『カダローラ:ロッシの2輪の才能はフランケンシュタイン』
★4月24日(日)、ヘレス決勝戦でヴァレンティーノ・ロッシは世界選手権キャリア113回目の優勝を成し遂げた。
★今シーズンより、毎GP、ロッシ選手に帯同しているルーカ・カダローラ元選手にとっては、コーチとしての初勝利となった。
★カダローラ氏のコメント。
【昨年、ミザノでロッシ選手と一緒にヤマハR1機の走行練習をしていたが…】
(※ロッシ選手はスタンダード機を、カダローラ元選手はプライベート機を使用)
「実に良かったですよ。ちょっと勉強にもなったし。」
【今シーズンよりロッシ選手のコーチとして、毎GPに帯同しているが…】
「本当にヴァレンティーノには驚かされますよ。彼と知り合ってね…私にとっては一大発見です。
あれはねぇ…フランケンシュタイン・ライダーって言っていいですね(※身体の各部を複数の人間から取って、つなぎ合わせたと言う意味)。
目標に向けての集中力はエディ・ローソンみたいだし、コースの内外で奇想天外なところなんかはケヴィン・シュワンツですね。アドリブが上手く、しぶといところはウェイン・レイニーで、粘り強さはミック・ドゥーハン。」
【そう言う貴方は?】
「いやぁ〜私にある能力は1つ…コースで走るライダーやマシンの挙動を見てると、問題点の原因がけっこう読めるんですよ。」
【カネモトと長く組んだことで研ぎ澄まされていった貴方の技術的な能力は伝説にもなっているが、ロッシ選手が貴方のプライベートR1機を試した時は驚いていたのでは?】
「ヴァレンティーノもかなり詳しいですよ。ただ、他の人間に任せてる部分もあって…エンジニアではありませんからね。でも、極端なぐらい分析してきますね。マシンに何が起きてるかをきちんと説明できるし。だから、彼と話をしたら、もうどこに手を入れればいいか分かるんですよ。」
【この30年間でマシンは変わった?】
「特に電制システムですね。コントロールしなければならない情報がかなり多くなっていて、それはそれで良い事なんだけど、でも多分、そのせいでセッティングは複雑になってるでしょう。」
【当然、ロッシ選手と言うのは要求が多いタイプだろうが…組んで作業をするのは大変?】
「全然。彼は一緒に作業しやすいタイプですよ。今、彼と組んでるグループって言うのはかなりの熟練組だし、ヴァレンティーノはいつも落ち着いてるし。」
【ロッシ選手に対する賞賛の気持ちが窺えるが…通常、チャンピオンライダー同士って言うのはもっと自己中心的なものでは?】
「彼のことは本当に凄いと思いますよ。私が現役だった時に、ほんのちょっとでもあのカリスマ性があったら、多分、もっと何かできてたと思うんですよね。でも、まぁ、性格だからねぇ。ああ言う性格じゃなければ、ああ言う風にはならないわけで。」
【現役時代は約200馬力の500cc2ストロークの野獣を乗りこなしていたが…】
「2ストロークは物凄いポテンシャルだったけど、あまり長い期間は使われなかったんで、けっこう予測不能なところがありましたね。今みたいに、マシンから身体を離してなんて乗れなかったし。ちょっとでもミスしたら、もう制御不能でしたからね。タイヤも今ほど進化してなかったし。現在のモトGP機はかなり快適になってますよ。エンジンが驚異的だから。ただ、馬力は本当に物凄いですよね。そのせいで、現在のライダーも難しくはなってるんじゃないんですか。」
(2016年04月29日『Gpone』記事参照)
ロッシ選手と言えば、この間のヘレスGP会見には出席してなかったけど…
実は、一人で囲み会見して、ロレンソ選手のドゥカティ移籍についてねっとり語っておりました。
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【2016ヘレスGPまとめ その1 ヤマハ】[2016年04月28日 Vol. 88]
●ホルヘ・ロレンソ:ドゥカティ移籍まとめ
・ロレンソ:ヤマハでキャリアを終えたかったのでは?
・ロッシ『ドゥカティに移籍するとは思ってなかった』
・もしもマルク・マルケスがヤマハに入ったら?
・ジジ・ダッリーニャ『ロレンソが勝てなければ私が辞める』
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イタリーの伊達男もいい感じに歳とってますね〜。現役時代はもっとクールな
ナーバスな寡黙なイメージでしたが笑顔が良いですね!
ルカのリーンウィズ乗りは個人的に当時一番華麗だと思ってた。レイニーとの
紅白ランデブーシーンは凄く綺麗に感じてた一方で250時代にブラドルパパと
腕を絡ませながらのドッグファイトゴールが鮮烈だったアグレッシブさにも
内面のファイタースピッツを感じてた。自分と競い合ったライダーの複合体が
今のロッシと言う辺りはルカが達成出来なかった目標をやってのけてるものを
彼なりに年齢関係無くリスペクトしてる姿が良い雰囲気を感じますね!
その内ロッシの身内としてまた表彰台に立つ日が来るのかな?なれば良いな〜
ロッシクラスのアスリートって、天賦の才だけでなく恐ろしい強運も持っていますが、ドカ移籍だけ見るとタイミング悪かったですね。
ロレンソがドカ移籍でタイトル獲っても、即ロッシ超えという評価は与えられないと思っています、ロレンソ贔屓の私から見ても。
ある一面では超えた事になりますが、ロッシ超えというのはあまりにも壁の面数が多いです。フランケンシュタイン・ライダーという表現がそれですね。
ロレンソ、人気面では完全に無理です(失笑)。
アスリートへのアイドル視を否定する考え方がありますが、ショービズではスポンサーは非常に重要なファクターです。どんなアンチロッシの方でも、この点でのロッシの凄さは否定できないでしょう。
私基準で恐縮ですが、、、
M1では出来てもデスモを扱いきれなかった、という評価より、
ロッシは全階級、しかも最高峰では2stと4stの双方でタイトル奪取、
しかも20余年に渡って今でもタイトル圏内、、という評価の方が重い、と思っています。
500の実績はデカい。私もRZVに乗っておりましたが、ここに居られるベテランさんもきっと頷いてくれる事と思います。
また、当時最強だったHONDAから、当時悲惨だったYAMAHAに移ってタイトルを獲った、というのは、今ドカでタイトルを獲るよりもはるかに考えの及ばない、奇跡的な事件でした。
浅さんには、あの衝撃を体験させてあげたかったですヨ~、以前も言いましたが。
長くGPを見ていると、やはり凄みのあるライダーって、素直に畏敬の念を持てると思うんです。
時代が必要とするなら、黙っていてもヒーローって現れるものですよね。
もっとも、私にとってYAMAHA9年間のロレンソは十分ヒーローとして満足しております!
>浅さんには、あの衝撃を体験させてあげたかったですヨ~。
今の時代だったら…といろいろ想像してみましたけどホンダさんからドゥカさんへは行かずヤマハさんを選択。そして成績を伸ばせずにいたヤマハさんで勝てるエンジンを『スィート』と表現して選んだドクターとしての感性。そしてそれを証明して見せるライダーとしての才能。(全て聞きかじり。あってます?(^_^;))
って私だからかも知れないけどちょっと思いつけませんでした。
もし仮にシモンチェリさんが今も走っていたら…とか思ったり…。
ドクターとしては人間とライダーとしてはバイクとのコミュニケーション能力が卓越しているからかなぁ…とか…。もちろんそれを信じて活かして取り組んだヤマハさんの当時の体勢も良い廻り合わせとして引き寄せられたのかも知れませんよね。
と言うくらいの理解です(笑)。
結局スゴいんだなって思うだけでよく分からないから体験したかったー‼
リアルモンスターの黎明期?
ロッシとフランケンシュタインか・・・。面白いたとえをするんですね、カダローラさんは。
ロレンソのドカ移籍は応援(できれば)したいです。チャレンジはいつだって勇気を伴うものだから。
カダローラ、歳のせいか柔らかい笑顔が素敵ですね。
95年か96年でアーブカネモト+NSR500で参戦して メインスポンサーがつかなくて真っ白なカウルのNSRで開幕戦を制したのが感動的でしたね…。
確かにフランケンシュタインに例えるとはなかなか斬新な^^
でもこの場合、モンスターの方ではなくヴィクター・フランケンシュタイン博士の方でしょうかね。
そんでエスペレータがプロメテウスの火を翳している・・・と。
カダローラのアドバイスの影響かもしれませんが、今シーズンに入ってロッシは走行スタイルを大きく変えたなっと思っています。
去年はバトルのロッシ、逃げ切りのロレンソという感じでした。セッテイングも、ものの本によればロッシは柔らか目のスイングアーム、ロレンソは硬めのスイングアームをつけていたそうです。柔らかいスイングアームはコーナーでラインを変えやすいのに対して、硬めは変えにくいそうです。
今年のロッシは硬めのスイングアームをつけているんじゃないかなと私は見ています。
そう思ったのはカタール戦でコーナーを止まりきれずに少しオーバーランしたときに、ラインを変えてイン側を塞げずにマルケスに抜かれたときかな。その後、同じようにマルケスも同じコーナでオーバーランしたのですがラインを変えてインを塞いでいました。
ロレンソとロッシが真っ向から勝負をしたのが今回のヘレスが初めてじゃないかな?
以前、ダニがロッシととロレンソの真っ向勝負が見たいと言っていたのが記憶に残っています。
ヘレスのロッシとロレンソのスローモーションの映像は貴重ですね。二人のスタイルの差がよくわかります。
ロッシ ライン少し大回り、あまり深くバンクさせていない、グリップ走行
ロレンソ ライン小回り、 深くバンクさせる、 パワースライド
ロレンソのパワースライドは、彼が本当に望んでいたのかは疑問があります。というのもこれまでセッテイングが上手くいかないときに、彼はよくタイヤエッジがスピンするとコメントしています。たぶん今回のミシュランタイヤではエッジがグリップすることは望めなかったはずです。しかも本来はラインがもう少し大回りだと思います。
ロレンソのライディングフォームは基本的に去年と同じ様に見えました。バンク時にマシンから上体を斜め前方へできるだけ離す感じで深いリーンイン。コーナでタイヤエッジを多用するのが彼の特徴なのかもしれません。(エッジがスピンするときは速く走れない?)
ロッシのライディングフォームは去年から明らかに変わったと思います。バンク時にそれほどマシンから上体を離さず、また前方に体重をかけていません。リアにかけている? コーナーにもよるのかもしれませんが、あまりバンクさせずにコーナー立ち上がりで少しでも速くアクセルを開けていると思います。少なくともヘレスでは。
今のリアタイヤではロレンソが不利な感じがしますが、レース後のテストではコーナの旋回性を色々試したと言っています。何か対策が見つかったかもしれませんね。次回、ロレンソの逆襲なるか。。あとマルケスも侮れないですね。
ルマンが楽しみです。