モト2『高橋、弟江紀さんに捧げた表彰台』
イアンノーネ選手の転倒と言うほんのわずかな幸運で、高橋裕紀選手(チーム・グレシーニ)が表彰台へと上がることとなった。そしてこのリザルトを、先週、交通事故のために亡くなられた弟江紀さんへと捧げることができたのだ。
高橋選手にとっては、幸せなレース・ウィークエンドではなかった。みずからポルトガル戦への出場を強く望み続けたとは言え、その想いは亡き弟へ…そして、悲しみにくれる家族へと向けられていたのだから。
感動的なゴールだった。ゴールを切った瞬間、裕紀選手の心の中で、魂の中で想いが炸裂した。
いつもの笑顔の裕紀選手が、ゴール後、ヘルメットを取ろうともせず、江紀さんの遺影を抱きしめ号泣したのだ。
一方、チームメイトのピッロ選手の方は予選での期待も消え失せ、失意の中にいた。
高橋裕紀選手(3位)のコメント
「少しラッキーな面はありましたが満足しています。弟の江紀に表彰台を捧げることができましたから。トップグループのリズムに乗ってゆこうとしてたんですが、無理でした。でも、3位になれて、本当に辛かったこの1週間が報われました。最後は感極まって、泣いてしまって。これから、今後のことを考えてゆきたいと思ってます。このマシンなら本当に良い結果を出せると思いますから。」
ミケーレ・ピッロ選手(22位)のコメント
「がっかりです!良いレースができると思っていたのに、僕が馬鹿だったばっかりにこんなことになってしまって。ソフォーグル選手の後ろに付いて走っていたんですが、左コーナーで彼がちょっと膨らんだ時に転倒してしまったんです。タイヤの温度がまだ上がっていない状態でね。ひどい転倒で、左手の小指を切ってしまったし、エンジンも再スタート後にオイル漏れを起こしてしまって。チームの皆があんなに頑張ってくれたのに申し訳ないです。ル・マンでは良い結果を出して雪辱戦にしたいです。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事: GresiniRacingMoto2 2011年05月01日)
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