーレ(ホンダ)と死闘を繰り広げ、0.283秒の僅差で2位となった。
その後、ビアッジ元選手は二度と小指を通常のように真っすぐ伸ばせるようにはならなかった(下記画像)。
★2007年シーズン序盤、スーパーバイク界の帝王だったトロイ・ベイリス(ドゥカティ)は、ジェームズ・トーズランド(ホンダ)相手に苦戦していた。第3ラウンドのSBKドニントン戦で、ロケットスタートを切り、後続を大きく引き離したベイリス選手は高速コーナーでコントロールを失い、転倒。片手がマシンの下敷きなってしまった。グローブを外すと、右手の小指がぶら下がっていたため、医療室に飛び込み、医師に向って「小指を切断してくれ」と叫んだ。2時間後のレース2に出て、雪辱を果たすためだった。
近年、ベイリス元選手は次のように述べている。
「転倒して、気絶して…他の諸々に比べたら、小指なんでどうでもよかった。」
また、レース専門医師のマッシモ・コルバスコ医師も次のように述べている。
「ベイリスは睾丸に重症なケガを負い、蘇生室に運ばれてきたことがあるんだが…2週間後には回復してたんですよ。多分、指1本ぐらいなら、なんともないんでしょうね…ちょっと縫ったら、もうOKなんでしょ。普通のことではないですよ。でも、ベイリスも普通の患者ではないですからね。」
(2015年04月26日『INSIDE SUPERBIKE』記事参照)
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マルたんはターミネーターだから大丈夫とは思うけれど・・・
しっかしダートコースではまさにチーターの走り。
猫科なのに爪出しっぱ!みたいな。