MotoGP

ロッシvsストーナー:転倒王はどっち!?

モトGP『ロッシvsストーナー:神々の転倒』




昔々、『ローリング・ストーナー』と『ドクター・ロッシ』と言うライダーがおりました。
『ローリング・ストーナー』は転んでばかりいるけれど、とても速いライダーで、『ドクター・ロッシ』はまるでお医者さんのようにマシンやタイヤの限界を調べ上げるライダーでした。
二人は性格もライディングも陰と陽ほどに異なっており、それは、ロッシが日本メーカーで、ストーナーがドゥカティで走っている間中、ずっと続いていました。
それが、あるシーズンのこと、二人の立場がすっかり入れ替わってしまったのです。ストーナーは1年の間いつもちゃんとゴールを切り(たった1回だけ、ヘレスでロッシのせいで一緒に転んでしまいました)、ロッシはこれまでになかったほど何度も何度も転んでしまいました。

2010年のケーシー・ストーナーによる転倒

グランプリ     セッション   原因

カタール      決勝レース   フロント
ヘレス       フリー走行   フロント
ル・マン      決勝レース   フロント
ムジェッロ     フリー走行   ミス
インディアナポリス 決勝レース   フロント
ミザノ       予選      フロント
アラゴン      ウォームアップ ミス
マレーシア     フリー走行   ミス
          決勝レース   タイヤ低温度
エストリル     フリー走行   ミス
          決勝レース   フロント

2011年のヴァレンティーノ・ロッシによる転倒

グランプリ      セッション 原因

ヘレス        予選     ミス
           決勝レース  フロント
バルセロナ      フリー走行  ミス
シルバーストーン   フリー走行  ウェットコンディション
ザクセンリンク    フリー走行  タイヤ低温度
インディアナポリス  予選     フロント
アラゴン       予選     ミス
茂木         決勝レース  接触
フィリップアイランド 決勝レース  フロント
セパン        予選     フロント

…と言うわけで、非難はデスモセディチ機に集中している
特に、そのフロント部からマシンの限界点…いわゆるライダーが良く言う『フィーリング』が伝わってこないのだ。ロッシ選手はこの問題点を『Fucking Vibration』と2語で言い表しており、つまり、最大バンク角でフロント部に振動が走り、そのためライダーが立て直しも何もできなくなると言うのだ。結果、予期せぬ転倒に備える以外、手の施しようがなくなるのだと。

数字が当てにならない事も間々あるが、2010年ストーナーと2011年ロッシの転倒を分析してみると、回数はほぼ同じぐらい、また、転倒後のコメントも酷似しているのだ。
「フロントが切れ込んでしまった。時々、フロント部の重量が充分でないのかも。ただ、現段階では正直なところ正確な理由は分からない。」と言うのが、去年のル・マン決勝レース中に転倒したストーナー選手の弁であり、今年はロッシ選手が1年を通してずっと似たようなことを唱え続けていた。
もはや周知の事実であるドゥカティ・モトGP機の問題点と言うのはフロント部に充分な重量配分ができていないことで、ストーナー選手が既にそのことに気づいていたのだ。同選手はヘレス戦でも、自身の転倒の仕方が常に同じようなパターンであることを憂慮していた。
「今回の転倒はカタールの時と良く似てました。フロントへのプレッシャー少なめでコーナーに進入したら、フロントが切れ込んでしまったんです。」と。

この問題を解決すべく、2010年にストーナー選手は今年のロッシ選手と同じような方向で検討している。つまり、重量配分だ。
ストーナー選手のライディングスタイルと言うのは特殊で、それ故、コーナーではリアタイヤを存分に活用することができる。レースによっては先の問題点を克服できたこともあるのだが、しかし、決定的な解決には至らなかった。インディアナポリス戦でのコメントに、それが充分に証明されているだろう。
「まるで開幕時の状態に戻ってしまったようです。コーナーでフロントに充分な荷重をかけられた試しがないんですよ。」

そして、ロッシ選手がGP11機に乗ることとなり状況は悪化してゆく。そのライディングスタイルがフロントに限りない信頼を要するからだ。
新マシンの必要性を問うまでになるほどの『振動』を感じ、しかし、問題は解決しなかった。シーズン中ずっと、あのシャーシと戦い続け、常のレベルの走りを披露することは叶わなかったのだ。
最適なセッティングを模索するなか、ロッシ選手はドゥカティ機の新たな欠点に気づく。つまり、フロント部に荷重をかけるほど、今度は逆にリア部がダメになってゆくのだ。この点についても、かつてストーナー選手は指摘しており、2010年ブルノ戦後には次のように言っている。
「フロントの作業が上手くいったと思ったら、今度は逆にリアグリップがなくなってしまうんです。」




これらのコメントが証拠になるとは言わないが、問題の原因を示していることに間違いはない。そして、それに一番に気づいたフィリップ・プレツィオージチーフエンジニアが、2012年に向け新プロジェクトへの着手を決断したのだ。
モトGPの現行レギュレーションではモノコックシャーシの開発面に限界があり、デルタボックスへの移行は避けて通れないものだった。ただ、そこだけ改革すれば良いと言うわけにはいかないだろう。おそらくシリンダーバンク角度が90度と言うのも、フロント部の荷重が上手くいかない原因になっているのではないか。 あまりにかさがありすぎてフレーム内に充分な余裕が生まれないのだ。
新たな道が始まったのだ。この冬かけて新プロジェクトが決定づけられ、来年の1月のマレーシアテストで明らかとなる。そこで、革命の申し子ドゥカティが新たな歩みを踏み出すのだ。

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2011年12月05日

 



結局、一番悪いのは昔からライダーの話をちゃんと聞かなかったドゥカティ…?

頑張れドゥカティ!頑張れロッシ!!クリックPrego
人気ブログランキングへ

POSTED COMMENT

  1. machcat より:

    良い記事の翻訳ありがとうございます。 なるほどなぁ~という感じ。 でもエンジンのバンク角にまで問題があるとすると来年も少し暗雲が立ち込め始めた気がします・・(^^;;

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

 

ITATWAGP | イタたわGP