
『ガバッリーニ:バニャイアが信頼感を抱けるようにしてやらねば…』
★5月23〜25日、ブリティッシュGPが行われ、モトGPクラスのフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティファクトリー)が予選3位、スプリント6位、決勝はリタイアした。現在、総合3位(−72ポイント)。
★現在、バニャイア選手のチーフメカニックを務めているクリスティアン・ガバッリーニは、これまでケーシー・ストーナーやホルヘ・ロレンソを担当し、2013年にはマルク・マルケスのチームでサポートエンジニアをしていた。
★先日、ガバッリーニ氏が英サイト『Crash.net』で次のように話した。
【今シーズン、バニャイア選手が苦戦しているが…】
「大丈夫ですよ…まだシーズン序盤なんですからね。複雑な状況って言うのも、この仕事の一部ですから。
そもそも、すべてが上手くいくことの方が珍しいだし…ほとんどの場合、解決すべき問題はあるもので、最初から上手くいかない物もありますしね。
今はペッコ(バニャイア)と一緒に、彼の弱点に手を入れてるところです…そう言った面が、ちょっとでも改善されるようにね。
本人も順調に作業を進めていて…もうちょっとってとこですよ。(ブリティッシュGPの)レースデータを見る限り、そう言う意味では大きく一歩前進しましたからね。」
【カタールGPでは、バニャイア選手のマシンのセッティングに手を入れていたが…】
「その手の変更を加えると言うことは、マシンのパフォーマンスにライダーが満足してないと言うことなんですよ。でなければ、そのまま使い続けますからね。
何年も同じ選手に付いていると、何が必要かはすぐに分かるものですからね。
(セッティング変更は)賭けみたいなもので…通常、ウォームアップからレースまでの間に何かを変えたりはしないものだから。ただ、賭けに出なければ、何も得られないものでしょう。」
【これまで貴方は、ケーシー・ストーナーやホルヘ・ロレンソ等も担当してきたが…】
「まぁ、ペッコはストーナーとは正反対のタイプでしょうね…ロレンソにけっこう似てますよ。ライディングスタイルもスピードや作業へのアプローチもね。
ペッコのライディングスタイルは、ちょっとロレンソの進化形と言えるかもしれません…スムーズで落ち着いていて、動きは最小限ですからね。
ペッコはドゥカティ機でコーナーを高速走行した第一人者なんですよ…当時、ドゥカティ機と言うのは『俊敏なマシン』と言う印象ではなかったですからね。
とにかく、問題解決や作業の仕方はロレンソそっくりですよ…ストーナーとは全然違いますね。ストーナーはもっと勘で動くタイプだから。」
【貴方との関係は…?】
「私は選手に対し、常に最大限の透明性と誠実さを求めてきました…私の方でも隠し立ては一切しないし、嘘をついたことはありませんしね。
どの選手の時も、それで上手くやってこれたので…つまり、選手が信頼感を抱けるようにし、チームを信頼することの大切さを示していかなければならないんですよ。
だからと言って、ミスは絶対にしないと言うことではないんですよ…ミスは付き物だから。ただ、互いの信頼に基づいて作業を進めていくんです。
ペッコとのコラボは楽ですよ…実に賢い青年だし、滅多に腹を立てたりもしないですからね。おかげで作業がスムーズに進むんですよ。」

(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Motosprint』)
現在、些か問題を抱えているトップライダーのメカニックに話を聞くなんて貴重。
確かにお互い隠し事をせず、あらゆる情報を共有しなければマシンの改善なんて出来ないよね。
多分どこのメーカー機でも、改善した筈の新型機なのに、そのことで逆にバランスが崩れるというのは、多々あることなんでしょう。
ただ今年はそれをずっと言いつづけてるのが、最強ライダーの一人のペッコで、同じマシンで彼を上回る成績を上げているのが「あの」マルク・マルケスだから、余計にDUCATI機に注目が集まっているということなんでしょうね。
なんだかんだ言っても、シーズン序盤で3位にいるんだから及第なんじゃないかなぁ。
今年はマルケス兄弟が突出してるからそれと比較して色々言われるんだろうけど。
かつてドカは乗り手を選ぶマシンで、天性の感覚で走るケーシー以外には扱えなかったし、あのロッシでさえもお手上げだったし、さらにロレンソでも手なずけるのに時間がかかったけど、今のGPを席巻してるのは間違いなくドカだしね。
本人にとってもチームにとっても一番の問題はアレックスの方が上にいる事ではないかと思う
マルクだったらしょうがないねって思ってもらえるけど、今年より良いと言われてるけど型落ちのサテライトチームに乗るライダーに負けてるのは、他からの評価を下げる事になるし本人にとっても辛い事だと思う