MotoGP

ドルナ社長『日本メーカーを説き伏せる術は心得てる』

モトGP『エスペレータ:100万ユーロのマシン』




オートバイ世界選手権を運営するスペイン企業『ドルナ』のCEOカルメロ・エスペレータ氏が最難関に挑んでいる
つまりモトGPを、初めに研究開発ありきで予算を決めるのではなく、初めに予算ありきで研究開発を決めると言うものに変えてゆこうとしているのだ。
現在、販売カタログには途方もない価格が並び、最新鋭のクラッチ等はスクーター500台分に匹敵する値段だ。その一方で、プライベートチームの元帳にはいつにもまして貧弱な年間予算の数字が綴られている。
ただし、メーカーの方でも喘いでいるのだ。現在、最高峰クラスで踏ん張っているのは、わずか3社になってしまった。
どうやって立て直すのか?
エスペレータ社長には独自の考えがある。
賛同されようがされまいが、それ以外は議題にのせない。問題を先送りするわけにはいかないのだ。
今年はマドンナ・ディ・カンピーリョで開催されている『Wrooom』イベントにも出席し(まぁ、フェラーリ&アロンソ選手の大ファンでもあるのだが)、カルメロ・エスペレータ社長(スペインでは『ドン・カルメーロ』と呼ばれている)みずから状況分析、自身の観点について説明している。また、(提案すべてに納得しているわけではないらしい)メーカー陣との関係は「腕相撲にはならない」と言いつつ、いまだ合意に達してはいない現在、「話の進め方は心得ているから」とも。

2013年はすべてが変わる年
「2012年は少し過渡期的なシーズンになるでしょう。仕切ってゆくには、2つ結果を出さなければ。1つはCRT機とワークス機でパフォーマンスにあまり差がつきすぎないようにすること。2つ目はワークス機の開発について、危険なパフォーマンスやこれまでのような予算では進めていかないこと。ある製造メーカーが巨額の資金を投入してタイトルを獲得し、そして撤退してしまったら、後には何も残らないでしょう…。」

テクノロジーとエンターテイメントは、どちらか1つ
「モータースポーツと言うものは2本の柱によって支えられている。テクノロジーとエンターテイメントですよ。経済不振において、どちらか1つを選べと言うのならエンターテイメントでしょう。TVやサーキット側に恩恵をもたらすのはそっちですから。現在、メーカー陣とは話し合い中なんですが、私も世界中の我慢をかき集めたほどに辛抱強い方でね。ただ、最大時間がかかっても5月には、2013年に向けての素案に同意してもらわなければね。2013年は、2012年と打って変わった年にしたいんですよ。」

満場一致の賛成は理想的だが、必須ではない
「メーカー側は常にテクノロジー開発を最優先事項としてきた。」としながら、長い年月の中、2つの問題点が沸き上がってきたのだと。
「まず、マシンのリース料なんですが、どうにもこうにも対処できないような金額になってしまった。次に、トップ陣があまりに速すぎて、エンターテイメントと言う点で問題が出てきてしまったんです(編集部注:後陣グループとの差が大きすぎて)。
これらの問題を解決する能力は、我々にはあります。全員の賛同が得られるならば最高だが、不可能ならば他に考えがありますから。今年5月までは何とかメーカー陣を説き伏せる努力はするが、それ以降は独自に進めますよ。」

安全面における問題
安全面を憂う者もいる。スピードの異なるマシンや、経験がまちまちの選手らが参戦してくるからだ。
「17台から21台に増えたなら(編集部注:2011年にはCRT参戦についてこのように言われていた)、4選手は新顔ってことになりますよね。安全面で必要なレベルに達していないチームを走らせない方策はありますから。」
とにかくエスペレータ社長は、
「トップ陣と後陣の差は、現在のF1よりは小さいもの」と確信しているのだ。

100万ユーロのマシン
「コントロールユニットのワンメイク化が、うちからの提案の1つでした。3メーカー共、それが大方のテクノロジー開発を制限する要素と考えているようでね。私としてはユニットのワンメイク化に賛成しているわけじゃないが、ただ、パフォーマンスを制限することには賛成ですね。パフォーマンスやコストを抑えることでね。ワークス以外のチームのマシン価格は、1シーズン100万ユーロ(約1億円)ぐらいが良いですよ。」

メーカーはCRT機の製造、販売が可能
「現在、ワークス以外のチームが確保できる予算は200万〜250万ユーロ(約2億〜2億5千万円)あたりです。うちからの支援分を加えたら、収支が合うでしょう…もしマシンが100万ユーロで、勝てるパフォーマンスがあるのならばね。問題は、現在、マシン1台が300万ユーロ(約3億円)だってことで。そこにCRT機ですよ。いや、名前は変わるかわしれないが…例えば、カスタマーズマシンとか…まぁ、それはどうでも良くて、私が興味があるのは1台100万ユーロって点であって。」
また、同案を導入に向け、様々な方策が実施されるかもしれないとも言う。
「例えば、各メーカーが製造できる(ワークス)マシンは2台だけにするとか、リース禁止にするとかね。マシンはチームが所有すべきですよ。」

屈服しない日本メーカー
「ええ、軟化してこないですね。ただ、腕相撲じゃないんでね。私は22年間も日本メーカーと渡り合ってきたんだ。説き伏せる可能性はあると思ってますよ。将来的に見て、とにかく彼らにとっても良いビジネスのまま続くでしょう。1台100万ユーロで売れるんだから、そう悪い話じゃない。」

将来的には20レースに拡大か?
「近い将来、スペインで4レース以上など開催されないとは言えます。不況は我々のところにも漂ってますからね。やりたがってる国のリストはあります。皆さんもご存知のように、インド、韓国などね。ただ、我々としては18レースでやってゆきたいと思ってますが。」

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年01月11日 写真



あぁぁ、中本修平さんとかと戦ってるんでしょうねぇ…
エスペレータ社長…どうしても『叔父貴』と呼んでしまうぞ…クリックPrego

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