MotoGP

『ロッシが電制システムの秘訣』マッテオ・フラミーニ:2016フィリップアイランドテスト

『フラミーニ:電制システム?秘訣はロッシ』

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★ヴァレンティーノ・ロッシのテレメータを担当するマッテオ・フラミーニ氏がフィリップアイランドテストで、統一ソフトウェア導入による新しい電制システムについてコメントした。

【それほど大きな変化となった?】
「ええ、各メーカーが独自の電制システムを使用し、今とは反対にあらゆる事に対応できていた時代からするとね。新しいシステムは以前のものほど『細かく』ないんですよ。でも、時間が経ち、知識をしっかりと得れば、状況は進んでいくものと思ってます。」

【何年分も後退した感じ?】
「確実にそんな感じですね…今まで使ってきた電制システムって言うのは、何年にも渡る開発の結晶だし…現在のは新品ですから。」

【現在はどのぐらいのレベル?】
「レースに向けた状況で、もっときちんと検証する必要がありますね。新しい電制システムは、レースの序盤ラップではグリップレベルでコントロールできるでしょう。その後は…周回が進むにつれ、色々と変わってくるでしょうけどね。」

【ストラテジーはもはや自動的にタイヤの消耗度に適合しなくなってくる…】
「実際のところ、マッピングを変えなければならなくなるだろうし、ライダーの指示によって、いかにマッピングを行っていくかを理解していかなければならなくなるでしょう。まさにライダーが僕らの作業を進めていくこととなるわけで…システムはカスタマイズ可能なんです。レースの中盤以降、そう言った方面でどのライダーが優秀かが見えてくるでしょう。」

【ロッシ選手のような経験豊富なライダーと組んでるのは助けになる?】
「ヴァレンティーノ(ロッシ)には物凄い才能があって…良い時も悪い時も、あらゆる状況に合わせていけるんですよ。去年はかなり進歩している電制システムをフル活用できていたし、今は、この新しいソフトウェアも上手くコントロールしてますね。」

【どう言う面でロッシ選手は貢献してる?】
「今回のテストでは、ヴァレンティーノのおかげでかなり成長できたんです…改善に向け、適切な指示を出してくれるんでね。だからこそ、今回のようなスピードが出ても大した驚かないんですけどね。ヴァレンティーノは僕らの作業を単純にしてくれるんですよ…どの側面に集中すれば良いのかが理解できていて…今現在、時間を有効に使い、エネルギーを無駄にしないためにも本当に重要なことなんですよ。」

【つまり、新しい電制システムだとライダーは以前よりもマシンを自分の掌中に納めてると言うこと?】
「そうですね。今も言った通り、全ての状況でまかないきれると言うわけじゃないんで、ライダーが自力でやらなければならなくなりますね。レースの最中、(ライダーは)各コンディションに合わせていくため、走行ラインやライディングスタイルを変えられないとならなくなると思います。」

【以前のようなレベルにまでは到達しない?】
「時間の問題だけでしょう。各メーカーが定期的に提案をしてくるだろうし、シーズン中盤には進化版が出て、終盤には更に出ますし。」

【貴方の仕事も多少は変わった?】
「変わってないでしょうね…データ獲得システムは以前と同じように複雑だし。僕はまた学習しなければならなかったし…システムが違うわけですから…でも、それほど大きな違いではないんだが。ちょっと別のメーカーのテレビのプラグラムの仕方を学習するたみたいな感じですかね(笑)」

【新たな電制システムによる変化は正しい方向に向ってると思う?】
「確実に色々と平均化させたでしょ…少なくとも、この初期段階においてはね。今後はこの電制システムを誰が一番上手く活用できるようになるか…でね。プロの視点としては興味深いですよ…技術陣の間に、ちょっと健全な競争が出てくるわけで…全員、同じベースからスタートするんですからね。」

(2016年02月19日『Gpone』記事参照)


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POSTED COMMENT

  1. motobeatle より:

    テクノロジーの後退では確かにあるけど、詳細を見て最近悪くないと思うようになりました。
    全員が同じ条件となるし、燃費やトラコンもレース前の設定から自動補正ができないのもレースの妙になる筈。
    アップデートも順次行われるようですしね。

  2. 111 より:

    統一ソフトウェアの電子制御、わかりにくいですね。誰かわかりやすく解説してくれないかな。仕様は一般にオープンにされていないのかな。読む気もないけど。

    私の理解していると思っている範囲では、システム構成は、

    各種センサー → 統一ソフトウェア → 点火系制御と燃料系制御
               ↑
              各種データ(パラメータ)

    何かに書いてあったけど、基本的にエンジンの力(トルク)を下げることしかできないのか。点火系の制御かな。ただそれだけで、トラコン、ランチコントールとかその他いろんな機能を実現しているか。

    一番関心のあるトラクションコントールは、
    両輪の回転数のセンサー、3Dの傾きや加速度センサー、エンジンの回転数センサーなどを使って、車輪のスピンを検出して、点火カットとかして、エンジンの力を下げていき、スピンを無くすことでタイヤをグリップさせるのかな。バンク角を検出することで、タイヤエッジ部分などでのデリケートな力の加減をする?

    ウィリーコントールは、
    フロントサスとリアサスの伸び縮みのセンサーから識別して、エンジンの力を落とすのかな。テストの映像で、スズキのマシンのウィリーが目立ったけど、この辺りが不十分なのかな。

    実際は、もっと詳細で高度な制御をしていると思うけど、よくわからないですね。
    タイヤの消耗度なんて、時系列でタイヤのグリップ力を検出して判断するんだろうけど、スピンからわかるのかな? マッピングを変えるって、燃料調節のことかな?

    学習機能もあったとどっかで読んだけど、統一ソフトウェアにはないんだろうな。
    ライダーが走るだけでセッテイングができていた部分がなくなったのかな?

    フラミーニさんが何を言ってるのかわかりません。^^;
    取材記者はわかってるの??

    • YZR-M1 より:

      今時、点火カットなどという古い制御だけでやることはないでしょ。統一の電制システムがどこまで許容してるのかは不明ですが、昨年までののヤマハ、ホンダはトラコンやウイリーコントロールが効いていても全くもってエンジンがバラつく音を発しなかったので、バイワイヤ制御のスロットルコントロールがメインでしょうね。要するにスロットルを開けているのに実際には開いてないってやつね。市販車は直結のものとモーター制御のスロットルが2つついてるものもありますし、昨年までのSBKのZX10Rなんかは4気筒を2つに分けて(中2つと外2つ)制御していると言われていました。
      もちろん、点火も燃料も同時に適切にコントロールはしてたでしょうがね。
      点火カットだとエンジンに負荷かがかかるし、燃費も悪化します。

      ただ、ドゥカティだけはコーナー立ち上がりでのトラコンの効いてる時の音を聞いてると、バラバラとバラついたエンジン音が聞こえていたので、やはりホンダ、ヤマハには一歩も二歩も劣っていたのでしょう・・・あと重要なのはエンジンブレーキコントロールの部分、これもまた明らかにドゥカティのそれとヤマハ、ホンダは違っていたので、ベースがドゥカティのECUだと言われている電制は退化してると言われても仕方がないものなんでしょう

      • 111 より:

        点火カットだけでは古いんですね。フライバイワイヤ(スロットルコントロール)でやってるんだ。燃費もそうだし、その方がシンプルでいい感じですね。

        カワサキの2気筒にわけて制御するというのは、2気筒同爆に力の差をつけて、グリップの向上を狙っているのかな。クロスプレーンに対抗?

        ドカとエンジンブレーキコントロール部分が違うんだ。この部分の統一ソフトウェア仕様で、苦労されているのかな。現時点では、ドカが去年より少し有利になった状況でしょうか。

        予想通りというか、やっぱり電制でドカは遅れているんですね。なんとなくドカは昔ながらのエンジン屋的な印象を受けます。電制に力を入れていないのでしょうね。今は一般自動車でも電子制御は当たり前で、最近はデータから学習するAIの技術が使われて来ていますね。時流に取り残されているかもですね。

        勉強になりました。^^

      • 111 より:

        あー、等間隔爆発のスクリーマでも、各気筒の燃料調節を独立させることで、ビッグバン的にすることができるのかもしれませんね。粒度が少し荒いかもしれませんが。

        ドン・ドン・トン・トン / トン・ドン・ドン・トン / トン・トン…

        みたいな感じかな。1回転で同じパターンにする必要もないし。いろんなパターンを作ることもできるし。で、直線は、ドン・ドン・ドン・ドン / … に切り替えるのかな。

        ホンダは既にやっているのかな?
        アグレッシブなエンジンという悪評?は、パターンの切り替えが上手くいっていないだけの話かもしれませんね。スクリーマのせいだと言われてるみたいだけど。

        ひょっとしたら、音響解析でもしたらわかるかもしれませんね。
        耳では、速すぎてわからないです。

        ちょっとそんなことを思ってみました。

  3. りゅ より:

    フェイルセーフシステムにも万能性がない分『ライダーは以前よりもマシンを自分の掌中に納めてる』ということなんですかね・・・逆また真なりというか

  4. motobeatle より:

    昨年までの各メーカー独自のソフトは機密事項のようなもので外部が知るのはむずかしいと思いますが、今年からの共通ソフトはこのページでかなり仕組みが紹介されています。
    私もこれを見て悪くないと感じた次第です。
    http://moonfish.cocolog-nifty.com/srdandy/2016/02/motogp-1298.html

  5. kai より:

    なんだかライダーはECUを操作して、ECUごマシンを走らせる感じがします。
    2ストのようにライダーの技量でマシンを走らせる事はもうないんでしょうねぇ。

    • 111 より:

      もう人間の反射能力のスピードで、あやつれるパワーではないのでしょうね。
      たぶん直線でも、速く簡単に走れないと思います。
      ウィリーするか、リアが滑りまくる。

      • kai より:

        鈴鹿のスプーンカーブの立ち上がりで、キレイなブラックマークを残して走る500ccマシンに魅了されたものです。

  6. しまうま より:

    以前にペドロサがマルケスの接触で電制が壊れて、ストレートでアクセル開けた途端に転倒したシーンありましたね。GPライダーでもまっすぐに走らせることすら難しいパワーなんだって思いました。

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