『オグラ:お勧めの漫画は?お金の使い方は?レース参戦は怖い?』
★11月1〜3日、マレーシアGPが行われ、モトGPクラスのアイ・オグラ(23才、MT Helmets – MSI)が予選7位、決勝はリタイアした。
★第11ラップで3位走行中、マシントラブルによりリタイアした。なお、前回のタイGP決勝で既にモト2タイトルを獲得している。
★11月1日、金曜セッション終了後、オグラ選手が伊サイト『Mowmag.com』のインタビューで次のように話した。
[ 中編はこちら ]
【欧州人におすすめの漫画はある?】
「あまり有名な漫画ではないんですが…あと、外国語に翻訳されてるのか、ちょっと分からないんですが、もしかしたら日本語だけかもしれないんで。
『capeta』と言う漫画で、4輪レース物なんです。本格的なレース漫画で、かなり詳しい内容なんですよ。(作者の曽田正人が)どうやってストーリーを作ったのか…業界にいない限り、描けないぐらいの内容なんです。
モータースポーツの流れに、こんなに詳しいなんて…スランプとかチャレンジとか、とにかく、レースに出るのがどんなものなのか、作者が把握してるんですよ。
だから、僕にとってはガイドブックみたいな漫画で…けっこう、これで勉強しました。」
【お金の使い方について…選手の中にはハイブランドの洋服や腕時計、車などに使う者もいるが、貴方は?】
「どうだろう…釣り竿ぐらいかなぁ!
スーパーカーもハイブランドの洋服もそれほど興味ないんで…まぁ、モトGP選手っぽい服装をしなければならないのかもしれないし、試してみるかもしれませんけどね。
でも、けっこう普通ですよ…その辺に良くいるような感じなんで。お金の使い方については…もしかしたら、トレーニング用に良いマシンを買ったりとかね。住む所とか…そう言うのは有りでしょうね。
とにかく、スーパーカーとか高価な物には興味ないです。」
【レースに出るのが怖くなったことはある?】
「あぁぁ〜まぁ、他の選手に比べると、僕はけっこう怖い方かもしれません。」
【どうして、そんなことが分かるの?】
「皆、『気にしないよ、僕は強いから』って言うんで…でも、僕はそんな風に思えないんですよ。
僕は常に一歩下がって、今、何がどうなってるのかをきちんと把握するようにしてます。何か起きるんじゃないかと思って…怖いんですよ。
例えば、モト3からモト2に昇格した時、マシンの操縦が本当に怖くって…物凄く速く感じられたもんですから。
でも、ほとんどの選手は違うんですよね…単純にスピードを楽しんでるって感じで。僕はスピードを楽しんだことなんて、一度もないんですよ。
マシンを上手くコントロールできた時は楽しいけど、スピード自体を楽しんだことはないです。モトGP機は時速350km出るって思うだけで、もう怖いんですよ。
他の誰よりも心配してるし、怖がりなんです。」
【他の選手らは強がってるだけかも…】
「どうでも良いです…僕は自分自身に嘘をつけないし、他の選手らと同じだなんて思えないんで。
でも、こう言う自分で良いと思ってます…ありのままの自分を受け入れてるんで。」
【神の存在は信じる?】
「(※上を見つめ、けっこう時間をかけて考えつつ)信じてません。全ては自分がやっていることなんで。
自分がやらかしてしまったことを受け入れ、良いことをしたらそれも受け入れていくべきでしょう。いつだって、全ては自分次第なんだから。
物凄く緊迫した時なんかは、こんな風にもするだろうけど(両手を合わせ、祈るように上に目を向ける)…でも、最終的には自分らしくあるよう務めるべきで…自分次第ってことですよね。」
【世界チャンピオンになると言う感動を、分かち合える人間を1人だけ選ぶとしたら…?】
「僕の家族は、僕以上に感動してたんで…まぁ、どうなんでしょうね。とにかく、家族の中の誰かであることは確かでしょう。」
【誰?】
「祖父かもしれません…今、入院してるんですよ(※感極まり、一呼吸おいて話し始める)祖父はいつも僕のレースを観てくれて、ミニモト時代からずっとなんです…そして、物凄く年を取った友人らにビデオを送っては、『これが、うちの孫なんだ』って話してるそうなんです。
うん…そうですね…(感動を分かち合えるのは)祖父だと思います。」
[ 完 ]
(参照サイト:『Corse di moto』)
(参照サイト:『Mowmag.com』)
(Photo:Instagram)
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自分を持ってる感じで良いですね。恐怖心を周りに言えるのもいい。
頑張って欲しい。
カペタは昔読んだことあるけど、途中でやめちゃったような。
よく覚えてない。
普通で頭の良い青年。IQが少し高そうでも普通に適応してじっちゃん想い、可愛い孫だろう。
その孫がとうとうプレミアクラスに総合優勝は無理でも勝てるマシンに乗る、今迄の頭を使ったひたむきな努力の結果。
良いインタビューでした、ありがとうございます。
地に足がついている感じが好きです。ただ勢いだけで戦っていない感じ。
カペタ良いですよね!以前読破しました。多少境遇が恵まれていなくても結果出せば道が開けてくる感じが引き込まれたな。
カペタはいい!
この名作を読んでたとは小椋藍選手は凄い。
そして、お爺ちゃん思いの優しい青年だ。
ずっと応援して行きたい。
あ、シャカリキの作者さんですね!
>僕はスピードを楽しんだことなんて、一度もないんですよ。
これ凄くわかる。
オフロードでもそうなんだけど、スーパージャンプなんかで日本人だと恐怖を乗り超えた上での快感はあるけど、アメリカンとかは最初から恐怖を楽しんでるんだよね。
ほんとうに藍君って正直で日本人的だなぁ。
是非ともそんな彼にモトGPでも頑張ってもらいたい。
カペタいいですね。自分で体験したわけじゃないけどとてもリアルだと思います。
出てくる女性が皆さん魅力的なのもいいですね。
藍選手は今まであまりいなかった感じの伝説のライダーになるかもしれないな。
なぜ漫画話しに??
インタビュアーの趣味だろうけど、さすが世界に誇るクールジャパン
著者の曽田氏にこの声が届けば喜ぶだろうな
著書・め組の大吾にもラウダ、プロスト似のキャラクターが出てくるほどF1フリークですしね
2輪はそこまで詳しく無さげだけど、ヘルメットのデザインは2輪ライダーより4輪ドライバーのシンプルな方が好みとか語ってたのを思い出します
いつかアイを題材にした漫画を描いて欲しいなぁ
祖父の話、良いですね。鈍感力と言う言葉があります。いい意味で鈍感であることでプレッシャーを回避できる。小椋選手にはそんな鈍感力があり、だからチャンピオンになった。その鈍感力は、自分を知ること、チャンピオンになるべくしてなったんだなぁと納得。モトGPで勝つためには、良いマシンをゲットする事が必須だ。その鈍感力で、その争いにも勝って欲しい。この先どうなっても自分の中で、小椋選手に対する高い評価が消えることはないと思う。色々な意味で誇りに思います。
お爺さん退院されたら一緒に釣りとかできるといいですね。
神の存在の話は、日本人の無意識の宗教観あっての回答だと思うけど、それを理解してもらえてるか心配。