MotoGP

D.ブリヴィオが明かすロッシ㊙話

モトGP『ブリヴィオ:ロッシはストーナーより優勝』




2003年のヴァレンティーノ・ロッシはホンダRC211V機を駆り、常に表彰台へと上がっていた(1位獲得が9回)。そのロッシ選手が別のチームへ移ることを考えた者など、ほんの少数にすぎないだろう。極めつけ、当時、まだパッとしなかったヤマハへ移ることなど。

モトGP近代史において最も印象深い一大事業…つまり、『ヤマハを駆ってロッシが勝つ』と言う企てに着手した立役者の1人が、当時、ヤマハ・ファクトリーチームのディレクターを務めていたダヴィデ・ブリヴィオ氏。あの古沢政生氏と共に、まさに彼がヤマハトップ陣を「世界選手権で優勝することは《可能な気違い沙汰》です」と言って、説き伏せたのだ。
ヤマハ時代のロッシを綴ったエンリコ・ボルギ氏の新著『Il Capolavoro(傑作)』の発表会で、ダヴィデ・ブリヴィオ氏が次のように語っている。
「ホンダからヴァレンティーノを奪うと言う案に、フルサワは躊躇しませんでした。ただ、どちらにしろ我々には恐怖でしたよ。勝てばロッシ選手のお陰と言われ、負ければヤマハのせいと思われるんだろうな…ってね。」

そして、そのM1機とロッシ選手が同意のもとに別れ、今後はドゥカティと息の合ったコンビになることを多くが切望していたのだが。しかし、いまだ夢のまま…と言ったところだ。しかし、ロッシ選手の『お手並み』を昔か間近で見てきたブリヴィオ氏は自信を失っていない。
2003年、ヤマハが表彰台に上がれたのは1回だけ。しかし、ヴァレンティーノとチームはマシンを進化させるべく作業を続けました。一方、ドゥカティで行なっていることは改革なんです。だから、もう少し時間が必要ですね。

ロッシ選手のグッズ販売を手がけるブランド『VR 46』を運営するブリヴィオ氏は、常に間近で同選手を見つめつつ、今シーズンの失意の理由を2つ挙げている。それは、ケーシー・ストーナー選手からの遺産と、ブリヂストンタイヤだ。
「ストーナー選手と言うのは非常に強く、マシンの潜在能力を引き出せるライダーです。ただ、マシンの調整に関してはヴァレンティーノのほどの繊細さはありません。それにドゥカティ機ではずいぶん転倒してましたしね。 あれじゃ、プロジェクト開発と言う点でエンジニアの助けにはなりませんよ。

なんとも同意できそうな…できなさそうな意見と言える。ロッシ選手だって、今年は良く転倒していたのだから。

また、ブリヴィオ氏によれば、マシンのフレーム開発にとって新タイヤが及ぼす影響も大きく、この点は日本メーカーには有利に働いたのだと。
「タイヤのカーカスに関しては、以前はもっと選択肢があったんです。もっと調整が利いたし、セッティングももっと柔軟にできました。それが今では、タイヤのためにマシン全体を改良しなければならない。この点に関し、日本メーカーは優勝ですからね。

メカニック面の問題解決に平行し、ロッシ選手のモチベーションも常に高く保たれていると言う。
この困難にも関わらず、ヴァレンティーノにもチームにも同じ熱意と変わらぬ情熱が感じられますね。ヴァレはその才能を研ぎすますのに常に懸命に作業するし、トレーニングを積み、このスポーツの詳細に至るまで研究します。

この点に関し、ブリヴィオ氏はエピソードを1つ明かしてくれた。
「2006年、ザクセンリンクGPのレース中、ロッシ、メランドリ、エドワーズ、ヘイデン、ペドロさが優勝争いをしていました。終盤でヴァレンティーノが先行し、レースには優勝したんですが、そのレース後、我々にこんな風に話していました。“巨大スクリーンにヘイデンがペドロさを抜いたのが映ったんで、加速してみたんだ”と。両選手とも同じライダースーツを着ていたんだから、あのスピードじゃ誰も区別なんでできませんよ。それをヴァレンティーノはヘルメットの違いで分かったって言うですよ。

来シーズンは1000cc機へと移り変わり、新プロジェクトを一からスタートさせるため各メーカーの開きが少なくなると言われている。しかしながらブリヴィオ氏は慎重さを崩さない。
「どちらにしろホンダやヤマハは、しっかりした基盤からスタートするんであって。それに比べ、ドゥカティは新たなアルミ製ペリメーター型シャーシを使い、新エンジンを搭載させて重量配分やマシンのバランスを改善してゆくわけですから。
今年は厳しい1年だったけど、ドゥカティでは多くの作業をこなしてきたし、ヴァレンティーノもたっぷり指示を出してきました。今年、手がけてきたことが、ヤマハ時代に成し得た偉業のようになってくれると良いんですが。


(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2011年11月22日




ヤマハを退職し、現在はロッシ選手の個人マネージャーを努めるブリヴィオ氏なんですが、
最近、やけに髪がフサフサしてきましたかね…



ドゥカティでもヤマハ時代の偉業ができますように…クリックPrego

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