MotoGP

ザマーニ考察:ラザリ率いる『ヤマハWithU RNF』が難題に挑戦

『ザマーニ:ラザリ率いる『ヤマハWithU RNF』が難題に挑戦』

★1月24日、『ヤマハWithU RNF』がヴェローナで、2022年のチームプレゼンテーションを行った。

★同チームでモトGP参戦するラズラン・ラザリ(チームプリンシパル)やウィルコ・ズィーレンベルグ(チームマネージャー)、また、選手のアンドレア・ドヴィツィオーゾやダリン・ビンダーらが参加した。
また、モトE参戦のフィリッポ・コンティ(チームマネージャー)、ブラッドリー・スミス&ニッコロー・カネパ(選手陣)も参加した。

★同チームプレゼンを受け、ジョヴァンニ・ザマーニ記者(イタリア衛星放送『SKY』レポーター)が以下の考察記事を公開した。

《ラズラン・ラザリ率いるヤマハの新プライベートチームのプレゼンテーションが、新スポンサーである『WithU』の拠点ヴェローナの麗しきフィラルモニカ・シアターで行われたのだが…
それは幾分、尋常ではない空気が漂っていた。
奇妙なことに、揃うべきものがきちんと揃っていなかったのだ。
まず、モトGPマシンはたった1台だけ…もちろん、ゼッケン4が掲げられたアンドレア…ドヴィツィオーゾのものだけで…
モトE選手は2名いるはずなのに、ブラッドリー・スミスだけオンライン参加だった(おそらく、これはコロナ禍のせいだろう)。
それから、ドヴィツィオーゾのヘルメットには(Alpinestarsの)ロゴが見当たらず…
特に目を引いたのは、ヤマハから代表者が参加してなかったことである。

先日、行われたグレジーニチームのプレゼンでは、選手であるディ・ジャンナントニオ&バスティアニーニと共に、ドゥカティ陣営からジジ・ダッリーニャ(ゼネラルディレクター)やパオロ・チャバッティ(スポーツディレクター)、ダヴィデ・タルドッツィ(ファクトリーチーム・マネージャー)らが同席し、プライベートチームにしっかり関与しているところを見せていた。
まぁ、同プレゼンが行われたイモラがドゥカティ本社(ボローニャ)最寄りに位置しているのは確かだが、ヴェローナとてヤマハ運営本部があるジェルノ・ディ・レズモからさほど離れてはいないのだし、おそらく、リン・ジャーヴィス(ヤマハ・マネージングディレクター)のコメント映像があるだけでも充分だっただろう…。
日本側と欧州側でものの考え方が違うのは確かな話だが、ヤマハはドヴィツィオーゾに100%最新ファクトリー機を、ルーキーであるダリン・ビンダーには2021年版マシンを提供するのだから、もう少し『関与している姿勢』を見せてもいいのではないだろうか。
確かに、ヤマハと同チームのプライベーター契約は今年1年だけではあるが、ラザリチームプリンシパルは6月に契約更改できるものと確信しているのだから…。

ラザリチームプリンシバルは同プレゼンで、次のようにコメントしていた。
『当社は数ヶ月前に創立され、あらゆる点において完全に新チームとしてゼロからスタートすることとなります。
そのため、ヤマハとは1年のみの契約となったわけで…更改するには好リザルト獲得よりも、今シーズン、チームがいかに正常に機能するかを証明する必要があるでしょう。
6月に契約更改について話し合う予定ですが、更改できる自信はありますよ。』

まぁ、筋の通った話ではある。
同チームが正常に機能するかどうかをヤマハ側が確認したいと思うのは当然であり、私が思うに、ラザリチームプリンシパルは2021年とは大きく異る運営をしなければならないはずなのだ。
2021年と言えば、彼の意思とは反して、あのヴァレンティーノ・ロッシを引き受けねばならず、シーズン中のインタビューでは幾度となく、不満を漏らしていたのだから。
となると、当然、ひとつの疑念が浮かんでくる…
アンドレア・ドヴィツィオーゾのことは、ラザリみずからの希望で引き入れたのだろうか?
それとも、ロッシの時と同様、ヤマハ側から強要されてしまったのか?
この2つには大きな違いがある。

ラザリチームプリンシバルは今回のプレゼンで、次のようにも言っていた。
『我々のフィロソフィーは若手ライダーの育成であり、過去にファビオ・クアルタラローに行ったようなことです。』
ただ、ドヴィツィオーゾは今年の3月23日に36才になり、世界選手権で20年のキャリアを誇るライダーで…つまり、これから育成してやるような若手ではないのだ。

ラザリチームプリンシパルが口にしていた『ドヴィツィオーゾとの目標はタイトル争いに加わっていくこと』と言うのは、当然の夢だろう。もちろん、それが困難なことも覚悟はしているわけだが。
これらのコメントや目標はともかくとして、チームはドヴィツィオーゾのことをしっかり信じるべきであり、2021年にロッシに対してしていたようなことはするべきではないのだ。
まぁ、今シーズン末には結果が出るわけで…
私の印象としては、ラザリチームプリンシパルはダリン・ビンダー選択により自信があるように見える…確かに、チームのフィロソフィーに沿ってはいるが。

ラザリチームプリンシパルはは、こう続けていた。
『(ビンダー加入は)我々にとって、特に本人にとって、大きなリスクではあります。モトGPからモト3への飛び級昇格は難しいものですからね。
ただ、チーム内には経験豊かな人材も揃っており、きちんと育成していくことができるでしょう。
だからこそ、ズィーレンベルと契約更改したのだから…然るべき指示を与えることができる人材と言うことでね。
ダリンにはプレッシャーをかけるべきではなく、学習に必要な時間を充分に与えるつもりですよ。』
かつて、ラズラン・ラザリ率いるチームが、モトGPクラスのプライベーターの中でトップだったこともあったのだ。
それをベースとして始動し、前に進んでいくべきであろう。》

(参照サイト:『Moto.it』)
(Photo:Motorsport.com

ロッシが「ある時点で『ゾーン』からポンッと抜け出してしまい…」って言った話は、note『2021取りこぼしインタビューまとめ』でどうぞ!

POSTED COMMENT

  1. タディの星に願いを より:

    憧れのアレーナいいなと凝視するほど もしやのクロマキーとか w

  2. スペンサーレプリカ より:

    ペトロナス離脱が早々に判明していればVR46はヤマハサテライトになってただろうから、ヤマハとしては彼のせいでペトロナスという大口スポンンサーを持つサテライトチームとロッシを同時に失ったようなもの。。。F1とか見てても急造したチームって資金難や内紛ですぐなくなって来たんだが今回はどうなるんだろう~??

  3. 9191 より:

    コロナだからみんなで集まるのを控えただけなのでは。

  4. ひで より:

    「それから、ドヴィツィオーゾのヘルメットには(Alpinestarsの)ロゴが見当たらず…」
    アルパインスターズのつなぎとブーツは着ているみたい。
    ヘルメットはショウエイみたいだけど、ロゴが入っていませんね。

  5. 鯖通り より:

    つまりアルパインスターズのヘルメットを使う事は既定だが
    諸事情によりまだ公式には出来ないって事ですかね

    ショウエイからドヴィレプリカ出る事を期待していたので少し残念です

  6. どびっちょ より:

    来年はVR46 Yamhaになるのかしら

  7. すぱおー より:

    チームスポンサーがKYTとIXONだからドヴィはSHOEIとAlpinestars使えないのですかね?ビンダーもARAIユーザーのはずですがどうなるのか

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