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アプリリア:RNFチーム撤退&ラズラン・ラザリ解雇まとめ

『アプリリア:RNFチーム撤退&ラズラン・ラザリ解雇まとめ』

★2023年シーズンにアプリリアのプライベーターとしてモトGP参戦していた『CryptoDATA RNF』チームが、シーズン終盤にチームオーナーであるラズラン・ラザリ氏を解雇した。
しかし、その後、ドルナが同チームの『2024年モトGP参戦権』を剥奪したため、2024年は後任としてアメリカの『Trackhouse Racing』チームが、アプリリアのプライベーターとして参戦する。
なお、選手はミゲル・オリヴェイラ&ラウル・フェルナンデスが継続する。

★同件についての詳細は以下のとおり。

・ラズラン・ラザリ解雇について

ラザリ氏が率いるRNFプライベートチームは2022年末にヤマハから離脱し、2023年よりアプリリアRNFとしてモトGP参戦していた(※アプリリアとは2025年末までの契約だった)。
ラザリ氏はヤマハ時代からスポンサー確保に苦戦し、2019年にモトGP参戦を始めた際のスポンサー『Petronas』には2021年末に離脱され、2022年からの『WithU』は同年末に不況を理由にモトGPから撤退してしまった。
2023年は『CryptoDATA Tech』の支援を受けていたが、シーズン途中から選手/スタッフ陣へ給与の支払い遅延が発生し、KTMがアプリリアからの引き抜き話を持ちかけるほどだった。

2023年11月末、RNFプライベートチームがラザリ代表の解任を公表した。
今後、ラザリ氏は『二輪レースに関する、独立したスポーツコンサルタント』として、選手やチームに関する人材育成とスポンサーシップの進展に注力していくとのこと。

ラザリ氏はモト3/モト2クラスでチーム運営の経験を積み、2019年に『セパン・レーシング・チーム』と『Petronas』をパートナーとし、ヤマハのプライベーターとしてモトGP参戦を始めた。
2019〜2020年はファビオ・クアルタラローやフランコ・モルビデッリが活躍したが、2021年にクアルタラローがファクトリーに昇格し、ヴァレンティーノ・ロッシが加入した頃から低迷し始めた。
また、ヤマハ側がプライベート契約の更改を1年しか希望しなかったため2022年末に離脱し、2023年からアプリリアのプライベーターとして新たなスポンサーで参戦していた。

・『CryptoDATA RNF』チームのモトGP参戦権剥奪について

『CryptoDATA RNF』チームのメインスポンサー『CryptoDATA Tech』が、オーストリアGPからドルナ社への支払いを遅延していた模様。
そのため、11月末にFIM、IRTA、ドルナが同チームの2024年モトGP参戦権を剥奪することを公表した。理由は、「参戦協定に関し、度重なる違反があったため」と。

その後、『CryptoDATA Tech』社が、同件について以下のように公表した。

・2023年序盤、ドルナが某アメリカチームに『2024年からのモトGP参戦権』を確約しつつ、当チームに対しては「最低価格でのチーム売却」と言う提案をしてきたので断ったが、その後、圧力が増していった。
・当チームは2026年末までモトGPへの参戦権を保持しているため、『モトGP参戦から除外し、当方の活動および評判に損害を与えたことに対する賠償』を求める訴訟を起こす予定である。

・後任となった『Trackhouse Racing』チームについて

12月初め、『CryptoDATA RNF』チームの後任として、アメリカの『Trackhouse Racing』チームがアプリリアのプライベーターとしてモトGP参戦することが公表された。
選手はミゲル・オリヴェイラ&ラウル・フェルナンデスが、そのまま続投する。

『Trackhouse Racing』チームのオーナーは、ジャスティン・マーク氏(元レーシングドライバー)とPitbull氏(歌手、ラッパー)である。
アメリカにおけるMotoGP拡張プロジェクトの1つとして、ドルナのカルメロ・エスペレータ氏が同チームの参戦を推した。
このためもあり、ドルナはNBAで働いていたダン・ロッソモンド氏をコマーシャル・ディレクターとして雇用したのだ。

『CryptoDATA RNF』チームのスタッフの多くが、『Trackhouse Racing』チームで働くこととなり、チームマネージャーのウィルコ・ズィーレンベルグ氏も現在の役職で継続する
また、チームコーディネーターとして、新たにロビン・スパイカース氏(※2023年はベッツェッキ選手のメカニックをしていた)が雇用された。
なお、これまでチームコーディネーターとして働いていたスタン・ミーク氏は、ヤマハに移籍した。

『Trackhouse Racing』チームは同プロジェクトに精力的に取り組んでおり、財政的にも安定している。いずれはアプリリアの良きパートナーとしてマシン開発にも参加したいと願っている。
現在、アメリカでもう1GP開催を増やそうと言うプロジェクトが浮上しているため、今後は観客数を増やしていかなければならない。
ちなみに、現在、テネシー州で新しいサーキットを建設するプロジェクトが進行中であり、そこでモトGPが開催される可能性もあるだろう。

・アプリリアの現状について

・アプリリアの2023年シーズン結果

ライダー部門
6位アレイシ・エスパルガロ(アプリリアファクトリー)
7位マーヴェリック・ヴィニャーレス(アプリリアファクトリー)
16位ミゲル・オリヴェイラ(アプリリアRNF)
20位ラウル・フェルナンデス(アプリリアRNF)

コンストラクター部門 3位

チーム部門 5位

アプリリアとしては期待以下の結果であり、選手の力量不足を指摘する声が多いが、マッシモ・リヴォラCEOは否定している。
2023年はプライベート両選手が活躍できなかったが、2024年はチーム体制も変わり、期待できるだろう。

なお、2023〜2024年にかけて、全選手を継続させたのはアプリリアのみである。
ただし、バスティアニーニがドゥカティファクトリーとの契約更改が叶わなかった場合、2025年に向け、アプリリアファクトリー移籍の可能性が噂されている。

ちなみに、しばらく前からリヴォラCEOは新メインスポンサーを探しているのだが、いまだ見つかっていない。
ピアッジョグループの支援が受けられるとは言え、メインスポンサーも必要である

(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Corse di moto』)

アプリリアの今年の不調は選手陣にも責任あり…って話は、note『ヴァレンシアGPまとめ』でどうぞ!

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POSTED COMMENT

  1. Formula750 より:

    旧RNFチームがアプリリアと何年契約なのか気になる所.

    2024年で契約が切れるなら、今年ヤマハが頑張れば来季契約してくれる可能性が出てきたのかも。

  2. ZC33S より:

    旧RNFの参戦権剥奪、今迄はドルナ側の発表のみにしか接しられなかったけれど
    今回、『CryptoDATA Tech』社の主張を見ると、新チームが何故タイミング良く”救済”に現れたのかが判りました。

    レースの世界は、やはりエグイ部分がありますねぇ…

  3. maxtu より:

    YAMAHAがRNFへ1年契約を提示したのは経営状況も含みであったのかもね
    しかし、CryptoDATAの支払いが滞ったからわかっていたとはいえ、ドルナとTrackhouse Racingの動きと決断は早かったねぇ
    前からGP参入が噂されてたらしいけど、前倒してクルー、ライダーとも影響なく切替られたのはよかったといえるのかな?

  4. ミラノマルコ より:

    もっとブラックな部分があるんじゃ無いかと勘ぐってしまうw

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