『ロッシ:2009年バルセロナ、ロレンソ対決の詳細』
★9月初めにヴァレンティーノ・ロッシ(45才、二輪レース最高峰7回タイトル獲得)が、愛弟子アンドレア・ミーニョ(28才)のポッドキャスト『MIG babol』で約1時間のインタビューを受けた。
★9月11日に公開されたインタビュー後半は以下のとおり。なお、前半はこちらからどうぞ。
[ 第5章はこちら ]
【2009年にも伝説のオーバーテイクが誕生してたでしょ…】
「あの年から全選手、ブリヂストンのワンメイクタイヤを使うことになったんで…こっちはピットボックス内に壁を作って、(チームメイトの)ホルヘ・ロレンソに情報が流れないようにしたんだ。
おかげで大論争になってしまってね…いまだに選手の中には、『いやいや…僕はロッシみたいに壁を作ったりしないから』なんて言ってのもいるほどなんだから。
ただ、あの壁はけっこうなはったりで…結局、論争の末にこっちのデータは全部ロレンソに流れたから、むこうのもこっちに流れてきたんだよね。
あの年、バルセロナは6戦目で…結局、僕とロレンソ、ストーナーの3人が同点首位になったんだよ…106ポイントでね。
バルセロナはロレンソの地元だから、全身『FCバルセロナ』カラーで登場してねぇ。
金曜セッションから、入れ代わり立ち代わりでトップに立って…土曜日は午前セッションがこっちで、午後の予選は0.013秒差でロレンソがPPを取ったんだ。
ただ、ロレンソのホームとは言え、こっちは大得意トラックだったからねぇ。そして、バルセロナって言うのはウェルコムやラグーナセカと違って、最終コーナーがオーバーテイク地点なんだよ。
クゥゥゥ〜〜〜あそこのアドレナリン大放出ときたら、一生忘れられない瞬間なんだよねぇ。」
【それで、レースの方は…?】
「2人でびったりくっついて、あとは終盤ラップで決着をつけるしかないって感じになって…あそこはピットボックス側の直線コースでスリップストリームを利用できるから、各周回で互いに抜き合う形になってね。
だから、最終ラップには2位で突入すべく、残り何周かを数えて…そうしたらラスト2周の直線コースでロレンソが抜いてきたんで、まぁ、こっちは『ヒーローってのは頭がイカれてるか、選択の余地がなかったかのどっちかなんだよねぇ』って思って…だって、こっちにはもう選択の余地がないんだからね…むこうは抜いた後、ラインを塞いで引き離そうとするだろうし。
だから、こっちはしっかり喰い付いて、右に寄ってる余裕がなかったからアウト側に行って…『抜けますように!』って願ったら、抜けちゃったんだよ。
ただ、こうなると最終ラップの最後でロレンソに抜かれる可能性があって…前のラップのことは覚えてるだろうだから、もう第1コーナーのハードブレーキング地点で、スペースなんて空けてこないだろうしねぇ。」
【それで…?】
「クッソーって思って…第4コーナーで抜こうとしたら、クロスラインで返されてしまって。
オーバーテイクの最後のチャンスは第9コーナーだったんだけど、第8コーナーの加速はロレンソの方が上手くって…結局、抜けなかったんだ。
第9コーナーではラインを死守されてしまい…でも、こっちはアウト側から適切なラインで走って…第10コーナーには、びったり喰い付いて差しかかったんだ。
2007年の時は最終コーナーでストーナーを抜いてるんだけど、その時はレース中盤だったんだよね。
一方、2009年のロレンソは第10〜11コーナーをぴりぴりしながら走ってはいるものの、まだまだ持ち堪えていて…あとは、こっちがどうにかするしかないって感じ。
それで第12コーナーで…最終コーナーで、突っ込んで行ったんだよ。
ブレーキをかけつつも、止まりゃ〜しないってことは承知の上で、3速に入れる代わりに2速にして…あれは天才的なチョイスだったねぇ。
って言うのも、コーナー中盤でフロントが切れ込んでしまい…まさに限界ギリギリだったもんだから。でも、2速に入れてたおかげで転倒せずに済んだんだ。」
【そうやって勝ったのかぁ…】
「あと、ロレンソの態度は立派だったと言えるだろうね…レース直後、『あんたは凄いよ…すっかりやられてしまった…とにかく、凄いよ』みたいなことを言ってきたから。
当時は今の選手らみたいな態度じゃなかったんだからね…とにかく、(レース後のロレンソは)実に紳士的だったね。」
[ 最終章に続く ]
The greatest lap in MotoGP | Valentino Rossi vs Jorge Lorenzo, 2009 pic.twitter.com/2ffERrXg6h
— Legally Unprecedented Dav1DPrometheus – שׁΔα (@legallyDav1DPro) September 9, 2024
(参照サイト:『Mowmag.com』)
(Photo:Twitter Instagram)
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天才達の競い合い。
紙一重でかわしたり抑えたり。
ブツける事はあっても倒したりせず。
こういうレースが痺れるんだけどな。
倒したり倒されたら…そこで興醒め。
やっぱりソコにはリスペクトが無いとな。
ロレンソも破格の才能を引っ提げて昇格してきたライダー。
ロッシとのライバル心はものすごかった。チーム内のピリピリが画面を通して伝わるくらい。
2009年のカタルニアもいいけど、2007年のカタルニアもストーナー対ロッシの物凄い激闘だったの覚えてる
くお〜!! ぶつかる〜!! ここでアクセル全開、ハンドルを右に!
を思い出しました。
そこは インド人を右に で
レース直後のインタビューのホルヘの一言は良く覚えている。ロッシの言う通り、気持ちのいいコメントだった。Ithought I would be able to win the race but.. Vale was more brave than I was in the last corner. こんな感じだったかと。 「勝てると思ったけど、ヴァレは最終コーナーで自分より勇敢だった」
ヴァレとホルヘは何度か軋轢があったんだけど、結果、お互いに敬意を払っているのもいいよね。
私もお互いに敬意を払った競い合いは観ていて楽しかった。
併せて、お互いをリスペクトしたコミントも最高っ!
こんな競い合いをまた観たいっ!
このレースのハイライトは、チェッカー後のパドックのアホ騒ぎの映像ですね!w
と言うのは冗談ではなく、自分も同じ熱量で興奮しました。
91年ホッケンハイム、シュワンツの鬼ブレーキと並んで、僕の記憶に残るレースです!