MotoGP

中本修平『ブリヂストンはホンダに勝たせたくないんでしょ!』

モトGP『対決:HRC対ブリヂストン』




「ふ・か・の・う・なんですよ。」
中本氏が出し抜けにこう言う。そして、同チームの選手らが多くの問題を抱えることとなると…また、ダニ・ペドロサにとって、この変更は根本的なものになってしまうだろうとまで。
「このタイヤでこのマシンを走らせるなんて、彼にとっては不可能なんですよ。3秒も遅くなってしまう。あの体格では体重移動は異なってくる。新タイヤの方が柔らかく、ハードブレーキングでもっと変形していき、そのためマシンの動きが激しくなってしまいますからね。

HRCホンダの中本副社長による同発言は同チームも認めているもので、これほどドラマテッィクな口調ではないが、この新タイヤには充分なテストが為されていない点を指摘してきる。
「私はそうは思いませんが。」と返すのは、ブリヂストンのモーターサイクルレーシング・マネージャーの山田宏氏で、次のような説明をしてくれた。
「ドゥカティとヤマハでは新タイヤに満足してくれているし…タイヤの構造を変えた際にもね…。中本さんの言い分は理解しがたいですよ…アルヴァロもブラドルもホンダ機でこのタイヤを使ってるわけだが、両選手とも最終的には非常に満足している。私としては理解できないですね。ヘレス戦では両選手とも新コードのものをレースで使ってたんですからね。開幕前のIRTAヘレステストで、ケーシーにはそれほど大きな問題が起きてなかったが、中本さんによればダニには起きていたと言う。ケーシーはブレーキングの際の手応えがあまり良くなかったが、乗りこなすことはできたわけです。一方、ダニの場合は…中本さんが私に言ってきたところによれば、新タイヤで操縦するのは不可能だと。そう言うことがあり得るもんなんでしょうかねぇ…。」

中本HRCホンダ副社長にとっては簡単に説明がつく話だ。つまり、ストーナー選手の場合は、そのマシンの操縦法により問題を回避できるのだと。
「動物ですからね。」
こう言った瞬間、中本氏は今回のインタビューで唯一、笑顔を見せていた。しかし、ペドロサ選手の件には極端な見解を示している。
もしダニが、このタイヤのせいで事故に遭うようなことにでもなったら、ブリヂストンは私にどう言うつもりなんですかね?『う・け・い・れ・が・た・い』話ですよ。」と、最後の言葉を強調する中本氏。
「我々は安全性について話してるんです。」




安全性について

シーズン中盤前にタイヤを変える件について、山田氏は安全性を盾にこう説明した。
「もちろん異例なことではあるが、変更することで安全面を強化できるわけです…それはパフォーマンス以上に常に考慮してきたことであってね。タイヤの持ちが悪いとか、レース終盤でパフォーマンスが落ちるとか…我々にとってそう言うことは重要性が低いんですよ。なぜなら我々は全員、常に安全なタイヤを望んでいるんですから。全員が今回の変更に賛成してます…数名の選手を除いてね。」

これに対し、中本氏の見解は明瞭。
「新タイヤの導入に何ら問題はないし、非常に良いことと思われるが、ただ、現行タイヤの使用を…うちがそれに合わせてマシンを開発したタイヤの使用を続けさせてくれるならばね。」
この『非常に強い要望』について山田氏は、ブリヂストンとしては受け入れ不可能だと。
「1つの可能性として、この新タイヤを使った場合、現行タイヤより柔らかく、タイヤの持続性は低いかもしれないし(同じコンパウンドを使用)、以前のタイヤよりはグリップの劣化があるかもしれません。しかし、それが危険と言うことにはならない。グリップが劣化した状態でも、ライダーは限界を感知することが可能であり、つまり同タイヤはより安全であるはずと言えるわけです。
中本さんから現行のフロントタイヤの使用を続けるよう要望がずっと出されてましたが、最終的にお断りしました。それは、求められているのはより安全なタイヤだからです。例えば、コード21タイヤは現行のものより安全であると見なされているが、レースでのパフォーマンスはより遅いものとなる。もし、もっと速く安全性は劣るようなコンパウンドにしたら、誰も21は使わないでしょう。勝ちたいのは皆同じこと。こう言った選択肢を与えられたら、誰も安全な方など使わないでしょう。こう言った主な理由から、我々は中本さんからの要望を断ったわけです。皆に満足してもらいたいのは山々だが、選手21名全員にと言うのは無理でしょ。我々だけで決定しているわけではないことは周知のことで、だからこそドルナやIRTA、セーフティ・コミッションの意見も仰いでいるんですからね。」
(訳者注:原文に記載がないのですが、以下は中本修平氏のコメントと思われます)
「うちはフロントタイヤの使用を継続させて欲しいと言っているだけなのに、ダメだと言う。もしかしたら新タイヤよりも現行ので走る方が危険かもしれないと言う。もしかしたら、もしかしたらって…!こっちは現実の話をしてるんですよ!受け入れがたいことですね。不可能だなんて言ってないで、そうしたくないからだって言えば良いものを。」

見解の説得力を高めようと、当紙では中本氏に続けて繰り返してもらったところ、
ホンダに勝たせたくないんでしょ。ヤマハかドゥカティに勝ってもらいたいんじゃないですか。多分、ダニに勝たせたくないんでしょ。たった1年間、ケガもなく乗り心地良く走らせてるって言うのにね。」と。
ブリヂストンの断固とした拒否姿勢に対し、ホンダでは問題を解決すべく改良作業をしていかなければならないと言う


(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:Solo Moto 2012年05月15日



なんだか、ちょっと面白すぎるほどの白熱バトル記事なんですが…
これってスペイン誌の記事なんですよ…。以前、ロッシ選手のところのジェレミー・バージェスさんがスペインのTV取材を受けた際、いきなり「なにも誇張しないでくださいよ。」って釘を刺したことがありましたが…大丈夫でしょうかね、この記事は。
あっ、ちなみに山田宏マネージャーが連呼している『中本さん』は原文通り(Nakamoto-san)です!



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POSTED COMMENT

  1. nav. より:

    中本修平、アルベルトプーチ、KC、ダニ。
    TVモニターで見たくないカルテットw(パドック映像ね)

    ナカモトサン、ブリジストンだけじゃなくみんな今のホンダには勝ってほしくないんです!

  2. ANY より:

    皆が皆ホンダに勝って欲しくないとか、Nav.さんそれは流石に頭おかしいんじゃないですか?

    あまり「自分の意見が全て」とは思わないほうが良いかと。

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