MotoGP

ドルナ社長インタビュー後編『ロッシは内心びくびく、マルケスはモト2残留でOK』

モトGP『エスペレータ:メーカーが何を言っても同じこと』




[ 前編中編もどうぞ ]

ドルナ・モトGPの大株主であるブリッジポイント社がスーパーバイク選手権を買収しましたが、どのような影響が出てくるでしょう?
「なんの影響もありません。まったく別の選手権ですし、現在は筆頭株主が同じになったわけですが、スーパーバイクもモトGPも運営は別ですから。モトGPはプロトタイプのままで行くし、スーパーバイクとスーパースポーツの関係のようにモト2もプロトタイプでね。
双方に何ら関係はなく、ただ、エンジンは共通してますがね。レース用マシンの母と言えるのはシャーシであってエンジンじゃない。規定における違いは、使用しているシャーシにあるんです。それはモトGPやモト2、モト3も同様となるでしょうね。」

モト2クラスでは、マシン+ライダーの重量に下限を設けないのでしょうか?
「どう言う状況であっても、ないですね。馬鹿げた事でしょ。125ccクラスには設けてますが、それは親やマネージャーが選手に無理なダイエットをさせないようにするためであってね。モト2クラスの選手は、自分で判断ができるような大人ですから。何でもかんでも一緒にするわけにはいかないでしょ。そう言うことを一生懸命言ってるのが、かつては頭1つ、頭1つ半ほど背の高いライダーを相手にしていた元チャンピオンなんだから。結構なことだ。当時は、自分のメリットに気づいていなかったんでしょ。小柄な選手にペナルティを科すべきだと思ってる男が、かつては自分も非常に小柄で、ガリッガやコルヌーに…頭1つか1つ半ほども大きな選手に勝ってたんだから(編集部注:シト・ポンスを指している)。」

モト2クラスにもダイエット狂になってる選手がおりますが…。
「しかし、もう自分で判断のできる大人だからね。」

モト3もモト2同様、上手くいくでしょうか?
「125ccほどの走りではなくなるが、面白いものになるでしょうね。あんまり高額なものにならないよう目を光らせるつもりです。モト3機1台は約15万ユーロ(約1500万円)。ただ、性能は上ですがね。」

今年は最終的にどんな年でしたか?
「ストーナーが最高でした。議論の余地なくね。モト2クラスはどう言う風になるかねぇ。125ccクラスはザルコが馬鹿なことをしていなかったら、テロールを揺さぶれただろうに。」

ロッシ選手のことは?
「あの状況には非常に腹が立つね。ヴァレンティーノは非常に良いんだが、速く走れるようにしてやれないでいるのには驚いたよ。ドゥカティであれ、別のメーカーであれ、また勝てるライダーになる事は確信してるがね。ヴァレンティーノもこのまま負けっぱなしで終わらないでしょ。私としては、ドゥカティで速く走るところを見てみたいんだが、まぁ、複雑なようだねぇ。これからもずっと例外的な選手なことは確かだね。本人も平気な顔してるようだが内心はびくびくしてるんだろうし、満足してる風はないね。」

ロッシ選手本人が言うには、18才の時の自分よりマルケス選手の方が優秀だと。同感ですか?それともマルケス選手のことでは、私達全員、ちょっと騒ぎ過ぎでしょうか?
「いや〜、どうだろうねぇ。私はこの手の事には慎重なんでね。天の恵みか、ここ何年間、良い選手がどんどん出てきてくれてね。全てはどう言う見方をするか、誰を相手に走るか、周囲の状況にかかってるんでね。マルケスは非常に優秀なライダーってことで、それで充分でしょ。最優秀なのか、あの年齢であそこまでやる選手を私が見たことないかどうか…私はロレンソもペドロさも、ストーナー、ロッシも見てきたし、皆、非常に優秀だった。同じ年の時を比べて、より優秀かどうかは分かりませんな。」

競争相手や周囲の状況について触れられましたが、史上最悪と言えるほど荒れたクラスでマルケス選手が非常に頭角を現していたのは確かなことでしょう。オーストラリア戦では38位でスタートし最終的に3位でゴールしてましたが、目を見張るような結果ではありませんか?
「そう、そう。ロッシにはそう言うことはなかったですな。オーストラリア戦では10秒ペナルティが科せられていたわけですが、それでも勝てる力があったわけだ。多分、マルケスについて、これ以上とやかく言う必要なないんじゃないですか。」

モト2残留で良かったと思われますか?
「そうね。色々と強化する必要があると思いますよ。そうして良かったでしょ。私にとってはタイトル獲得を考えなかった初めての年ですよ。それは、この選手にかかってるんでね。(マルケス選手が)モト2に居ることでクラスのレベルが決まり、来年は新たに2つの可能性があるね。モト2クラスで圧勝するか、新たに上がってきたライバルと戦うことになるか。今、モトGPに上がる必要はない、ただ、そうするのも悪くはなかっただろうがね。」

[ 完 ]

(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:Solomoto 2011年12月05日




やっぱりエスペレータ社長も、ザルコ選手のことは苦々しく思ってたんですね…

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