MotoGP

『ロッシは限界を超えようとしている…』:ジェレミー・バージェス

今年のヴァレンシア最終戦で、突然、ロッシ選手が伝説のチーフメカニックことバージェスさんを解雇したのは記憶に新しいですが…
この解雇劇の数日後、バージェスさんが仏サイトの方で心情を語っていたようです。
伊サイト『Motoblog.it』が、それを抜粋翻訳してましたんでご紹介しますね。



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★ジェレミー・バージェスが仏サイト『GP Inside』で、突然の解雇について次のように語った。

「私に言えるのは…(ロッシにとって更なる戦闘力を獲得すべき)適切な判断であって欲しいと言うことだけですね。ヴァレンティーノに対し、そして、これまでの素晴らしい功績に対し深い敬意の念は抱いてますが、今やキャリアの終わりに近づいていると言うことも分かっているわけで。あらゆるアスリート達が人生のある段階に到達した時のようなものでしょ…おそらく、なぜ競争相手らが自分より速いのかが良く分からないんですよ。

おそらく心の中で思ってるんです…“ある種の事はまだ絶対にできる…10年前のようにできる、なかには自分の方が上手くできる事だってある”とね。しかし、『ヴァレンティーノ・プロセッサー』の一部からは、情報はそれほど速くは届かないんですよ。オーストラリアでは良く30代になると脳内で『保護の遺伝子』なるものが機能し始め、隙が多くなると言うんです。現在、まさしくそう言う段階なんですよ。ヴァレンティーノは現在の能力の限界を超えようとしてるんです。

【2014年カタール開幕戦でロッシ選手が優勝したら嬉しい?】本当にそうなったら、実に嬉しいでしょうね。今季、アッセンで勝った時には幸せでしたよ…ただ、基本は全18レースで安定してゴールすることであって…おそらく、そこがキャリア終焉間際のスポーツ選手が苦しむ所なんじゃないですか。ヴァレンティーノはレースで勝つ為に必要な全要素をまとめ上げる事ができるでしょうが、ただ、シーズン通して必ずとはいかないでしょ。そしてロレンソやペドロサ、マルケスらライバル達からは大きなプレッシャーがかかってくる。彼ら4人は他の選手のレベルを凌ぐグループを作っているが、ヴァレンティーノは今年の各レースで決して3位寄りにはいなかった。

ヴァレンシア最終戦での第4FPはどうでしたか?ヴァレンティーノは各セクターで最速だった…ところが、その15分後の予選では他の選手らは1セクターだけで0.3秒削ってくるんです。それに引き換え、うちが削れたのは僅かゼロコンマゼロゼロ何秒かだけだ。皆、同じマシンで走ってるはずなのに…予選向けの『スーパー・セットアップ』なんてものはない…まさに15分前に走っていたのと同じマシンなんですよ。つまり、彼らには特別な何かが加えられると言う事です。それが何かは分からない…それを解き明かせたなら大金持ちになれる!単純に、彼らは特別な何かをずっと持っていたと言うことでしょ…。

マシンは(ロッシのドゥカティ移籍前に比べ)かなり変わっていて、もしヴァレンティーノが若手ライダーならホルヘ(ロレンソ)と同じように乗ってみないかと勧めてみたでしょうね。
ドゥカティからヤマハに戻って来た際、マシン調整でかなり遊んでみたんですよ…ヤマハは2010年版のM1機と似たようなものを作ってくれようともした。カタール開幕戦では上手く行きましたね(ロッシ2位、ロレンソ1位)。しかし、問題はどうしてそれが上手く行ったかが、我々に理解できなかったと言う点なんです。アッセンでもマシンの調子は実に良かった。しかし他のレースではマシンの設定を変え…打開策を見つけるのにどっさり時間がかかってしまい…色々とやった中で、ヴァレンティーノは己の道を見失って行ってしまったんじゃないかと思うんです。彼と共に私達もね。かつてと同じような手応えを得ようとしたものの、彼自身もまた少し変わってしまっていたんですよ。

今季のラスト8戦ではホルヘが使っているベースに戻してみたが、タイムを比較したところ全体的にホルへの方が常に0.4秒ぐらい速く、予選でも同じようなギャップでした。人生ってのは、こう言うものでね。何が自分らに足りないのか正確に分かるのなら、当然、うちのリザルトだって良くなっていたでしょう…しかし、永遠に続くものなどありはしない…扉が1つ閉まれば別の扉が開くもので…私はパドックやコースでの諸々のせいで情熱が萎えはしないし、こう言うマシンのテクノロジーにだってまだまだ夢中にさせられますよ…ただ、レースでできる事と言うのは、山のような開発作業の結果ですからね。

【解放されて、ホッとした面もある?】ある意味、そうですね。自分が担当している選手の安全には常に気を配ってますから。酷い事故を随分と見てきたし、もしヴァレンティーノが重傷でも負ったら、周囲の人間は“どうしてもっと早く辞めなかった?”と言ってくることでしょう。ご両親に無傷のヴァレンティーノをお返しできるのが、私にとっては一安心ですね。特にミック・ドゥーハンの事故以来…二度と起きて欲しくなかったから。ヴァレンティーノが何かを…もしかしたらもう出来ない事をやろうとすると、不安な感じがするんですよ。彼はまた世界チャンピオンになれると確信を持っている…その気持ちには感嘆しますよ…ただ、私は盲信タイプではないんです。物事が証明されるのを確かめたい方でね。“僕はできる”と聞いたら、“じゃ、やって見せてくれ”と言うタイプなんです。ヴァレンティーノはやって見せれる状態になかった。

見せようとはしてましたよ…やれる事の全てはやっていた。しかし、そのため『安全地帯』からは追いやられてしまった。そう言う事はホルヘやマルケスには起きないんです。ヴァレンティーノは常に『安全地帯』に居ながらにして、全ての成功を獲得してきたんです。それがいまや、そう言う状況ではなくなってしまっている。レースを重ねていく中、ある時点で上位4名の名前が常に同じになっていて…たまにクラッチローが参入するぐらいでね。ほとんどがマルケス、ロレンソ、ペドロサ、そしてヴァレンティーノだったでしょ。ヴァレンティーノは出来る限りの事をしている…これまで長いキャリアを走り…でも、いまや34才なんですから。」
(Source:2013年11月22日 Motoblog.it記事より抜粋)




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POSTED COMMENT

  1. ken より:

    バージェスとロッシに実際にどのような会話がされていたかは知る由もありませんが、インタビューでのロッシの発言を聞いていると、ロッシ自身もわかっているように感じます。 ただ全てをトライするまでは諦めたくはないのではないでしょうか? ロッシは元々言い訳をしない、というか以前はする必要がなかった。 でも、最も速い!というプライドで生きているライダーは、結果が出ない時に理由が必要です。最初は周りも納得する内容で、徐々に ん? という言い訳に変わって行く。 そして全ての言い訳を尽くした時は引退する時だと思います。 プライドで生きている世界では、言い訳は必要、日本人は言い訳を嫌いますが、全て自分の責任です! などと言ったらそれは引退の時のような気がします。

    ロッシのプライドはある意味ドゥカティ移籍て守られたように思います。ドゥカティの競争力のなさは明確でしたし…五位でも六位でも皆納得した。今年はヤマハ復帰年ということで、まだ言い訳が出来ますが、来年は本当に勝負ですね。バージェスの解雇は最後の大言い訳になります。バージェスの言うとおり、見せて欲しいです。 ロッシがその事を一番分かっていると思います。

    頑張って欲しいっす。500ccの経験者で、ノビー、坂田選手らと一緒に走っていたロッシは現役且つ伝説。

  2. motobeatle より:

    バージェスのこの言葉は非常に重みがあると思います。
    そして確信を突いてるとも。
    ある意味、ロッシ本人以上にロッシの現状を理解しているような気がします。
    率直に言って来年になってロッシが目覚ましい活躍をするとは私も思えない。
    ミックがあの凄まじいクラッシュの末に引退した事を考えると、ロッシにはそうなって欲しくはないです。
    頑張ってはほしいけど。

  3. 80's novice champion より:

    天才は我々凡人には計り知れないものを持っているが故に天才である。その天才たちを支え育てたバージェスの言葉は真実を捉えていると思う。しかし生身の人間としての限界を超えようとしている老いた天才に対する危惧の、その言葉の行間に、一縷の“危惧を裏切ってほしい”という望みを読むこともできる。私自身もそれを望みながら、たとえリザルトが如何なるものであろうとも、2014年シーズンで無事にバレンティーノがGPキャリアを終えることを最も望んでいる。

    • ken より:

      そうですね。バージェスが恐れているのはまさにそこですね。

  4. motobeatle より:

    ロッシは、2015 16年とヤマハと契約延長希望を既に表明してます。
    「絶対に勝ち取らないといけないと」と。
    その為の新たなチーフメカ採用な訳ですが、来年のロッシの成績如何で今度はヤマハが大きな決断をしなければならない。
    その時は、また大きなニュースになるでしょう。

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