モトGP『ロッシ:あの忌々しい最終コーナー』
まずは数字からいこう。ヴァレンティーノ・ロッシはエストリル戦FP第2セッションで9位、ストーナー選手とのギャップは0.961秒、ドゥカティ陣のトップであるヘイデン選手とは0.338秒差。そして、ロッシ選手のコメントは、
「今日は悪くなかったですよ。」と、数字とは矛盾してる感じで、乗ってみての手応えによる分析は次のとおり。ちなみに、今日のセットアップはヘレス決勝レースで使っていたのに酷似したもので…つまり、チームメイトのそれ。
「今やGP12機も僕のライディング・スタイルに応じてくれていて、前より限界近くまで走らせることができます。強いブレーキングができるし、コーナーへも高速で入っていける。一言で表すなら、以前よりソフトなマシンですね。」
数字が真実を語る
D16機はいまだ完璧なマシンではないが、一歩前進したようには見えるし、それもロッシ選手が指摘した箇所がだ。今回のトラック4ヶ所におけるストーナー/ロッシ両選手の好タイムを比較するならば、ロッシ選手は第2・4コーナーで甚だしく失速しているのだが(それぞれ0.387秒、0.409秒)、第1コーナーでのストーナー選手に近いのだ。
「T1・T3ではブレーキングもコーナー進入もかなり有効で、新たな方向に進んだのは正しかったとタイムも証明してるんだけど、もっと重要な加速の問題が残っていて、そこが悩みの種ですね。特に最終コーナーでひどく失速してしまって…し過ぎだな。アスファルトが新しいってのも少し原因になっていて、古いアスファルトみたいにすぐに乾かないんですよ…古いままの箇所も少し残っていてね。直線に続くコーナーで走行ライン上に水たまりがある所があって、確固とした自信が持てないんだよね…リア部分もずい分と動くし、リアタイヤも滑りっぱなしでね。」
後ろに目を向けろ
今やフロント部分が改善されたなら、リア部分や加速面に集中して手を加えていくべきだ。
「今晩、チーム全員でデータを見ていきます。こんなに失速してしまう理由を探し出さなければ。もし問題解決できなたなら、明日は確実にトップ陣に近づいていけますからね。」
エンジニアのPCには既に何らかの解決策が書き込まれているのだ。
「電系システムを調整して、エンジンブレーキのコントロールを改良しなければ。それから、集中していかなければならない点がまだ他にもあって、コーナー入口や下り箇所でリア部分がかなり持ち上がってしまって、常にアスファルトと接触させておかなければならないってのにね。」
ディテールが肝心
ボックスからは、これまでのレースで見られていたような混乱状態がなくなったようだ。間際になってのドタバタ騒ぎはもうたくさん、しっかり腰を落ち着けて手札を変えずに集中しなければ。
「今のところ、新セッティングに最大限の信頼を抱けるようになって、自分のライディングにもう少しだけ合わせられれば助かりますね。要は、ディテールを調整するってことで。」と言うロッシ選手だが、フィリッポ・プレツィオージエンジニアが同行して来ていることも当てにできるわけだ。月曜日に予定されているテストでは改良の基本になるだろうから。
「もう話はしてるし、特にパワー出力をもっとソフトにすることについてね。ただ、突っ込んだ話はまだですけど。」
今は明日の予選に目を向けた方が良いと言うわけだ。
「コースが完全にドライ状態だったら、タイムは削れていくでしょ。まぁ、他がどれだけ速くなって、うちはどれだけ行けるか…ですね。」
一歩ずつでも頂上には向かって行けるのだ…道さえ正しければ。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2012年05月04日)
昨日、撮られた写真なんですが…巨大な蜘蛛とか?
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