MotoGP

ロッシの新ライディング・スタイルを徹底分析:マウロ・サンキーニ

さて、セパンテスト終了後も興奮冷めやらぬ…と言った感じでしょうか。
え〜と、読者さんから「ロッシ選手のライディングが変わって、びっくり!!」と言うコメントやYouTube映像なんぞを送っていただきましてね。
管理人…ビビビっときましぞ!
今、読者さんが一番知りたいの、そこだ!!
と言うわけで、イタリアのSky放送でロッシ選手の新ライディング分析をしとりましたんで、早速、抜き出してみました。


『マウロ・サンキーニ:セパンテスト後、解説』

「今回のロッシ選手は3日間を通して実に安定してましたが…私としては、コース上のヴァレンティーノ・ロッシは去年と別人ですね。今回のセパンテスト映像を分析してみたんですが…冬期オフシーズン中、かなり準備してきたようです。」
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「こちらが今年のロッシ選手なんですが…右コーナーに入って来たところで…以前よりも、かなり…もの凄くマシンから身を乗り出してますね。」
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「まず肩先が前に突き出していて(黄色い丸+矢印)、ヘルメットはマシンの前方に向いている(黄色い矢印)。特に、身体全体がマシンの外に出てますね(青い矢印)。こんなに身を乗り出しているロッシ選手は初めて見ますよ。」
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「こちらの画像では身体が完全にマシンの外側にあり(長い矢印)、特に、この肩が前輪の方を向かい(短い矢印)、フロント側に体重をかけるようにしてます。マシンの上で極端にまでコントロールしている姿勢ですね。」
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「これは左コーナーのハードブレーキングなんですが…コーナーを回る時、マシンからぶら下がっています(左の矢印)。今までロッシ選手に、こう言うぶら下がり走法はなかった…マシンの方はそのままですね(右の矢印)。」
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「そのままコーナーを回りつつ、アクセルを開けて…去年、この瞬間はもっとマシンと一体だった…つまり、もっとマシンの上に乗っていたんです。ここでは既にマシンは立ち上がろうとしているが(右の矢印)、身体の方はコーナーの方に向って乗り出している(左の矢印)。
ロッシ選手の長所と言うのは、これまでずっと500ccや800cc等、マシンの変化に合わせてこれたと言う点で…現在は新しいブリヂストンタイヤや電制システムが導入されライディングスタイルも変わってきている…ロレンソ/マルケス選手のような新世代はマシンにぶら下がるタイプですね。35才のロッシ選手が今また、この新たなスタイルを身に付けようとしているんです。」
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「こちらの映像は去年のセパンのもので…臀部は内側に向い(青い矢印)、背中からヘルメットは外側に向っています(赤い矢印)。」
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「ほら、(去年は)ある意味、きれいな姿勢ではありますよね。」
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「こちらは、まさに同じコーナーを走っている映像でバンク角も同じ…左のグレー機が去年で、右が今年の映像ですね。今年の方がコーナーの方に(顔や身体が)向いているのが分かります(黄色い矢印)。」
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「次は直線コース最後のハードブレーキング地点なんですが…問題は身体を動かすスピードです。
同じコーナーで、去年の方が早くマシンを傾け始めるが、ただし、ゆっくりと倒して行く。一方、今年はマシンを傾け始めてから倒すまでのスピードが速い。この動きを速くやればやるほど、身を乗り出して行けるんです。」
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「それからコーナーに入って行き…はい、この瞬間もポジションが違うのが分かります。去年よりもまっすぐ右の方に傾いてますね(左の画像)。」
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「そして、ここがメインなんだけど…この方向転換の瞬間、去年はマシンが立ち上がるのと同時に身体も立て直しているが(右の画像)、今年はマシンがコーナーを抜ける時…まだ傾いている状態の時に身体の方を先に立て直しているんですよ(左の画像)。」
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「それで、どうなるかと言えば…ほら、身体はもう内側に向っているからマシンは自然に立ち上がるんじゃなく、身体に引っ張られて立ち上がる…つまり、速く立ち上がれるんですよ。」
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「この映像なんか良いですねぇ…全身、外側に乗り出している。」
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「この映像が分かりやすいですね…理想的な走行ラインでコーナーを走っていて(赤い矢印)、バンク角も固定されている(青い矢印)、そして身体の方はもう立ち上がり始めるんですね(黄色い矢印)…マシンはその後から付いて来る。」
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「ほら、マシンの方はコーナーを終えてから立ち上がるんですよ。」
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(Source:2014年02月06日 Sky.it映像より抜粋)

あの…一番上の写真を見て、ビビビっときた読者さんもいるかと思いますが…
この解説しているサンキーニさんと言うのは、ロッシ選手の私設コースで行なわれた『ランチ耐久レース』で2012年優勝、2013年2位だった方なんですな。
上の解説でも分かる通り、なかなかの凄腕コメンテーターでして…
実は以前は、イタリアのSBK放送で解説をしていたんだけど、マックス・ビアッジ皇帝様に仕事を奪われてしまったんです。
皇帝様相手じゃ仕方がないと言われてましたが…
無事に再就職できて良かった、良かった♡




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POSTED COMMENT

  1. ZRX より:

    かっ、管理人さま♡
    あ~ざぁ~す!(^^)!

  2. より:

    本人言う通り、長い足がチョット邪魔してますが、

    バージェス解雇の目的はこれだったんですね。 ここまで変えようと。
    ただの気分一新とか、WSBへの布石か、なんて思っていたら、とんでもなかった。

    でも、こんな事、出来るんでしょうか? 人間としてもライダーの技術としても。

    過去の成功体験が災いし、時代の変化についていけない、成功病などと言われる。
    個人でも組織でも。

    ロッシの場合、成功体験どころか、タイトル取りまくりな訳で、文字通り、№1を歩んで来た。歴史を作ってきた。ホンダでもヤマハでも。

    そんな男が、自分のスタイルを変えてまで、勝負に出てきた。過去、500、990、800、1000と、変化してきたんだろうけれど、今回、なんか、アジャストと言うレベルではない様な。頭の位置が変わるという事は、全てが変わってしまう気がするんだけれど。

    35才、キャリア晩年にして、変えられるなんて、恐ろしいファイティングスピリッツ。恐ロッシ。すいません
    衰えるどころか、賭けてますね。この3年間、と言うより、ドカで2年を経た後の、この1年、考えたんでしょうね。何か、信じられないものを見ているような。果たしてこの賭けは、レースで成功するのでしょうか? 大丈夫なんでしょうか? バトルも行けるんでしょうか? でも、タイムは出てますね。それとも、ただのテストなんでしょうか?

    今年はマルケスの独走なんじゃなかろうか、以外につまらない展開になるんじゃなかろうかとも思っていましたが、ロッシが熱い。キャリアの形成期じゃないんだから、ありえない。ホントに、ビックリ。レース関係者とかか解説者とか、口あんぐり、じゃないかな。ホントに、ビックリ。何回言ってんだ自分。

    可能なのか、3強に割って入れるのか、楽しみだ。

  3. ミハエルロッシ より:

    17才頃からの熱狂的なロッシファンとシューマッハが止めるまでのF-1ファンでした。
    昨年はヤマハにカンバックした事でも十分興奮をしましたが、やはり1年を通じての戦績が、
    本人も全く納得していなかった事を、バージェス叔父さんを解雇した時に痛いほどわかりました。
    だけど、2014年はどうなんだろうという不安が消えず、悲しいけど今年でとうとう終わるのかなーと、口にはしないけど寂しさいっぱいのストーブリーグでした。

    しかし、どうでしょう!
    我らがロッシは、我々が考えていた唯のスーパースターではありませんでした。
    再びポディウムのセンターに確実に立とうと、今までのライディングスタイルの全ての考え方を改革し、果敢に自分自身に100%でチャレンジしているではありませんか。

    周りもビックリでしょうね!
    今年は本気でMOTO-GPを楽しめそうです。
    本当に嬉しい情報をありがとうございます。
    これからもよろしくお願いいたします。

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