MotoGP

ストーナーvsロレンソ:新ブリヂストンタイヤで意見が対立

モトGP『ストーナーvsロレンソ:タイヤ対決』




[訳者注:以下の記事は2012年3月23日付け、ヘレステスト初日後に書かれたものです。]

ヘレスで行なわれているモトGP公式テスト初日を制覇したのはケーシー・ストーナー、そして、ホルヘ・ロレンソだった。
ロレンソ選手は76周回をこなし0.1秒刻みで徐々にタイムを削りながら、午後のセッションで長くトップの座を走り続けた。一方、ストーナー選手はいつも通りのやり方で、ライバル陣に比べ周回数は少ないものの最後の最後に追い上げてくるのだ。
取り組み方は正反対ながらも、共に効果的ではある。

報道陣から“最後の最後でストーナー選手にトップの座を奪われましたね”と言われたロレンソ選手が、冗談混じりにコメントしていた。
「夜も眠れないでしょうね…冗談は別にして、なかなかポジティブなセッションでしたよ。ヘレスはセパンとはかなり違うタイプのコースですから。ここの記録を800ccで破るのは難しかったんですけど、1000ccなら割になんとかなるんですよ。唯一の問題点はリアタイヤかな…簡単に劣化してしまってね。ストーナー選手はトップタイムは出してたけど、1ラップだけの話でしょ。去年より競り合ってゆけるとは思ってますが、どれぐらいかは分かりませんね。」

一方、ストーナー選手はこう答えている。
「うちでは劣化タイヤとの比較はしてません。1ラップだけのタイムを出すとか…重要じゃないですから。まぁ、ミックスのソフトタイヤで…レース並みのラップ数をこなしたのと相応程度のタイヤで出したタイムなんですけどね。

また、ブリヂストンが用意した新フロントタイヤのタイプ21と24についての分析も、ストーナー/ロレンソ両選手の間では根本的に違っているのだ。

ストーナー選手の意見は簡単明瞭。
タイプ21は好きじゃないです。コーナーを走るには良いけれど、ブレーキングポイントで不安定なんですよね。タイプ24の方は2008年のに似てますね。上手く走れているし、進入時にも安定していて非常にバランスが取れている。」

一方、ロレンソ選手は主張は次のとおり。
「どちらが柔らかいのか分かりませんが、好きなのはタイプ21の方ですね。ブレーキングポイントで安定しているし、コーナー進入時には最大スピードが保証できる。

ホンダとヤマハ各マシンの特徴はさておいて、世界チャンピオン2人がこうも異なる手応えを抱くと言うのも不思議なものだ。

ロレンソ選手はこうも言う。
「僕のやり方はいつも同じで、ペースに集中してます。そのアプローチが絶対に最高だとは言わないけど、僕はそれでいつも好リザルトを出せてますから。天気が許すなら、もう1回レース・シミュレーションをしてみたいですね。

そして、ストーナー選手は、
レース・シミュレーションは必要ないです。改良した所などないし、マシンのことは良く分かってますから。テストの間、ボックス内で最大限のものをいかに得るかは、セットアップにいくつか手を入れてみるだけのことですよ。」と。

しかし、ホンダとヤマハのパフォーマンスは似たりよったりなのだが。

「最優秀マシンと言うのは常に、1日終えてトップだったマシンのことですよ。ホンダとヤマハは近接していて、それぞれに長所短所がある。両方とも勝てるレベルのマシンですよね。」と、ストーナー選手は明かす。

こうなると勝利の鍵はタイヤと言うことになってくるか。ロレンソ選手が劣化具合を嘆くなら、ストーナー選手はチャタリングを憂慮している。

「ツイてないことに、ここでは起きないんですよ。ブルノとヴァレンシア、セパンでは発生したんですが、ここでは順調なんです。ただ、何とかしなければね。コースやアスファルトの違いで乗り越えるんじゃなくね。唯一分かってるのは新しいブリヂストンタイヤと関係があるだろうってこと。古いので悩んだことはなかったですから。」

ちなみに二人共、ヴァレンティーノ・ロッシ&ドゥカティが抱えている問題点に関しては、似たようなコメントを出している。

「ここではニッキーの方がヴァレンティーノよりも速いようですが。分かりにくい話ですよね。テストをする度にドゥカティの中の最速ライダーが変わるなんてね。それにトップとの差も同じだった試しがないし。開幕戦はどうなることやら。」とストーナー選手が言えば、ロレンソ選手は、
「コース上でロッシ選手に遭遇しなかったんですが、何か問題があるのは確かでしょう。速くもならなければ、安定もしないし、ドゥカティ選手の中でトップにもならない…でも、もっと強い走りのできる資質と経験はあるわけだし。」と。

ロッシ選手に対して抱くライバル意識の強さからすると、ストーナー/ロレンソ両選手もこの件についてならば意見は一致するのだろう。


(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年03月23日


冷静分析で有名なアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手の意見も聞きたいところですね。


がんばれブリヂストン!!クリックPrego

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