モトGP『ロッシが突撃レポーターに:ドゥカティで勝てる』
ライダースツーツもヘルメットも脱ぎ捨てて、黒のスーツに黒ネクタイ姿のバレンティーノ・ロッシと言うのはかなり不思議な感じだ。
しかも、よくよく見ると、そんじょそこらのスーツじゃない…イタリア1放送『Le Iene(ハイエナの意:イタリア人気報道バラエティー番組)』の突撃レポーターが着ているやつじゃないか。
タヴッリャまで出向いて行った同番組レポーターことロザリオ・ロザノーヴァにより突撃レポーターに仕立て上げられたロッシ選手が、今回はインタビューされる方ではなく…する方を務めると言うのだ。ちなみに『される方』は父ロッシことグラツィアーノ氏。現在、ロッシ選手が置かれている厳しい状況を説明しつつ、アドバイスを授けている。
番組放送は4月25日午後9時過ぎ(イタリアのみ)なのだが、一足お先に内容の一部を紹介しよう。
Valentino Rossi alle Iene from MotoScooterCity on Vimeo.
[※実際に上記の放送を観た管理人の補足:黒のスーツ姿のロザノーヴァレポーターがタヴッリャまで訪ねて来て、ロッシファンクラブ内でロッシ選手と着ている衣服を交換する。その後、ロッシ選手所有の喫茶店で父グラツィアーノ氏を見つけ、一隅の壁に紙を貼ったり照明を調整したり…ロッシ選手もスタッフのように立ち働く。]
ヴァレンティーノ:現在の厳しい状況についてどう思いますか?
グラツィアーノ:いくつかの条件を考慮する限り、いずれ浮び上がってくるでしょ。
ヴァレンティーノ:その条件とは?
グラツィアーノ:マシンはドゥカティ…つまり、とやかく言う必要は皆無なわけだ。ライダーはヴァレンティーノ…私が見るところ現在はかつてないほど絶好調。あとは少しばかりの運に恵まれれば、シーズン中盤辺りで…いや、おそらくもっと早くに浮び上がってくるでしょう。
ヴァレンティーノ:いまだ結果が伴って来ないのは、なぜでしょう?
グラツィアーノ:当初、マシンは100%新品だったわけだからね。現在は他の全マシンと同等になっているわけだ。いままで3〜5台のマシンを仕上げて走ってきたヴァレンティーノが、ドゥカティのスタッフらと一緒に今回のマシンも仕上げられないわけがないでしょ。
ヴァレンティーノ:ドゥカティのスタッフ陣は、このマシンがロッシ選手にとってもっと操縦しやすいものになるよう、どこに手を入れるすべきでしょうか?
グラツィアーノ:エンジンをもっと活用しやすくすること、アンダーステア問題を解決できるような重量配分かね。
[※管理人補足:父グラツィアーノが言葉を続け“だいたい、女ってのは寝室に行きゃ、皆、同じ反応をするもんなのに、ドゥカティの彼女は違う反応なんだよ(※注:伊語のオートバイは女性名詞なので一般的な女性とかけて話している)”と。]
ヴァレンティーノ:ドゥカティ・プロジェクトの真髄こと、フィリップ・プレツィージ氏(ドゥカティのゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア)に何か言いたいことは?
グラツィアーノ:このもの凄い強い走りをするエンジンについて、彼には賛辞を送りたいね。現在ではエンジンの操縦性ってのが非常に重要なんだって言いたいね…絶対的なパフォーマンスよりもね。
ヴァレンティーノ:ロッシ選手に対して何か言いたいことはありますか?アドバイスとか?
グラツィアーノ:[※管理人注:質問された瞬間、真っ白になってしまったようで、無表情で沈黙する父](笑)ここに至るまでの全シーズンで見せいたよりももっともっと迫力を出すと良いよ。絶対的な信念と最大限の努力が必要だね。物事が上手く運んでいないとは言え、諦めたくなるなんてことは絶対ダメだって言ってやりますよ。今は諦める時じゃないってね。
[※管理人補足:この辺りからロッシ選手の質問ネタが尽きたようで、レポーターがアンチロッシの発言について訊くよう指示を出す。]
ヴァレンティーノ:“ロッシ選手にはもう走りたいって言う気持ちがない”とか“年を取ってきたから必要なモチベーションに欠けている”なんて言う声も聞こえてきますが、どう思われますか?
グラツィアーノ:ヴァレンティーノに寄り添う者もいれば、常にアンチもいますよ…年間12〜14勝してた時だってそうだったから。だから、そう言う人間にはコースでの走りでもって言い返すしかないね。
ヴァレンティーノ:ドゥカティ&ロッシと言うのは長年皆から期待されてきたコンビなのに、なぜいまだに1勝も上げられないのでしょう?
グラツィアーノ:マシンがドゥカティレース部門の技術的な賭けみたいなもんだったからね…上手くいったらお慰みってなもんでね。残念ながら、あのマシンじゃ誰が乗っても勝てなかったでしょ。勝てるライダーがいたとしたら、まずはそれはヴァレンティーノでしょ。
[※管理人注:レポーターから次の質問をするよう強要され、ロッシ選手は少し躊躇しながら…]
ヴァレンティーノ:では、ロッシ選手はドゥカティを辞めない方が良いと?
グラツィアーノ:ヴァレンティーノが今これを辞めるわけにはいかないでしょ。これはヴァレンティーノがドゥカティと共に絶対勝たねばならない勝負なんであってね。
[※管理人補足:スタッフより例のドイツの会社の話もとうながされ…]
ヴァレンティーノ:アウディによりドゥカティが買収された現在、どうなってゆくと思いますか?ドゥカティがロッシ選手と共にモトGPを戦ってゆく未来にとってはポジティヴなことでしょうか?
グラツィアーノ:当然のことながらそうだと思いますがね。今年、そうならなかったとしたら、来年は絶対にそうなるでしょ。
ヴァレンティーノ:現段階を乗り切るには?
グラツィアーノ:ほんの少しばかり辛抱が必要。
[※管理人補足:ロッシ選手が“そう、この『辛抱』って言葉が肝心だね”としみじみ…]
ヴァレンティーノ:スーパーバイクでビアッジ選手との昔懐かしい勝負を観たがってるファンがいるようですが、どう思われますか?
グラツィアーノ:スーパーバイクの話はずっとヴァレンティーノがけっこうな関心を持ってる企画でね…まぁ、スーパーバイクに行くまでに後2〜4年はモトGPだろうけどねぇ。
[※管理人補足:ロッシ選手がけっこうマジな表情で、“そうだね。賛成!”と。]
ヴァレンティーノ:ロッシ選手にお会いしたら、よろしくお伝えください。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年04月24日)
確かに番組が始まったのは夜9時過ぎだったんですが、ロッシ選手のコーナーになったのは思った通りの11時半過ぎでした…
ロッシ選手に、『辛抱』!!クリックPrego
記事だけでも最高に面白いのに、動画を見てサイコーに笑いました。言葉は全然分からないんですが、リアクションや声のトーンや雰囲気で!
やっぱりロッシはスゴイ!あの明るさと、バラエティー的なノリは何なんでしょう!!(開幕戦の結果とかもう忘れてるんじゃないか?と思うぐらいです)
日本でいうならば、イチローとチチローが一緒に出て、200本安打の連続記録が途切れましたが、どうしてなんでしょう?とやってるみたいなもんでしょ?(例えが変?)
とにかく、面白かったです。
で、管理人さんに教えてほしいでんすが。
①ロッシはイタリアのスポーツ界では何番目の人気なんですか?
②過去のスーパースター、私の知っているイタリア人のアスリートでは、ロベルト・バッジオやアルベルト・トンバとかに比べるとどうなんですか?
③あのピザ屋さん?に行った事ありますか?
この企画、たまりません(嬉涙)
しんどい渦中の真っ只中なのに、こんなことできるなんてロッシくらいですわ!最高に素敵です。だから応援したくなるんですよねぇ。(しみじみ)
chiricoさん、いつもいつも、ありがとうございます!