念願のヴァレンティーノ・ロッシ選手を獲得し、来季のオートバイ世界選手権に向けてマシン改良に余念のないドゥカティ。
かつてマルコ・メランドリー選手が所属していた頃は、「話は全く聞いてくれなかった」んだそうですが…
ヴァレンティーノ・ロッシ選手のためならば、エンジニアを総動員して尽くすんだそうですよ。
モトGP 『プレツィオージ:総動員してヴァレのために働く』
まずはデスモセディチ機のフレームの作業から
2日間に渡るヴァレンシアでの走行テストを終え、ドゥカティ・コルソのゼネラル・ディレクターであるフィリッポ・プレツィオージとしては、それをジョークでかわしたいようだ。
「私の方から頼んだんですよ。タイムは気にしてくれるなって。ただ、その通りにやってくれ過ぎちゃったみたいですけどね。」
そして真顔になって、
「まぁ、そうですね。我々としても、もうちょっと期待してたんですが。でも、ギョッとはなってませんよ。今後、有用な作業に関して既に構想は練ってありますから。」
12月前にドゥカティ機『Mille』のプロジェクトを終えられたのは良かったですね。
「ええ。2012年向けのマシンの設計はもう済んでるし、業者サイドも『バージョン0』用のパーツ組立ての作業中です。ですから現在は、ヴァレンティーノのためにエンジニアを総動員しています。彼のリクエスト通りの設計・製作が自由にできるわけです。もうリクエストも受けてますしね。」
どの辺りが大きな問題点になってるんですか?
「ヴァレンティーノからはフロント部のバランスが心もとなく、どの辺が限界なのか分からないと言われています。カーブに差しかかった際のブレーキング時に、もっとしなやかさが欲しいと。」
どのように解決されるのですか?
「フレームに手を加えます。つまり、重量配分に…構造面での柔軟性のなさに対してね。それからフロントフォーク周辺。色々と案が出てるんで、解決策はありますよ。」
ロッシ選手の肩のケガが影響したのでは?
「もちろん。そちらの問題は、なおさらのことですよ。ヴァレンティーノは補正するのも、適合するのもヤマハ機の方が簡単だってことを分かってますから。それに対し、うちのマシンは初めてなうえに、こっちの方が御しがたいわけで。ですから、あの肩を抱えて、それなりの結果を出すのは難しかったんです。」
マシンの性能はカレル・アブラハム選手やランディ・ド・プニエ選手が出したタイムに則していたんですよね?
「ヴァレは好タイムを出すために走行テストをしたことはありませんからね。我々の方でもカレルやランディには、彼らの要望に合わせてマシンを調整するよう言ってありましたし、ソフトタイヤを使用していました。限界がどの辺りかがすぐに分かるよう、プッシュして行くようにとも言っておきましたしね。」
一方、ロッシ選手には何と言っていたのですか?
「彼には、現在、妥当とされている状態のものを、できるだけ多く試して欲しいと言ってありました。彼がトラックで走らせたマシンは最高のセッティングのものではなく、毎回変えていたんですよ。マシンの反応を検討するのにね。ヴァレンティーノにしてみたら、2日間で異なるマシン6機を試したようなものでしょう。」
一種の策略だったわけですね?
「もちろん。彼の経験の豊富さなり、ジェレミー・バージェス氏のそれを速攻で利用させてもらったんです。できるだけ多くの情報を得るのにね。ライダーの能力をはかるための走行テストなど、我々はしたことありませんから。」
エンジンの問題にはどのように取り組んでいかれるのですか?
「とりあえずは『ビッグバン』を試してみますが、これで解決と言うわけではありません。まだ試行錯誤していかなければね。『スクリーマー』と詳しく比較検討することができなかったんですよ。天候が災いしてね。それ以外に、ヴァレンティーノの肩がキツかったもんですから。2日目に『スクリーマー』は使わなかったんですが、マジでプッシュできるようなコンディションに至らなかったのと、このバリエーションを加えるともっと厄介なことになりそうだったんで。」
個人的な見解としては?
「『ビッグバン』にしたのは賢明な選択のように思えます。現在の段階ではね。」
それでは、エンジンはあまりアグレッシブじゃない方向で行くのですか?
「『ビッグバン』は御しやすい方ですね。非常に発達したエンジンですから、もう既に良い物ですし。」
ケイシー・ストーナー選手も、そちらを選んでましたよね?
「そうです。去年、ケイシーが何がなんでも『ビッグバン』にすると。『スクリーマー』も試してみてからね。このエンジンのことは、エラい喜んでましたよ。ニッキー(ヘイデン)も、以前からそうなんですが。」
それでは、『ビッグバン』の方が優秀だと言うことになりますか?
「優秀なエンジンと言うのは、ライダーが飛ばせるような物のことです。同じような意味で、完璧なマシンと言うのも存在しません。つまり、そのライダーのライディングに最適なマシンと言うものがあるわけで。それを模索するのが必要なんでね。」
ロッシ選手と組んでの最初の2日間はどうでしたか?
「彼と一緒に作業をするのは別物ですね。驚異的なデータをどっさり提供してくれるんですが、それが甚だしく正確なんですよ。そう言う人なんだと聞かされてはいましたけどね。技術面でのブリーフィング(簡単な説明)なんかは大学の講義を一回受けたのに匹敵するって。私としては、そのうえ大変に面白い…と付け加えますが。」
驚かされたことは?
「最初の数周後、彼がまず話してくれたのがポジティブ面だったことです。まず最初に、問題点を並べてくるだろうなぁと思っていましたから。それが違いましたね。私としては、まずネガティブな意見を聞かせてもらう方が重要だと思っています。ネガティブなものの方が向上させてくれますから。」
ところが…。
「ところが、360度すべての面からアプローチしてくるんです。ほんの些細なことまで全て言ってくれます。つまりポジティブ面、ネガティブ面全てね。ヴァレンティーノは大変な分析家で、細かく分けてきますね。こんなにディテールで溢れかえるとは思ってもいませんでした。彼が指摘する面の正確さが作業の質を上げてゆくんです。グローバルなビジョンを持つための助けになりますから。」
ボックス内での作業は、どのように組織しているのですか?
「以前はトラック・エンジニア、技術チーフ、エレクトリック・エンジニアを置いていました。現在はスタッフ間の関係に変化が出てきましたね。例えば、昨日までなら最終判断はトラック・エンジニアに任せられていたのが、今はジェレミー・バージェス氏(上写真の右側)になっている。もちろん、その判断はエレクトリック技術者の方にも関係してゆく。バージェス氏のような経験豊富な方に情報処理をお任せしたいと私は思ってますので、このようにしました。」
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Motosprint 2010年11月22日)
どうやらイタリア妻の方は、
かなりお転婆のようですね…
ロッシ選手の『じゃじゃ馬ならし』に
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いつも楽しく拝見しています、ヴァレファンの者です。
もうロッシ様サマですね(^-^)
来期のMotoGPが楽しみです。
twitterID@kyon_VR46
いつも楽しく拝見しています、ヴァレファンの者です。
もうロッシ様サマですね(^-^)
来期のMotoGPが楽しみです。
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長いインタビューありがとうございました。 F1程はマニアックな言葉が出ないとはいえ結構翻訳し辛い業界用語もあり大変ですね。(^^;;
分かってはいましたが、基本的には来年ドゥカは優勝は諦めてる様な雰囲気ですね。 ヴァレの調子が良くてマシンがマッチすればわずかに可能性があるって感じでしょうか。 やはりターゲットは2012年ですかね。
長いインタビューありがとうございました。 F1程はマニアックな言葉が出ないとはいえ結構翻訳し辛い業界用語もあり大変ですね。(^^;;
分かってはいましたが、基本的には来年ドゥカは優勝は諦めてる様な雰囲気ですね。 ヴァレの調子が良くてマシンがマッチすればわずかに可能性があるって感じでしょうか。 やはりターゲットは2012年ですかね。
ciao〜chiricoさん 移転ごくろうさまでした。ぼちぼち更新して下さいね。
ロッシなかなか順調に…とはいかないようですね。まぁ春までには時間があるし大丈夫かな。
私の時計(ほとんど付けてないですが)マネッティ・マレリ製で18年近く使ってます。新しいのあるかな〜とHP見たら(何書いてるかわかりませんが)今では売ってなさそうですねf^_^
ciao〜chiricoさん 移転ごくろうさまでした。ぼちぼち更新して下さいね。
ロッシなかなか順調に…とはいかないようですね。まぁ春までには時間があるし大丈夫かな。
私の時計(ほとんど付けてないですが)マネッティ・マレリ製で18年近く使ってます。新しいのあるかな〜とHP見たら(何書いてるかわかりませんが)今では売ってなさそうですねf^_^
きょん太郎様、コメント、ありがとうございます!!
来期は、まずは赤いロッシで盛り上がるんでしょうね〜。そして、その後、どう健闘してくれるのか…とにかく楽しみです!
きょん太郎様、コメント、ありがとうございます!!
来期は、まずは赤いロッシで盛り上がるんでしょうね〜。そして、その後、どう健闘してくれるのか…とにかく楽しみです!
machcat さん、こちらこそ、いつも詳しい解説をありがとうございます!
各選手のマシンの開発能力って言うのが、実際のところ、どのぐらい差があるのか…
個人的にはこれに一番興味がありますね。
だとしたら、やはり、その2012年が分かり易い年になるんでしょうね。
machcat さん、こちらこそ、いつも詳しい解説をありがとうございます!
各選手のマシンの開発能力って言うのが、実際のところ、どのぐらい差があるのか…
個人的にはこれに一番興味がありますね。
だとしたら、やはり、その2012年が分かり易い年になるんでしょうね。
とらんさん、ねぎらい、ありがとうございます〜!
最近はモトGP関連のニュースを増やしてるもんですから、ホントに油断するとツイッターでつぶやく余裕もなくなってしまって…
ぼちぼち…ですよね。
マネッティ・マレリって車の部品の会社ですよね?
それまた、ずいぶんと、こだわりの時計で。
イタリアは日本と違って、あちこちに時計もないし、あっても狂ってるから(駅の時計まで来るってることありますから)、腕時計の需要があるだろうって…作ってみたんでしょうかねぇ…
とらんさん、ねぎらい、ありがとうございます〜!
最近はモトGP関連のニュースを増やしてるもんですから、ホントに油断するとツイッターでつぶやく余裕もなくなってしまって…
ぼちぼち…ですよね。
マネッティ・マレリって車の部品の会社ですよね?
それまた、ずいぶんと、こだわりの時計で。
イタリアは日本と違って、あちこちに時計もないし、あっても狂ってるから(駅の時計まで来るってることありますから)、腕時計の需要があるだろうって…作ってみたんでしょうかねぇ…