MotoGP

ヘイデン:スチール製とカーボン製のブレーキディスクの違いについて語る

『ヘイデン:スチール製とカーボン製のブレーキディスクの違いについて語る』

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★2002年ラグーナセカ戦でモトGPデビューし、2006年にはヴァレンティーノ・ロッシを破り、チャンピオンタイトルを獲得したニッキー・ヘイデンが、2016年にはスーパーバイク世界選手権(SBK)にフル参戦する。

★SBK参戦にあたりヘイデン選手は新たなレース形態(※土曜日にレース1、日曜日にレース2が開催される)や、スチール製ブレーキディスク等に慣れていかなければならない。

★また、SBKでヘイデン選手が乗るホンダ機にはニッシン製ブレーキが使用されている。

★ヘイデン選手がスチール製とカーボン製のブレーキディスクの違いについて、次のように語った。

「レバーの引き始めは、スチール製ディスクはかなりアグレッシブですね。まず最初にブレーキをかけた時のポテンシャルがもの凄いんですよ…時にはカーボン製を上回ることもあります。でも、ハードブレーキングの時…本当に深くブレーキをかけた時は、カーボン製の方が違いを出してくれますね。レバーを緩めた時が、カーボン製の長所の1つでね。それからブレーキングの調整もけっこう簡単です。ハードブレーキング終盤でのスチール製の挙動は、オン/オフがもっとはっきりしてるんですよ。カーボン製は確かに熱が入ってないとならないですね。コースやコンディション、ディスクのサイズによりますけど。通常、ピットレーンの端までブレーキをかけていってやれば、90%は暖めることができます。
フィリップアイランドみたいなコースだと…つまり、寒くなることもあって、それほどブレーキングは必要ないようなコースだと、最初の2周の間、大型のディスクは温度を保たせづらいことがあるんですよ…そう言う時はカバーの助けを借ります。
スーパーバイクのピレッリタイヤだと、コーナー中盤でそんなブレーキングはできないから…今年のブリヂストンタイヤみたいなね。カーボン製ディスクはタイヤへのストレスが凄いんですよ。
カーボン製とスチール製で、僕が気づいた実際的な唯一の違いは、ヘレスの第2コーナーですね。あそこはね…50cmほどブレーキが遅れただけで、本当に止まらないんですよ。あともう少しブレーキングパワーが必要だなって時は、カーボン製の場合は確実に早めに減速してくれます。モトGP機にドライコンディションでもスチール製ディスクを使ったなら、制動距離は長くなってしまうでしょうね。
ここ最近のテストでは、ニッシンのスチール製ディスクはフェード現象が全然起きてなかった。レバーは実にしっかりしていて、レースシミュレーションをした後でも調整する必要がなかったんですよ。」

(2015年12月23日『Motoblog.it』記事参照)


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POSTED COMMENT

  1. 111 より:

    ステンレス製のディスクしか乗ったことがないので、わかりにくいけど。
    鉄は喰いつきが良さそうな感じがしますね。ガツンと効きそう。
    カーボンはまったく想像できません。軽量なのと、耐熱性からカーボンが使われるようです。
    レースでは、ハードブレーキングで、ディスクが高熱になったときの制動力が問われるのでしょうね。

    ヘイデンの「ヘレスの第2コーナで、50cmほどブレーキが遅れただけで止まらなくなる」というのは、たぶん直線から低速な第1コーナに入ったときに、ブレーキが高熱を持つのでしょうね。すぐ次の第2コーナも低速コーナだそうです。そのときの鉄製とカーボン製ディスクの違いを言っているのでしょう。「止まらない」というのは、顔が引きつりますね。

    SBKは鉄製だから制動距離が伸びるんだ。マルケスのようなブレーキングは無理でしょうね。
    「ピレリがコーナー中盤でそんなにブレーキングできない」というのは、クリッピングまでのリーンイン中にブレーキングしにくいってことかな? ロレンソが速く走れない??
    コーナーリングスピードがmotoGPと比べて、遅くみえるのはそういう理由なのかな?
    リーンイン角度も浅そうだし。。 4強をSBKで走らせたら、どうなるか面白そうですね。^^

    ニッシンを使ってるのホンダだけなのかな? なんか怪しげに仲良くしてる映像をみたりするけど。ひとことに鉄製といっても、いろんなノウハウが入っていそうですね。

  2. maxtu より:

    こういったライダー目線の比較も面白いですね。
    今のGPマシンはカーボンが当たり前になったけど昔は雨が降った時は効かないとか、コンディションに左右され易いからディスクカバーを付けてた時もあったけど技術進歩でそんな必要はないのかな?
    最初の頃は割れたりしてましたもんね。

    ディスク性能=タイヤへの負担が付いてくるから切り離して考えるのも難しいだろうな。
    なんにせよルッキネリ以来?のGP元王者のSBK参戦は注目が高そうです。

    • 111 より:

      今でもmotoGPは、雨のときは鉄のディスクを使うようですよ。
      motoGPサイトで言ってました。

  3. motobeatle より:

    カーボンブレーキが実戦で使われたのは88年イギリスでレイニーが最初でしたかね?
    この時、彼は優勝している筈。
    まあ、そこから更に進化してるとはいえ、熱を入れないと機能しないカーボンが市販車に普及することはないでしょう。
    SBKはプロトのmotogp車と違い、あくまで市販車両だから現状で良いのだと思います。

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