MotoGP

J.ロレンソ『ヤマハ機に問題があるのなら、何らかの責任があるのでは?』インタビュー前編

モトGP『ロレンソ:モトGPクラスのライダーは野獣並みのレベル』

ホルヘ・ロレンソ選手はチャンピオンの座を死守すべく命を賭けて戦った。フィリップアイランド戦で負傷した左手の薬指も回復しつつある中、今、想うことは唯一つ…タイトル奪回だ。

まずは、おめでとうございますと言わせて下さい。私が応援してるレアル・マドリッドに(ロレンソ選手が応援している)バルカが、またまた勝ってしまったようでして…。
「ホントに有り難うございます。こう言う時に呼んでもらって光栄です。レアル・マドリッドも良い試合をしてるし、モウリーニョ監督は凄いチームを作りましたよね。ただ、バルカとかち合ってしまったらねぇ。僕的には史上最高のチームじゃないかと。見ごたえある試合をするしね。モウリーニョ監督は詰めが甘いし、まぁ、バルカファンの僕としては、ずっと手も足も出ないままでいて欲しいもんですが。」

ロレンソ選手も史上最強のライダー…ロッシ選手を敗ったわけですが、レアル・マドリッドのファンに対しても何か言えることがあるのでは…。
「(笑)僕はライダーであって、モウリーニョ監督にアドバイスができるような人間じゃないです。僕の場合、ロッシ選手を倒すためにしたことって言えば、自分自身に集中したこと、メンタル的にポジティブであり続けようとしたこと、常に学びの姿勢でいたこと、余計なことは考えないで改善して行こうとしたこと。それが勝つ為の姿勢です。」

それをまた再び…と言うのは可能でしょうか?昨年はホンダパワーのせいで意気込みに波があったように見えましたが…。
「たくさんの面があるわけで。運が助けになることもあれば障害になることもある…それは、乗ってるマシンの善し悪しに関係なくね。今年のヤマハ機が去年のよりも優れていて、僕のパフォーマンスも上がったら嬉しいんですけどね。」

昨年はストーナー選手相手に苦戦されてましたが…M1機はホンダ機に凌駕されてしまって。しかし、ヤマハ機に問題点があるならば、ロレンソ選手にも何らかの責任がありますか?
「もしも2012年のヤマハ機が非常に強かったなら、それは僕のお陰じゃなくエンジニアの方々のお陰でしょうね。毎日、PCに向き合って、各パーツやシャーシ、エンジンを設計してくれてる皆さんですから。僕ははエンジニアの仕事のことは何も分かりません。だから、勝てるマシンにするためには、エンジニアなりヤマハなりにかかっているわけで。唯一、僕がやっていることって言うのはトラックでマシンをどんな風に走らせるかを指示するだけで、それを基にテストをしてゆくんでね。僕は一ライダーに過ぎないし、ストーナーやペドロサ、ヴァレンティーノらだって同じようにやっているでしょ。大切なのは間違った指示を出さないことと、マシンの欠点を探し出すことで、それ以外はエンジニアの仕事ですよ。」

つまり、ロレンソ選手は勝てるヤマハ機に遭遇していたと言っても正しいわけですね。
「もちろん。ただ、2010年にヤマハから4人のライダーが参戦し、タイトルを取ったのは僕だったわけで。同じように、去年、ホンダワークス機で参戦した選手は4人いたけど、チャンピオンになったのはストーナー選手でしょ。結局、ライダーもマシン同様に重要…もしかしたら、それ以上なわけですよ。」

昨年は可能性の極限に挑まれてましたが、そのせいでフィリップアイランドでケガをしてしまったのでしょうか?
「去年はミスをいくつかしてしまい…向こうが有利な状況にいましたからね。ストーナー選手と競って行くには常に限界ギリギリのところにいなければならなかったし、そうすると転倒もしやすいわけでね。ケーシーは破格の才能に加え非常に勝てるマシンに乗っていたんだから、僕としては限界ギリギリまで行くしかなかった。転倒しかねない…ミスを犯しかねないようなレースやテストで、そう言うことをしていたわけですよ。でも、そう言うのが、常識に逆行した…勝者のメンタリティーであってね。僕はいつもそうあるようにしてるんですが。ただ、そう言うのは危険が伴うもので、オーストラリア戦のウォームアップではストーナー選手に追いつこうと…彼のホームサーキットで負かしてやりたいと思っていたらミスを犯してしまった…ホームで負かすなんて不可能とも言えるんですけどね。
僕は失敗してしまい…後悔もしたかなぁ…ただ、全てから学ぶんであってね。基本は信じること。それで何かが得られる保証はないけど、信じないことには得られないのは確かです。」

2012年は、また信じることができるでしょうか?
「僕はいつだって信じてゆくつもりです。モトGPクラスに上がって以来、ずっとそうしてますから。今シーズンは大きな一仕事をしたいし、ヤマハにも1000cc機をもう少し改良してもらいたいもんです。」

[ 後編に続く ]

(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:Diario AS 2012年01月23日

上の闘魂写真もロレンソ選手らしいですが、こちらのインドネシアのヤマハCMでの白シャツ爽やかロレンソもなかなかですぞ!




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