MotoGP

ペドロサ『2年前にセパンである事が起きたのに…』:マルケス接触・転倒事件

アラゴン戦から2週間を経て…
マルケス/ペドロサ接触・転倒についての処罰が、10月10日に出されたわけですが…
当事者…と言うか、被害者であるペドロサ選手は同件について聞かれ、まずは「ノーコメント」と答えたんですが…
それに続いて、まるで禅問答のような感じでけっこう喋ってくれてました。

as-pedrosa.jpg

★ダニ・ペドロサが先のアラゴン戦での接触・転倒に対する処罰決定についてコメント。
「【マルケス選手に1ポイント処罰が科せられたが…】それはレース・ディレクションの事柄です。僕は事故の関係者だから召喚されたんです…僕が転倒したんですからね。でも、完全にレース・ディレクションの事柄ですから。

【ホンダがケーブルや電制システムの作動について過失を認めたが…】いつも、こう言う事が起きて進歩があるですよね。この手の問題が起きると、その後、常に解決策があるものでね。それ以前には、こう言うオプションに着手するのは難しいですからね。

【アラゴンでの転倒は?】まぁ…腰がね…3日間かなり酷くて、歩けなかったんですよ。その後、けっこう良くなったけど…良くなりたいって思ってたんですが、望んでいたほど良くはなりませんでした。

【ロレンソ選手が皮肉ってましたね…マルケス選手の総合ランクに1ポイント加えてやれば良い…世間では転倒や接触などが好みなのだからと…】それは明白ですね。

【ロレンソ選手に賛成?】ええ。皮肉で言ったとは思いますが…でも、警告すると言う意味で…真実だからでしょ…言ってる事は本当ですよ。特定の誰かについて話題にしてるわけじゃない…一般的な話しをしてるんです。ホルヘのもライダーについての話ではなかったんだと思いますけど。

【(ロレンソは)マルケス選手の総合ランクに1ポイント加えてやれば良いと言ったのだが…】わかりました…それはアラゴンの件だったからですね。
モト3クラスのフリープラクティスを見てると、他の選手への接触が良くあるようですが…手本となっているのは、当然、僕らでしょ。15〜16才の選手らの話ですよ…レースなんだから強い走りができるようにならなければならない選手達です。でも、クラスが上になれば衝突も些細なものではなくなります。スピード・重量は最大、衝撃はさらに強くなる。上手く行く確率なんてまちまちですしね。
確かにソファーでビール片手に観てる人間には面白いでしょ…おぉ!やったぞ!ってね。僕だってソファでタイソンのボクシング試合を観て盛り上がって、やっぱり言いましたよ…やれ!もっと強く!ってね。もちろん僕がリングに上がってたわけじゃない…話は違うんです。

【ロレンソ選手が言っていたようにマルケス選手は悪い手本だと思う?】(沈黙)問題はそれほどそこにある訳ではなく、別な所にあると思います。僕は罰則と言うのは、きちんと罰則であるべきだと思うんです……何だかよく分からないような事を言うために2週間もかけませんよ。誰かの事を特定して言ってるわけじゃないですよ…例えば、こう言う事です…モト3クラスには他の選手を事故に巻き込むような振る舞いをいつもする選手らがいるが、下位クラスから気をつけて行かねばならない。そうしないと、もっとスピードや重量が上がって来た時に同じ事が起きたなら…。

【レース・ディレクションにそう言った?】いいえ。さっき言った通り、レース・ディレクションの決定ですし、権利を有してるのは彼らですから。僕はマルクを罰するべきだなんて一言も言ってません…それは彼らの事柄ですから。僕は誰にも何も訴えてません。

【だったら、召喚に応じる必要はなかったのでは…】ええ。でも、僕は何かを訴えに行ったたわけじゃない…(レース・ディレクションが)マルクを召喚し、僕は証人として呼ばれたんです…接戦をした当事者であり…いわゆる被害者ってやつですから。
僕、思うんですが…2年前にここである事が起きて(注:マルコ・シモンチェッリが事故で亡くなっている)、そして学ばなかった…学習しなかったんだと思います。僕が思ってるのはそう言う事です。だから、ホルヘは同じ意見で…あの時、ケーシー(ストーナー)やホルヘや僕は嘆いていたわけだし、その後、ああ言う事になってしまい、まるで誰にも何の影響も与えなかったような…。

【あの事故に関しては誰も喜んではいないし、不幸な事故で危険行為によって起きたものではないが…】起きたから起きたんであって…起きた事以上の事は言えません。

【私はあの事故は誰も喜んではいないし、危険行為によって起きたものではないと言っているんだが…】僕だってそんな事は言ってません。僕が言ってるのは、気をつけなければならないって事だけで…前例があり、そこから学ばなければならないと言う事だけです。

【特定の選手の事は言ってないと言うが、全てはペドロサ/マルケス接触・転倒に関連している…ロレンソ選手の発言もマルケス選手についてだが…】さあ、どうでしょうね。もう、うんざりなんですよ。明らかに、アラゴンで起きた事は大したことはなかった…僕がツイてなかったんです。マルクが若干離れて入ってきて、僕のマシンの側面に接触し…僕はツイてなかった。分かってますよ。でも、その名前を引っ張り出してくるなら、何が起きたかに目を向けて行くことになるでしょ。僕らが言ってるのは、そう言う事です。他の人間の名前を引っ張り出すなら、それほど多くの事柄に目は行かない。僕が重要だと思うのはそこなんです。

【かつてのロレンソ選手のように出場停止処分を受けるべきだった?最後尾スタートをさせたら、もっと危険だったから…】いいえ。マルクは素晴らしいシーズンを送ってると思うし、これまで非常に良い走りをしてきて、もの凄いレースを成し遂げてきたでしょ。あれでデビュー年なんだから、本当に驚いてますよ。それ以外は、特に。

【ストーナー元選手が、他の選手にもっと配慮しなければならない、一人で走ってるわけじゃないのだからと言っていたが…】まさしく僕がアラゴンで言った事ですよ!でも、それは別の話であって…君はああだったとか、ああじゃなかったとか。反対する人もいれば、そうじゃない人も…。まるでシステムが上手く機能していないみたいですよね。ホルヘが言いたかった事もそれでしょ。

【それはレース・ディレクションへのメッセージ?この手の事を調整し、若年選手に手本を示すべきと…】当然ですね。

【ベテラン選手として、今度、マルケス選手と話す時、なんて言ってやるつもり?】いや、いや…彼とは話しませんよ。もう話し合いましたから…向こうにいた時にね…僕はツイてなかった、実際の状況はそう言うことで…でも、あの時、僕の前にも選手が居たって事は理解しておかなければならないでしょ。トラブルが起きないよう、僕は先行選手の動きを注視しなければならないし、後続選手は僕の動きと、その前の選手の動きを注視していなければならない。それがどこでも規準でしょ。僕らが話し合ったのは、そう言う事です。」
(Source:2013年10月10日 Diario AS記事より抜粋)




セパン戦でのフリープラクティスは1・2回目両方とも首位タイムを記録し、なかなか好調なペドロサ選手であります。
たまに晴れ晴れとした笑顔が見たいですねぇ。

あっ、でもペドロサさん…
10月10日には、こんな明るいツイートも出しとりました。

《スコット・レディングが、有名なF1の伝説ドライバーだったとは考えてもいなかった!!ははは》

進撃の小さな巨人クリックPrego

人気ブログランキングへ

POSTED COMMENT

  1. Ken より:

    自分の意見と全く同じで驚きました。
    ホルヘは、今回の当事者ではありませんが、二年前にマルコとプレスカンファレンスでやり合った内容との対比が印象的です。 同じ事を前回はストレートに、今回は皮肉を込めて言っていますね。 マルコとの件は、あの不幸な事故の後、感情に任せてあの様なやり合いをしてしまったこと、すごく後悔していたし、マルコの葬儀にも参加していました。ホルヘにはあの時の事がトラウマまで行かなくても、今回の発言に強く影響していたと思います。皮肉であるとは言ってませんでしたが、ダニの言う通り間違いありません。

    マルコとマルケスの違いは、マルケスが現実的に既にNo1を走っている事、そしてあの人受けする性格です。マルコも素晴らしい性格でしたが、マルケスはそれがすごくわかりやすく、誰からも可愛がられる、そしてそのキャラでここまでの問題が極度に悪化すること防いでいたように感じます。 但し、モト2時代の幾つかの事件、そしてそれが理由になって最後尾スタートになった際も、起きた事より、最後尾スタートから優勝! というスペクタキュラーが注目されてました。

    マルコの事故との対比は、インタビュアーとダニのやりとりの通りと、思います。あの事件は、マルコが起こした一連の件とは無関係だし、指摘されていた危険な部分とは無関係な単独での転倒でした。 でも、客観的に見て、全く無関係とも言いきれないですよね。その本質的な原因というか…

    マルクはスタイルを変えないと言っているし、ホルヘの皮肉の通り、実際に、激しい争いなり、時には接触を我々観客サイドが求めていることも事実です。ダニの話は的をえているし、それがモトgpにお金を呼び込んでいる。 しかし、前にも書きましたが、精密化、高性能化した今のマシーンは、90年代とは違い、どんどんF1化している。 F1が人工的にオーバーテイクを作り出していることは前にも言いましたが、マルクの様な危険を犯さないとオーバーテイク自体が危険になっていて、だからこそ、レースディレクションは観客動員とか特定のライダーの意見、マニュファクチャラーの利害を超えた中立的なものであって欲しいというのが、ホルヘの言いたいことだと思います。

    プロモーション活動等、観客動員数を上げる手段は他にもありますが、ライダーの安全を守れるのはレースディレクションだけなので。

    様々な意見はありますが、ダニがレースディレクション、レースディレクションというのはそれが理由だし、極力自分の意見を言うのを避けるのもそれが理由ではと思います。 ホルヘは、今回はそれを彼なりに皮肉を込めて表現したと思います。

    ロッシの過去のアクションとマルケスの今のアクションを、比較して今のマルケスを罰するならロッシもという意見はもっともですが、ロッシのアクションには悪意は感じても、危険さは今程感じませんでした。 むしろマルケスの一連の事件は、悪意は感じませんが、危険な匂いがします。 2001年の開幕戦鈴鹿、ビアッジがストレートでバレンディーノを肘で押し出した事件がありましたが、ロッシは翌週クリーンにオーバーテイクし、その直後中指を立てるというショーを演出しました。ロッシはとてつもなく手強いライダーですが、意外なほど一線を引いています。 あの有名な2008年のラグナセカ、あのコークスクリュー以外のオーバーテイクはクリーンでしたよね。あの時のケイシーの不満は、 明らかに速かったケイシーがロッシの老獪な戦術にはまり勝てなかった事によると思います。 へレスのセテに、関してはひどかったですけどね(^^) あれは絶対にペナルティです。

    現にロッシは怪我が非常に少ないライダーだし、あの緻密なセッテイング作業をを見ても、繊細で緻密なライダーと思います。あのパッションと緻密さの組み合わせな彼の凄さの本質では?
    速いだけ、汚いだけでは9回もチャンピオンになれません。

    最後は余談になりましたが、こんな風に感じます。 340kphでバイクを走らせたことはありませんが、危険ですよね…それが、観客には絶対に分からない。 そして時として死亡事件についても一つのショーと見なされかねない… だからこそ、第三者としてのレースディレクションの存在意義が問われると思います。

    • りゅー より:

      レースディレクションの存在意義に関してはその通りだと思います。
      存在する以上、正常に機能してほしい。

      今回のの裁定は突き詰めていった結果だと考えることはできますが、ホンダのコンストラクターズポイントに関してはどうにも納得できません。

      ・・・ってもう裁定は下ったのだし、選手達は走り出したんですもんねw

      もうやめときますww

      今、セパン予選を見終わった所です。

      久々にカルがFLにきて、悪ガキ3人組が楽しそうでしたwww

  2. りょうじ より:

    そもそもの話になりますが、これまでレースディレクションがカピロッシやビアッジやロッシ、そしてマルケスを裁いてこなかったのが良くなかったと私は思っています。
    今回の裁定はペナルティポイント1という玉虫色のものでした。
    それでも私の予想では結局今回ペナルティは下されず、うやむやに終わる気がしていたので少し意外でした。
    これまでのWGPの運営を振り返ると、やはり「ガンガン行け」というスタンスに近かったと感じているからです。
    もし今回最後尾(ポイント2)ペナルティが科せられていたと仮定すると、悪い点、良い点は次のようになると思います。

    悪い点:これまでの裁定との整合性がとれない上に、罰則は個々の事象を判定するという原則に反する。
    (単体で見れば、やはり今回の接触に対して最後尾スタートというのは厳しい判定だと思います)
    良い点:マルケス及び全ライダー、関係者、ファンに対して「これからはよりクリーンなレースを求めていく」という明確なメッセージを発することができる。

    どちらとも言い難い結果となりましたが、今回の裁定に一定の評価はできると考えます。
    もはや根本的な部分で、これまでの運営側のスタンスや判定基準が今のMotoGPマシンや時代に合わなくなってきていると思うのです。
    今すぐ、というのは非現実的ですが、来シーズンからなら可能ではないでしょうか。
    これまでの基準を一段安全重視方向に引き上げて、それを明確にアナウンスし、何か事が起こったならば毅然とした態度で判定を下してほしいと期待しています。
    さながらサッカーやアメフトを裁くレフェリーのように。

  3. 8王子 より:

    僕、思うんですが…2006年にポルトガルGPである事が起きて(注:ポイントリーダーのニッキー・ヘイデンがチームメイトでルーキーのセカンドライダーに特攻され転倒ノーポイント)、そして学ばなかった…学習しなかったんだと思います。

    • Ken より:

      意外に語られていませんが、あの時、実はまだダニにチャンピオンのチャンスが残っていたんです。 そしてあの転倒でダニにのチャンピオンが消滅。ルーキーのダニ、レース後は平謝りでバレンシアでニッキーを助けることを約束してました。あの時代はあの手のアクシデントにペナルティを、課すという観念がなかったですよね〜。本当に問題になり始めたのは2011年シーズンのマルコの件あたりではないでしょうか。
      2006年のエストリル、ダニにペナルティを!という声はなかったと記憶しています。 時代と共に状況が変わりますね。

    • Dani Fan より:

      当時はペナルティポイント制度がなかったのに、いまだに2006年のことをウジウジネチネチ持ち出してくることにうんざりしています。

      結果論だけど、ニッキーはちゃんとチャンピョンとれましたよ。
      それに、ダニがあのあと一度でも自分のミスや過信で、他人にぶち当たってコースアウトさせたり、転倒させたりしたことがありましたか?

      コメントに主語がないので誰が学習してないのかわかりませんが、ダニはしっかり学習しましたよね。

  4. 一読者 より:

    kenさんのコメントに大賛同です。

    私の思いも全く同じです。

    この声を何とか活かしていただけないものでしょうか・・・。

  5. tm より:

    レースでの車間距離は10cmでも1cmでも、いや1mmでもかまわない。
    けれどそれがゼロやマイナスの常習者なら注意されるのは当たり前です。
    出来もしない無茶な車間はやめてもっと離れろ、と注意されるのは当たり前です。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

 

ITATWAGP | イタたわGP