MotoGP

ビアッジ『ロッシとの想い出は、ネガティブと言うよりはポジティブだ』

『ビアッジ:ロッシとの想い出は、ネガティブと言うよりはポジティブだ』

マックス・ビアッジ(50才)は1992年に世界選手権250ccクラスのフル参戦を始め、1994〜97年に同クラスで4年連続タイトルを獲得。
1998年にホンダから500ccクラスに昇格、同年を総合2位で終えた。
2000年にヴァレンティーノ・ロッシ(42才)が500cc昇格をすると、イタリア人同士と言うこともあり、国を二分するほどの壮絶なライバル関係となった。

★ビアッジ元選手が12月2日付けのイタリア一般紙『Corriere della Sera』のサイト記事で、次のように話した。

【貴方は2012年末に引退したが、後悔などはある?】
「ないですね。ずっと良いものだったし、熱い気持ちでやってこれたから。
2005年末はSBK移籍がまだしっくりこなかったんで、1年間ゆっくりして…あの時はけっこうなオファーが2つ来ていて…モトGPはドゥカティ・プラマックから、SBKはホンダからオファーが来てたけど断ったんですよ。高いレベルを維持し、主役クラスの選手でいたかったもんだからね。あと、もう一人の自分が『いったん、ちょっと休みたい』って言ってたもんだから。
(SBK移籍は)良い選択でしたよ…2回もタイトルを取れたんですからね。」

【現役時代の想い出は?】
「チャンピオンライダーは皆同じなんだろうけど…浮き沈みがありましたね。
レースでの戦いに関して、一番の想い出と言えば、キャリア序盤に原田哲也ラルフ・ウォルドマンオリビエ・ジャックローリス・カピロッシと対決できたこと…その後はヴァレンティーノ・ロッシケニー・ロバーツJrミック・ドゥーハンらと戦えたしね。
著名ライダーが大勢いたから。まぁ、イタリアだとロッシとの対決しか話題にならないがね。」

【ロッシ元選手との対立関係は、どんな風に生じたの?】
「まぁ、単純な話で…それぞれのキャリアのある段階で、たまたま遭遇し…接近遭遇してしまったわけですよ。何がどうなっていたのかって話をきちんとまとめ上げることなんてできないし、そう言う話を今ここでするのが妥当とは思えないしね。
まぁ、ああやって遭遇したおかげで良い面やら悪い面を見せれたわけだし、とにかく自分としてはネガティブと言うよりはポジティブな想い出だと思ってますよ。」

【ローマvsエミリア・ロマーニャ州の東海岸の対立に発展し…自分は少数派だと感じていた?】
「ぐだぐだ言いたくはないんでね…スポーツってものは色々と学べるものなんだし。ミスをしては、それを繰り返さないよう痛感できるわけでしょ。
まぁ、一つ言うなら…ローマ出身ってことで、高みに昇り、認めてもらうのは大変だったってことですかね…(二輪レースに)有利な土地の出ではないわけだから。
ただ、だからこそ、それが強さを引き出してくれたわけだけど。」

【貴方もロッシ元選手と同様、現在は世界選手権にチームを参戦させているが…】
「できるだけハイレベルな戦いができるよう、あのチームを作ったんですよ。ヴァレンティーノがやってることや、あそこのアカデミーがやってることとは比較の対象にならないけどね。
うちはパフォーマンスを追求し、期待の新星がいるようならそれに越したことはないわけで。ただ、他の人間がやってるような養成所なんかを、作るほどの気持ちはないから。
2022年はモト3に老兵ジョン・マクフィを出しますよ…今シーズンは散々だったけどね。今年のロマーノ・フェナーティみたいに、立ち直ってもらいたいんですよ。」

【最近、故マルコ・シモンチェッリに関するドキュメンタリーが出ていたが…】
「SBKのイモラ戦に、ワイルドカード参戦してたことがあってねぇ。その時、初めてきちんと話をしたんだけど…良い出会いでしたよ。実に気さくなタイプで、すぐに意気投合してね。
常に全力投球って走りで…確か、3日間で3回転倒してたはずですよ。二輪レーサーなら転倒は一番に避けるべきものってことは知ってるはずなんだが…まぁ、多くを学ぶことはできるけどね。」

【そして、2011年のセパン戦が最後の転倒となってしまい…】
「二輪レースの危険性を、抑えてくれるようなものがあるとは思ってませんよ。まぁ、ジャコモ・アゴスティーニの時代に比べたら、多くの工夫がなされてきたが、それでも、大体においては『片道切符』だから。
(世界選手権参戦の)最低年齢が引き上げられたのは正解でしょ。ちょっとでも経験が増せばミスも減るだろうし、そうすれば事故も減るのだから。」

【先日、貴方は『Voxan』の電動バイクで記録を出していたが…】
「時速456kmまで行きましたよ。まぁ、時速300km以上に慣れていても、凄まじい速さでね…写真を見ても、肉眼でははっきり見えないから。(操縦中に)前を見たって、もう、なにがなんだか良く分からないって感じでねぇ。
ライダースーツだって限りなくタイトなものにしてるのに、振動して熱を持ち、やけどができるぐらいなんだから。
とにかく、限界ギリギリって感じでしたよ。」


(参照サイト:『Corriere della Sera』)
(参照サイト:『Mowmag.com』)
(Photo:Instagram

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