MotoGP

なぜクアルタラロはヤマハ継続を決めたのか?

『なぜクアルタラローはヤマハ継続を決めたのか?』

★4月5日、ヤマハが公式プレスリリースで、ファビオ・クアルタラローと2年契約(2025/2026年)を更改したと発表した。

★ある意味、予想外の契約更改ではあるが、以前から兆しはいくつか見えていた。

★クアルタラロー選手は2019年にヤマハのプライベートチームからモトGP昇格し、同年、表彰台を7回獲得し、総合5位でシーズンを終えた。
2021年にファクトリーチームに昇格し、同年、モトGPでの初タイトルを獲得した。
しかし、2022年シーズン後半からマシン不調により苦戦し始め、今シーズンもいまだ復調できず、おそらく、今後の2年間でドゥカティやKTM、アプリリアに追いつくのは難しいだろう。

★では、なぜクアルタラロー選手はヤマハとの契約更改を決断したのか?
ジョヴァンニ・ザマーニ記者(今年からイタリア衛星放送『SKY』のピットレポーターに就任)が、以下のように考察した。

・契約金額
「大勢が『金のためだけに決めたのではないか…』と思っているようだが、当然、重要な点ではある。
おそらく、ヤマハは約1000万ユーロ(約16億4300万円)の契約額を提示した可能性があるだろう。
つまり、現在のモトGP選手の最高額となり、2年連続チャンピオンのフランチェスコ・バニャイアよりも高収入となるのだ。」

・ヤマハプロジェクトの変革
「ドゥカティから移籍してきたエンジニアのマックス・バルトリーニ氏が、メンタリティおける重要な変革をヤマハにもたらしている。
もちろん、わずか数ヶ月でリザルトに反映させることはできないが、クアルタラローも頻繁に『これまでのヤマハとは違う』と繰り返している。
つまり、クアルタラローが、『ヤマハ機の戦闘力はまた上がる』と確信したと言うことだろう。
ただし、2027年にレギュレーションが改定されるまでは難しいことも承知しているはずだ。」

・移籍の選択肢がない
「たとえクアルタラローがヤマハ離脱を望んでいたとしても、どこに移籍できただろうか?
ホンダは無理だろう…確かに『あのホンダ』ではあるが、現時点ではヤマハよりも厳しい状況なのだから。
ドゥカティも無理だろう…既に選手が多すぎるのだし、クアルタラロー本人も興味を示していない。
KTMも無理だろう…ドゥカティ同様、既に選手が多すぎるうえ、本人もあまり興味を示していない。
唯一、可能性があったのはアプリリアだろう。
ただ、同メーカーの場合は契約金額が大幅に下がり(おそらく、ヤマハの半額)、そのうえ、現在のアプリリア機はヤマハ機より上とは言え、いまだ制限のあるマシンなのだから。
おそらく、それ故にクアルタラローを100%説得できなかったのかもしれない。」

・なお、今回の契約更改のポジティブ面は以下の2点と言えるだろう。

1)同契約の締結により、ヤマハ自身がモトGP参戦を継続する姿勢であることが確認された。決して、『絶対に大丈夫』と言った様子ではなかったのだから…。

2)今後、クアルタラローがヤマハを代表する選手になれるかもしれない。
ケヴィン・シュワンツはスズキ機で世界タイトルを1回獲得しただけだが、シュワンツは二輪レース史においてスズキを代表する選手となっているのだから。

(参照サイト:『Moto.it』)
(Photo:Instagram

POSTED COMMENT

  1. maxtu より:

    この前のビニャーレスのマシントラブルが決め手かもね?、なんて冗談はさておき

    1000万ユーロならペッコみたいに優勝しなくても高額が保証されてるほどの好条件
    ただ、日本メーカーはまだこんな契約続けるんやねぇ…
    勝てるライダーは必要だが、今はその予算を開発にまわして誰でも速く走れるよう全体の底上げした方がいいのに
    優秀なクルーの引抜き、テスト回数の増加、サテライトチームの招聘、予算がいくらあっても足りない

  2. 田中 より:

    なるほどね。
    このニュースをxで見たとき、うすうす想像はしていたが最終的な妥協点の一つは、やっぱギャラだったか。

    モトgpもF1同様、トップチームとミドルフィールド、と階層化だな。
    ファビオのハンマータイムは、少なくも数年間は見れないな、残念。

  3. ryo より:

    クアルタラローがヤマハ=ロッシのイメージを塗り変えるには今後何度もチャンピオン取らないと難しい気がする。

  4. ビアッジ より:

    この4人の手を合わせる写真いいですね
    必ずヤマハは復活して常勝軍団にまたなってください

  5. ジジィ鑑賞勢 より:

    この話でVR46からホンダワークスに移籍した
    マリーニの唐突過ぎた流れに合点がいったわ

  6. NSR50 より:

    う~ん、ヤマハよりアプリリアの方がマシだと思うけどなぁ~。ファビオって結構保守的なのかな?

  7. TBN より:

    フォーミュラEとはいえヤマハが4輪に参戦するから
    そのファーストチョイスドライバーの確約でも得たかな
    ロッシもペドロサもGT3だけどファビオ若いからまだフォーミュラでもやれると
    トプラクがその先のMotoGPファクトリーシートを見据えて
    SBKのヤマハやBMWで走ってるくらいだから視野を広くその先の事を見たほうが良いかもね
    市販R1が排ガス規制EURO5適応を止めて欧州ではサーキット専用モデルのみにして
    徐々に市販バイクを減らす勢いなのに
    市販の目処もたってないV4なんてするかね?
    それともドゥカティみたいに少数のみのリリースモデルとか?

  8. ペペロンチンコ より:

    V4とかフォーミュラーEとかどっからそんな与太話噂拾ってくんの?

  9. クアルタラ郎 より:

    保守的というか、アプリリアの調子のムラと信頼性の低さではギャラを1/3まで減らして行くモチベーションがわかないのでは?

    ファビオが一番欲しいのはチャンピオンだろうし、サーキットによって調子がダメダメだったりマシンが壊れたりしたらチャンピオンにはなれない。いまさら年間数勝のために年俸が1/3でも良い!とは思わないのではないでしょうか。それにヤマハが優遇措置でマシンのポテンシャルさえ上がればチーム力は十分にあるわけだし。

    個人的にはアプリリアを選ぶ理由としてはマシンのかっこよさ!あれはたまらん。艶消し黒のカラーリングとデカい羽とデカいロゴがもう最高。でもヤマハもあのヘンテコなマフラーさえ何とかなればアプリリアに次ぐ格好良さだと密かに思っています。あくまで個人の見解です。

    その次はお金でも不思議ではない。

  10. TBN より:

    V4は信憑性低いけどフォーミュラEは
    ヤマハ発動機の公式プレスリリースにありますが?
    公式発表すら与太話なら何が与太話じゃないんだろうか?

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