MotoGP

ホルヘ・ロレンソ:マシン開発能力はロッシほどではないけれど…

モトGP 『ヤマハが自分に賭けてくれるのが自慢です』

ホルヘ・ロレンソ選手ならば、マレーシアの環境にも馴染みやすいだろう。
ヤマハのプロモーション活動&冬休みとしてインドネシアで9日間過ごし、その後1月28日にマレーシア入りしているのだ。
さて、そのロレンソ選手に色々と聞いてみた。

活動を開始したくてウズウズしているのですか?
「もうマシンに乗りたくって、新生ヤマハを見てみたくってたまらないですね。それから、新しいツナギやブーツ、グローブなんかも楽しみです。だってメーカーを変えましたからね。今度はアルパインスターズなんですよ。(以前、使用していたダイネーゼは、ヴァレンティーノ・ロッシ選手が名誉会長を務めている。)」

いまだヤマハのメインスポンサーが決まっていまいようですが、どう言うことでしょう?
「金額がいくらでも良いと言うわけにはいかないんでね。この3年間のヤマハは、ライダー、チームとコンストラクター部門合わせて三冠を果たしてますからね。そのうえチャンピオンに、最速スピース選手もいるわけだし。」

2月1日から始まる公式テストでは、どんなヤマハマシンを期待していますか?
「この3年間、ヤマハはチャンピオン・マシンできたけど、メーカーって言うのは良くも悪くもなるから。ドゥカティやホンダのレベルと同じでいるには、ちょっとマシンを改良する必要があるし、特にエンジンとトラクションをね。トラクションが弱いと加速も弱くなる。だから、もっとグリップがあって、もっとポテンシャルにならないとね。」

背番号1を背負い、スポーツギャンブルの賭率も最有力選手となって目眩がしそうですか?いつもはロッシ選手がその立場にいたわけですが…。
「それは変わったことの一つだし、意味深い事実ですよね。この9年間ずっとヤマハのライダーが最有力選手だったわけですから。でも、僕にとっては大した意味はありませんが。だって、前年度の結果によって確かに高い評価が与えられ、たくさんTシャツも売れるけど、今季、余分にポイントがもらえるわけじゃないですから。」

過信しすぎていると言うこともないんですね…でも、プレッシャーは感じています?
「いつもと同様、冷静で、さほどプレッシャーも感じてません。物事は上手くいくこともあれば、ケガとか何が他の事とかで上手くいかないこともあるって分かってるんで。」

モトGPで一回優勝して満足したから、もう勝つ気が薄れている…なんて言われてますね。私は信じてませんが…。
「プレッシャーから逃れるために言うわけじゃありませんが、サーキットの外にいる時は、そう思うんですよ。でも、マシンに乗るとね、チンタラ走っていられなくなりますね。スペイン人ライダーの中でトップだとか、世界で一番だとか、そう言う記録に取り憑かれていないってことなんですけどね。一度、戦いに出向いたら同じように貪欲になるだだろうし、勝とうとするでしょうね。でも、自分が手にしているものに満足し、この瞬間を満喫しなきゃとも思いますけどね。もう、充分に偉大なことを成し遂げたんだから。」

火曜日の公式テスト初日、ヤマハのボックスに行ったら、いつも調子を狂わせられていたロッシ選手の姿はもうないわけですが…どんな風に感じられるでしょうね?
「恐怖…つまり、同じチームのライダーに感じる恐怖と言うのはタイムの結果ですよね。それがヴァレンティーノだったのだとしても、また別の、モトGPでの経験が浅くもっと貪欲な、もっと若くて超速いライダーがやって来るでしょ。ヴァレンティーノに関しては…9制覇したライダーと言うことで話してるわけですが。スピース選手はスーパーバイクで総合優勝をし、モトGPはルーキーで表彰台に上がったし、ワークスに乗ったならもっと良くなるでしょう。もし偉大なライダーだったとしても…伝説になるような、完璧なスーパーライダーだったとしても、また新人が…すごく速くて、はっきりしたヴィジョンを持っているライダーが現れるわけですよ。今後、誰が自分にとって厄介な相手になるかは分かりません。彼に対してだって目を光らせていきますよ。有力選手の一人ですから。」




ヤマハに乗ってロッシ選手に打ち勝ち、そして、ロッシ選手の方が去ってゆく…と言うのは自慢できることではないですか?
「もちろん自慢できますよ。3年前に僕がヤマハに移籍した時には、到底考えられないことでしたから。もし誰かが、どんな風にここまで来たかを映画に撮って、当時の僕に見せたとしても信じなかったでしょうね。このマシンでもの凄く速く走れるようになって、そして、色々なことが変わっていった。そう、どんな状況だって変わりえるものなんですよ。僕としては、他の有力選手達と一緒に祝う気にはなれませんね 。例えば、ストーナー選手とペドロサ選手は、どちらが速いのか分かりません。まだ50パーセントしか見えてませんから。」

ロッシ選手が5月までは肩は完治しないと言ってますが、信じられますか?
「さぁ、どうかな。今に分かるでしょう。ロッシ選手のことって、あんまり考えないんですよ。もの凄く強いライバルで、ヤマハとは違うけれど勝てるマシンに乗っていて…だから、テストではそれに慣れていかなければならないわけで。でも、何キロか走りこんだらカタール戦までには優勝を争えるようになるでしょう。」

2012年の1000ccに関しては、いつ頃から作業を開始されるのですか?
「ヤマハのチームはもう作業を開始してますよ。今年の分も含めてね。重要なチャレンジになるだろうし、開発してゆくのはスゴく大きな責任ですよ。僕は、ヤマハがちょっとは余計に話を聞いてくれるライダーだろうから。いつだって全員の話に耳を傾けてくれるメーカーですからね。ヴァレンティーノがいた時はそうだったし、今は僕がそれに取って代わったわけですから。」

その辺りが弱点になるだろうと言う意見が多いようですが。
「いつものことでね。普通、僕のことを悪く言うのはロッシ選手かペドロサ選手のファン達だから、何かしら理由を探し出すんですよ。マシン開発に関しては、ロッシ選手と同じだけ知識はないってことも、バーは非常に高いってことも分かってます。でも、いつかは始めなくてはならないことだし、ヤマハも僕に任せてくれてます。それをするのにエンジニアにならなければいけないってこともないしね。ヴァレンティーノはそうじゃなかったし。上達し続けられるようヤマハが暖かく見守ってくれることを願ってます。」


(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事: Diario AS 2011年01月30日 写真


イタリア紙よりスペイン紙の方が
聞きづらいことをズケズケと聞くな〜と思うんですよ。

いよいよマシン開発の腕前が楽しみな
ロレンソ選手に激励クリックPrego

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POSTED COMMENT

  1. machcat より:

    確かロレンソは1000ccのMotoGPマシンに乗った事ないんじゃないかな。 だからテスト制限が厳しい中でベストチョイスを見いだすのは相当困難を極めるんじゃないかと思う。 スピースもやはり1000ccのMotoGP乗ってないからそこは同じ。

    その為にもヤマハはコーリンは今年と来年キープしないとならない気がする。 最後の方向性はロレンソで問題ないと思うけど、トータルバランスはコーリンあたりの経験がないとかなり厳しい事になるんじゃないかな。

    • chirico より:

      machcatさん、いや〜、やっと終わりましたねぇ、セパンのテスト…
      もう、次から次へと記事が出てきて、こっちまでお祭り騒ぎでした〜。

      まさか、コーリンは1000の経験を伝授するためだけに契約…なんて、ことはないですよねぇ。
      でも、マシン開発に関しても、ホルヘにしては珍しく謙虚な発言(弱音?)が出ているから、いよいよ2012年が楽しみですね!

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