MotoGP

モト2テスト最終日:カレックス強し、名ばかり公式テストに悲喜こもごも

モト2『エスパルガロが記録を凌駕する』




この3日間、ヴァレンシア・サーキットで行なわれていたモト2・モト3公式テストが本日午後5時に終了した。
しかし公式とは名ばかりで、モト2クラスでは各マシンにトラスポンダなし、レースで使用される『Geo Technology』社供給のエンジンもなし、そのうえ、タイムはチーム毎に計測される非公式タイムなものだけ。
そんななか、最終日もやはりカレックス機が1位、2位を独占し、その競争力を見せつけた。しかしながら、初日・2日目とトップに名を刻んだスコット・レディングにポル・エスパルガロ(チーム・ポンス)が取って代わり、1分35秒04を叩き出して、かつてトニ・エリアスが出したコースレコードより0.7秒上回った。
「昼12時頃に転倒してしまって、ずっとボックスにこもっていなければならなかったんですよ。」と話すエスパルガロ選手。
「午後にはマシンも元通りになったんで、自分の最速ラップタイムを出すことができました。初日から、このカレックス機は良い手応えだったんですが、それが証明されるようなタイムでした。
一方、レディング選手はレースのシミュレーションに集中してポジティブな結果を出し、特にタイヤが消耗した状態などはなかなかのものだった。




タイムシート3位に付けたアンドレア・イアンノーネは、2012年、スピードアップ機初乗りで、満足して帰途についた。
「この3日間の出来には大満足です。今回のテストはマシン復帰に大いに役立ったし、自信もちょっと取り戻せて、予選やレースのリズムでまた作業を再開させられるようなテストでしたね。うちのチームはけっこうな仕事をこなせたんですよ。マシンの走り具合にも、今回入手できたデータにも満足してます。あとは来週のヘレステストを待つばかりで、今回同様に上手くいってくれて…今後に役立つようなデータがまた取れると良いんですが。」

この後ろに続くはやはりイタリア人ライダーで、シモーネ・コルシ(4位)、クラウディオ・コルティ(5位)となっており、両選手とも先に挙げたエリアス選手のコースレコードを凌駕している。
今日はギアボックスの故障で、ちょっとタイムを落としてしまって。惜しいことに、気温が低すぎて午前中はあまり使えなかったしね。」とコルティ選手。
「とにかく満足はしてます。去年、出した最速タイムのペースでもって、今年はずっと走れてますから。大きな進歩を遂げました。」




アレックス・デ・アンジェリスの方は、昨日よりも1秒縮めたもののタイームシートでは11位。
「今回はきちんとしたテストとは言えないですよね。レースで使うオフィシャルエンジンもなければ、ダンロップが用意してくれたタイヤも全員同じじゃないし(編集部注:1日の最高気温時にはラップ0.5秒速いタイヤがあったため)。だから、自分のタイムを他の選手のと比べても検証しきれなくって。分かったことは、この3日間、うちはどんどん速くなっていったこと…特に最終日、マシンに最高のフィーリングを感じました。やっと強いブレーキングができるようになったし、まさに僕のスタイルである底意地の悪い操縦ができるようになってね。まだ競り合って行ける状態じゃないのは当然のこと。2012年スッター機に乗るのは、これで3日目なんですから。でも、作業は正しい方向に向かってますよ。どっさりデータを入手したんで、これからヘレステストで試すセッティングについて調べてゆきます。」
また、転倒したが無傷ですんだロベルト・ロルフォは26位で終わり、スーパーバイクで1年を過ごし、現在はスッター機に慣れようと励んでいる。
2010年モト2クラスのチャンピオンだったトニ・エリアスは16位で、昨年の125ccチャンプであるニコ・テロールと同タイム。

今回のテストは不在ながら、リッキー・カルドゥス選手もまたモト2クラスで走る予定。本日、契約が交わされ、昨年まではCEV(スペイン国内選手権)で戦っていたdell’Argiñano Racing Teamからの参戦となる。

最終日タイムシート(モト2)

1. Pol Espargaro (Kalex) 1’35.4 (giri 61)
2. Scott Redding (Kalex) 1’35.8 (giri 63)
3. Andrea Iannone (Speed Up) 1’35.8 (giri 37)
4. Simone Corsi (FTR) 1’35.9 (giri 45)
5. Claudio Corti (Kalex) 1’35.9 (giri 38)
6. Julian Simon (FTR) 1’36.0 (giri 55)
7. Thomas Luthi (Suter) 1’36.0 (giri 53)
8. Esteve Rabat (Kalex) 1’36.3 (giri 42)
9. Gino Rea (Moriwaki) 1’36.4 (giri 48)
10. Mika Kallio (Kalex) 1’36.5 (giri 57)
11. Alex De Angelis (Suter) 1’36.5 (giri 47)
12. Angel Rodriguez (FTR) 1’36.5 (giri 47)
13. Bradley Smith (Tech 3) 1’36.5 (giri 50)
14. Takaaki Nakagami (Kalex) 1’36.7 (giri 67)
15. Max Neurkirchner (Kalex) 1’36.7 (giri 79)
16. Toni Elias (Suter) 1’36.8 (giri 50)
17. Nicolas Terol (Suter) 1’36.8 (giri 50)
18. Yuki Takahashi (Suter) 1’36.9 (giri 55)
19. Axel Pons (Kalex) 1’37.3 (giri 53)
20. Xavier Simeon (Tech 3) 1’37.4 (giri 78)
21. Randy Krummenacher (Kalex) 1’37.6 (giri 60)
22. Johann Zarco (Motobi) 1’37.6 (giri 60)
23. Mike Di Meglio (Speed Up) 1’37.7 (giri 27)
24. Dominique Aegerter (Suter) 1’37.8 (giri 79)
25. Rattahapark Wilairot (Moriwaki) 1’37.8 (giri 54)
26. Roberto Rolfo (Suter) 1’39.0 (giri 55)
27. Elena Rosell 1’39.3 (giri 53)
28. Eric Granado (Motobi) 1’39.6 (giri 60)
29. Marco Colandrea (FTR) 1’40.6 (giri 45)
S.T. Alexander Lundh (MZ-RE)
S.T. Damian Cudlin (Moriwaki)


(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事 Gpone 2012年02月10日


そう言えば、デ・アンジェリス選手はテスト後すぐにイタリアに帰国したようで、地元サンマリノ近くまで辿り着いた時、あまりの雪の多さにびっくりツイートを出してました。



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