今シーズン前半を終え、モト3クラスで最も注目を集めているのは、実はマヒンドラレーシングでは無いでしょうか。
確かに総合成績だんとつトップのKTMは重たい存在なんですが、まぁ、誰もが予想していた訳で、あまり驚きもしないのが正直な所だと思います。そして現在、そのKTM軍団を相手に互角とは言えないにしろ健闘しているのが、こちらのマヒンドラさんくらいでしょか。
チーム内からも「予想もしてませんでした。凄くビックリしてます!」との声が上がるぐらいですからねー。
そこで!
マヒンドラって知ってる?と聞かれたら、「知ってるよ…………」と答えた後に無口になってしまう…そこのアナタ!
こちらをどうぞ!!
『注目のマヒンドラレーシングを分析』
マヒンドラレーシングの母体はインドの自動車製造/販売会社マヒンドラ&マヒンドラで、主に自動車とトラクターの製造をしているが、2輪車両は排気量110ccのパンテロ&センチュロを製造している。

マヒンドラがロードレース世界選手権に初めて参加したのは2010年の125ccクラス(2サイクルエンジン)からで、2012年からはそれがモト3クラス(250ccの4サイクル単気筒エンジン)へと変遷し、現在のマヒンドラMGP30機へとなった。
マヒンドラレーシングCEOはMufaddal Choonia(写真下中央、左はオリベイラ選手、右はバスケス選手)。モト3クラスチームマネージャーはマッシモ・ビアジーニ、CIVチームマネージャーはニコラ・カザデイ。
ロードレース世界選手権モト3クラス、2012年はダニー・ウエブ(イギリス出身、2011年の125ccクラスも同チームから参戦)とリカルド・モレッティ(イタリア出身)が務めたが、2013年は総入れ替えで、ミゲル・オリベイラ(ポルトガル)&エフレン・バスケス(スペイン)となった。
現在のランキングはオリベイラ選手が総合6位(KTM以外ではトップ)で、アッセン戦ではポールポジションを勝ち取った(決勝レースは4位)。バスケス選手は総合10位である。コンストラクターズでは3位だが、2位のカレックスKTMとの差は僅か3ポイント。
一方、CIV(イタリア選手権)モト3クラスでは、アンドレア・ロカテッリ(イタリア)、マイケル・ルーベン・リナルディ(イタリア)が参戦しており、現在はコンストラクターズで1位、チャンピオンシップでもロカテッリ選手が1位で、リナルディ選手が3位と好成績を収めている。(写真下の中央の2台)
マヒンドラMGP30について。
2012年モデル(下記写真の上)から2013年モデル(下記写真の下)までの大きな変更点としては、イタリアのエンジンズ・エンジニアリングが製作したチューブフレームを、スッター・レーシングテクノロジー製のツインチューブフレームに変更した事が挙げられる。
昨年、スッターフレームの採用に関しての噂が流れた際、どこのエンジンを載せるのかが話題になっていたようで、スッター側で用意できる単気筒250ccエンジンが疑問視(カート用しか無かったらしい)されていた模様。最終的にエンジンはイタリアのオラル・エンジニアリング製のOE-250M3Rが、引き続き搭載された。
[追記:読者の @_ROTOM さんから貴重な情報を頂きました!ありがとうございます。確かに昨年のエンジンとは全く違いますねー。下の写真を見る限りではオラル製ではないような気がします。と言うか……じゃ、どこのエンジン???]
@anandmahindra @Prakashukla The heart of the 2 Mahindra MGP3O racing bikes ….the Mahindra MS-250M3O engines. pic.twitter.com/uwnLtLg1dM
— Mufaddal Choonia (@mchoonia) April 6, 2013
以下がMGP30の基本スペック。(マヒンドラレーシング、ホームページより)
そして、下記がオラル製エンジンOE-250M3Rの説明(オラル・エンジニアリング、ホームページより)だが、マヒンドラ仕様のMGP30のスペックとは異なる箇所がある。昨年の2012モデルなのか、もしくはオラル社のM3機に搭載されているエンジンだから異なるのかは不明(注:今後の参考としておきます)。
- DOHC、吸排気バブルはチタン製。
- 直線吸気エアダクト、スロットルバルブは直径50mmでステッパーモーター電子制御コントロール、シリンダー径は81mm。
- 最高出力回転数は13700rpm。
- コネクティングロッドはチタン製でロッド内の孔を介しルブリケーションを行う現代のMotoGPやF1と同等な技術を採用。
- クラッチは乾式マルチプレート、調整可能なアンチホッピング機構付き。
- オイルポンプとウオーターポンプシステムはモノシャフトで駆動し調整と点検を容易にする。
- 油冷エンジンシステムはオイル/ウオーター熱交換器が内蔵され、クラッチカバーを外す事で調整と交換が可能である。(下の写真はアプリリア製フレームに同エンジンを搭載したもの)
- トランスミッションはアプリリア製6速を搭載する。現在、RSV125GPのものを使用。
(Source: Motograndprix 、Infomotogp)
マヒンドラMGP30が健闘している理由は何か?
シロートのあたしにゃ分かりませんが、大きな変更点はフレームで、エンジンも昨年に比べ、パワーアップしてる事でしょうか……ライバルのKTMは強力なパワーのエンジンがポイントで、フレームはパイプフレームですから、最終的にはバランスなんでしょうねー。
あと電子制御に関しては、KTMとホンダはモト3のエンジン開発と一緒に進めて行った経緯があったようで…マヒンドラはスタート時点では不利だったようですが。でも経験を重ねる事で、それを解決して行った事も好成績の要因かもしれません。
マヒンドラのモト3参戦はインドの巨大市場を背景にした販売戦略があるのでしょうが、実際、同社が販売しているバイクは110ccの2タイプのみと知って、ちょっと驚きました。開発に関しては、今後どこかのメーカーを買収して行く可能性が高そうですな。
インド人もびっくりクリックPrego
