SBK『芳賀:ヤマハでブリティッシュスーパーバイク』
ブリティッシュ・スーパーバイク2012年が、世界でも一、二の魅せる選手権としての名乗りを上げている。
かつてはスーパーバイク世界選手権で走っていた『Shakey』ことシェーン・バーンに、昨年チャンプのトミー・ヒル、そして今年、英国ファンはヒーローとして崇め立てているライダーの1人…芳賀紀行を間近で見ることとなったのだ。
スワン・ヤマハチームがトミー・ヒル選手のチームメイトとして芳賀選手を指名。前任のIan Hutchison選手(TT島レースで8回優勝)が左足を骨折し、数ヶ月の療養が必要となったからだ。当初、芳賀選手は新パニガーレ機の投入を強いられていたドゥカティチームから…と思われていたのだが、遂にヒル選手とのコンビでBSB『ドリームチーム』結成が公表された。
芳賀紀行と言うライダー
スーパーバイク世界選手権の歴史を築いたライダーの一人。同選手権デビューは1994年菅生GPで、ドゥカティのプライベート機を駆ってワイルドカード参戦し、以来、アプリリア・ドゥカティ・ヤマハ機でもって300レース以上参戦、43勝を収めた。
芳賀と言えば2000、2007、2009年に総合2位を3度獲得したほか、特に、その魅せるライディングや、世界中のファンを熱狂させたコーナー入口でのスライディングが頭に浮かぶ。
昨年はチーム・パタからアプリリアのプライベート機を駆って参戦し、雨のニュルブルクリンク戦では後一歩でスーパーバイク44勝目を上げられそうな勢いだったものの、レッドフラッグが上げられる僅か1ラップ前で水たまりに足を取られてしまった。
ブリティッシュスーパーバイクとは
ただ興味を持ったと言うだけで、芳賀がBSBに移るわけではないだろう。
イタリア人ライダーのルーカ・スカッサ選手もまたPadgett HondaチームからのBSB参戦が決まりかけているが、彼の場合はスーパーバイク世界選手権で走るに適したマシンを見つけられず、果敢に英国へ渡って稼ぐ決意をしたわけだ。
BSBのトラックと言えばそれ相応の度胸を要し、敵は多く、面の皮の厚い連中が揃っている。先に挙げたヒル、バーン、そして芳賀の他にもジョン・ラバティとその弟ユージーンに、フランスの若き新星で昨年はテン・ケイトよりホンダ機を駆ってスーパースポーツ世界選手権に参戦していたフローリアン・マリノ、ベテラン選手クリス・ウォーカーにブリティッシュ・スーパースポーツのチャンピオンでありNorth West 200の勝者アリステア・シーレイ、エキスパートのマイケル・ラター、そして、才能溢れるオーストラリア選手のジョシュア・ブルックスらが揃っているのだ。
オーストラリアで思い出したが、アンソニー・ウエスト選手もBSB参戦の可能性がかなり高くなってきている。当初はアプリリアART機でもってモトGPクラスにCRT参戦するはずだったが、スピードマスター・チームへの支払い目処が立たず、現在はイギリスからの申し出を受けるかどうか思案中だ。
と言うのも、BSBのおもな特徴の1つが…各選手へ提供されるなかなかの契約金であり、また、今やあちこちで増えている『経済的な支援』と言うのも一切求めてこない。これも数多のスポンサーやTV業界からの豊富な資金カバーのお陰で、BSBは不況を耐え抜いているどころか多くの選手らにとっては収入源かつ最高の経験の場にもなっている。ジョン・ホプキンス選手などが良い例で、オートバイ世界選手権カムバックへの足がかりにもなり得ると言うわけだ。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事 Moto.it 2012年02月10日)
おや…以前の記事に書かれていた『収入75%減のウワサ』と言うのは一体…?
芳賀選手に凱旋祈願!!クリックPrego