『ブリヴィオ&スズキ・イタリア:日本流のやり方にはひらめきが必要』
★3年振りにモトGPクラスに復帰するスズキのチーム・マネージャーとして任命されたのはイタリア人のダヴィデ・ブリヴィオ(51才)だった。
★ブリヴィオ氏は元ヤマハ・ファクトリーチームに在籍し、ヴァレンティーノ・ロッシがドゥカティに居た際には同選手の『VR46』社に務めていた。
★ブリヴィオマネージャーのコメント。
「(イタリア人の自分が任命されたのは)ただの偶然ではないんですよ。日本人とイタリア人の間では、ほぼ完璧なバランスが築けるものなんです。日本人には流儀があり、組織がある…イタリア人はひらめきや勘…特にレースに対する絶対的な情熱でもって、それに応える事ができるんです。他のメーカーも全て、やはり、似たような選択をしてますよね。ヤマハはまず僕にスーパーバイクをやらせ、それからモトGPへと移籍させたし…ホンダは何年か前からリヴィオ・スッポ(※イタリア人)に任せているでしょ。」
【日本人の時間の使い方については…】
「日本人にも色々なタイプがいるなんて言ってる者の話を信じちゃいけませんよ。大体、皆、かなり似通ってますから。スズキもヤマハみたいですよ…会議はかなりの長時間に渡り、一日8〜9時間なんて事もね。些細なディテールを徹底解明して…私はもう慣れましたが。日本へは1年に3〜4回行くんですが…5日間すっぽりと問題の中に埋もれて来たりね。そうやって前に進んで行くんですよ。」
【ブリヴィオ氏が就任し、2013〜2014年にテスト計画が始動したわけだが…】
「2011年にスズキがモトGPから撤退したのが、永久の別れではなかった事は分かってました。当時のプレスリリースを読んでも、それはピンと来ますよ。いわゆる…一度リセットして新たにしたって事で…組織体制からマシンまで白紙から再考すると言うようなね。」
【以前、スズキが参戦していた際にはイギリス人と組んでいたが…日本人の好みに合わなかったのかも…】
「彼らは全て直接決定する事にしたんですよ。大企業にとって順当なようにね。彼らが信頼できるようなマネージャーを探し…私を選んだと言うわけです。大変光栄なことでもあり、けっこうな挑戦ですね。ゼロからのスタートと言うのは、常に大冒険ですからね…いずれにせよ、興奮しますね。」
【人的リソースだけでなく…】
「モトGP運営はスズキ・イタリアに任されてます…そこで、ロジスティクス面で協力していく事となります。彼らがミラノのカンビアーゴに倉庫を借りてあるんですよ。ただ、現代のモトGPと言うのは本部での作業は少なくてね…特に運送トラックとか交換パーツ用倉庫等に関してはね。」
【チームの方は…】
「ロジスティクス面について…まずは弟のロベルトを呼び寄せました…その方面では優秀ですからね。日本とイギリスの混合テストチームと2年間組んできたが…でも、調理人はイタリア人なんですよ…去年はイタリア人の電制技師がドゥカティから移ってきました。ドゥカティばかりから、もう3人メカニックを引っ張ってきた。でも、けっこう国際的なチームですけどね。」
【完璧な組合せのようで…】
「私が言った…リスクを負おうとするイタリア人気質の話は、特にライダーの事を指しているんです。うちはアレイシ・エスパルガロをファーストライダーにしたわけだが…今までずっとプライベートチームの選手でしたよね。彼が開発を進めて行くこととなるんです。セカンドライダーは…更に大きな賭けですかね…去年のカタールで、モト2のデビューレースからマーヴェリック・ヴィニャーレスには驚かされました。レース中盤では上位選手並みの走りだった。その後、優勝してますしね。彼のチーフメカニック(※アルゼンチン出身でイタリアへ移住。ドゥカティから移籍)も、チーフメカニックとして働くのは今回が初めてなんですよ。」
【目標は?】
「その辺に関して、僕なんかよりずっと日本人の皆さんの方が挑戦的ですよ。去年、プロジェクトリーダーのサトル・テラダがヴァレンシアで、初年度は表彰台、3年以内にタイトル争いに加わるって話してましたね。厳しいでしょう…でも、レースって言うのは常に勝つ気持ちで挑むものだから。でなければ、家に居た方が良いんであってね。」
(2015年01月14日La Gazzetta dello Sport記事参照)
そう言えば…昨年…
イタリアの衛星放送で、スズキの青いユニフォームを来ているブリヴィオ氏に向って、ロッシ選手が半分ふざけながら、
「そう言う格好をしているのを見るのは、あまり良いもんじゃないねぇ…」と言ったら、ブリヴィオ氏が、
「まぁ、ベースは(ヤマハと同じ)ブルーだから」って答えてた事がありましたねぇ。
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