MotoGP

ヤマハが問題点すべてを告白、マイオ・メレガッリ:2023 オランダGP

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『メレガッリ:ヤマハが問題点すべてを告白』

★ヤマハは2021年にモトGPタイトルを獲得したものの、マシン開発に関してはホンダ同様、数年前から苦戦している。

★2023年シーズンに向けた技術開発では、却って、マシンの長所を失ってしまい、もはやファビオ・クアルタラロー(ヤマハNo.1選手)もマシンの短所をカバーすることができない。

★2019年までのヤマハ機は操縦しやすいマシンであり、ヤマハ選手は短期間で高い戦闘力を身につけることができた。特にクアルタラロー選手は、ルーキー年に表彰台を7回獲得している。
しかし、その後、なにかが変わり、同選手の操縦はどんどんアグレッシブになっていった。

★ヤマハのマイオ・メレガッリ氏(スポーツディレクター)が、西サイト『Marca』の6月22日付け記事で次のように話した。

【今シーズンここまでについては?】
「シーズン序盤は、我々の期待していた状況を考えると、完全に別物になってしまいました。冬期間中は実に良いテストができ、日本サイドの作業ぶりに満足していたんです。
ただ、学んだことがあるのですが…結局、エアロダイナミクスに関する経験値が低いんですよ…荷重やスピードを改善させるだけでは駄目なんです。
マシンを、上手く曲げられるようにしなければならないんですよ。」

【現在のヤマハ機は、上手く曲がらないわけで…】
「最初のエアロダイナミクスパッケージの認証を受ける際、操舵性を少し上げるのにトップスピードを若干落とし、2021年版マシンの形態に戻す必要があったんです。
あれはがっかりしましたね。ただ、他の目標があったものですから。
スランプだなんだと話していても無意味でしょ…おそらく、うちは開発の指針を決め直す際、方向性を間違えてしまい、現在はエアロダイナミクス経験の浅さと言うツケが回ってきてるんです。
他のメーカーはもっと早くから着手していたが、うちは遅れていましたからね。」

【現在はどのような作業を…?】
「(他メーカーとの)ギャップは明白で、隠し立てはできない状況です…現在は被害を最小限に抑え、ミスから学習するよう努力しています。
タイトル争いができるような状況でないことは確かですね。シルヴァーストン辺りで、新エアロダイナミクスパッケージが投入される予定なので…あと、エンジンパフォーマンスのアップグレードも要請しておきました。」

【ここ数ヶ月の間に投入された新マテリアルに関し、クアルタラロー選手が『なに1つ機能しない』と言っていたが…】
「うちは作業メソッド改変に関し、一歩踏み出さなければなりません。よく『日本人は保守的だ』と言われているが、現在、我々は作業を続けている最中なんですよ。
ヤマハはイタリアに拠点があり、ヨーロッパ人エンジニアもいますからね。日本とヨーロッパの作業メソッドを融合させ、プラスに変換させていくようにしないと。
早々に結果が出てくれると良いんですがね。」

【ヤマハも、スズキのようにモトGPから撤退してしまうのではと言う噂も出ているが…】
「ヤマハ撤退の兆候など、1mmたりともありませんよ。既に2027年のレギュレーションについての話し合いも行っていて…ドゥカティと合意も結びました。」

(参照サイト:『Corse di moto』)

ヤマハが投資すべき2つの問題点については、note『2023 フランスGPまとめ』でどうぞ!

POSTED COMMENT

  1. きゃめる より:

    マシンの改善はメーカーの熱の入れようで決まっちゃうよね。日本経済の景気も徐々に悪くなり開発費も下火になってるところにヨーロッパメーカーが追いつき追い越したって感じ。GP撤退は無いとは思ってるけど、他社を追い越すほどのメソッドもそんな無いから、他社に追いついても昔みたいな黄金期は続かないだろうな。

  2. ヤマハファン より:

    日本メーカーの現在の窮地は複合的な原案からきていると思う。ライダーの意見を聞かないと言う意見もあるが、むしろ、ホンダはマルケス、ヤマハはファビオの意見を真摯に聞き、今に至るのでは。マルケス、ファビオの意見が間違っているのではなく、真摯に意見を聞いた結果かと。そして、一人しか速く走れないと揶揄されながらもチャンピオンを取り続けた。 複合的と言うのは、レギュレーションの変更に対する対応の速度然り、ジジのコメントにあったように、あまりにも1人のライダーに特化したマシン作りをした事であったり、あとは、ドゥカティの進化スピードがえげつなかった事にもよる。危機感を持つ事はもちろん大事だけど、ヤマハが一昨年のチャンピオンである事、そして過去40年間で日本メーカーは38回チャンピオンを取っている事を忘れてはいけない。なんとか突破口を見つけて欲しい。 今はドゥカティ以外は箸にも棒にもかからなかった30年前のWSBみたいだ。がんばれ!

  3. ビックリマック より:

    まあ、考えてみれば
    ずぅ~~~~~~~~~~~~~~っと
    日本メーカーが独占してた事がある意味
    異常だったのかもしれないw

  4. ダイどん より:

    ドゥカティなんかはストーナーの意見を全く聞かずに「黙って俺たちのマシンに乗って結果出せや」なやり方で進めてたら低迷した
    ストーナーの超絶技巧で何とか走れてた代物だったのにそれに気付かず、ドクターロッシもそれに気付かず移籍して大変な目にあった
    そしてどん底に落ちてようやく反省し、開発スタッフを一新してから今の栄光がある
    それでもタイトル争いに復活するまで5年はかかったわけで、今のホンダとヤマハがロッシがいた頃のドゥカティだとすると復活するにしてももう暫くはかかるだろうね

  5. オトキチおじさん より:

    空力を使うという全く違う世界の考えが入って来たからね。新参メーカーのドカは従来の2輪車技術だけでは日本メーカーの牙城を崩せないと気付き、正統派ではないゲテモノというか4輪のダウンフォースを取り入れるという全く違うやり方で挑み、突破した。最初はみんな、なんだあの羽根?マスダンパー?技術が無いから飛び道具か?って感じだった。でもドカは諦めない絶対的な挑戦者だった。正統派技術だけで無く、飛び道具を突き詰め実用化することに成功した。これに尽きると思う。
    バイクにダウンフォースを持ち込むことについては、本当なら自社製F1を作り走らせた経験を持つホンダこそが最も近い、成功する可能性が高かったと思うけれど、発想が無かったのかもね。挑戦者は強いわ。でも、それはホンダ・ヤマハにも言えること。ホンダが総力戦を挑んできたらヤバイくらい速いマシンが出てくると思う。ヤマハもトヨタの空力技術が入ればあるいは。

  6. おれ より:

    共通ECUをやめて自由な開発をさせたほうがいい。
    コロナの終了、株価の上昇など経済的に良い流れなのでここで一気に開発に投資してほしい。

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