『タラマッソ:ヘレスでリアタイヤにスピニングが起きた3つの理由』
★ヘレスGP開催中に行われたセーフティコミッションの会合で選手らより、来年のヘレスGPに向けコース路面を再舗装するよう要望が出された。現在、路面表面の損耗が激しく、グリップは最低限でタイヤも滑りやすくなっている。
★4月24日(日)、モトGP決勝戦の直後、ホルヘ・ロレンソが「レース後半、タイヤが直線コースでスピンし始めて、80%ぐらいしかアクセルを開けなかった」と訴えたため、現在、ミシュランの技術スタッフらがデータを検証している。
★ピエロ・タラマッソ氏(ミシュラン・モトGP部門責任者)が次のように説明した。
「ヘレスで起きたリアタイヤのスピニング(スリップ)の原因は、3つあります。
まず1つは、ヘレスのコース路面は再舗装の必要があり、現在、滑りやすくなっているためコースグリップにかなりの制限があることです。日曜日の決勝戦では気温が10度ほど上がったこともあり、タイヤの消耗が増大してしまいました。
2つ目は、(新たに導入された)ワンメイク電制システムでもって昨年同様のグリップを見出そうと、各チームが電制システムへの作業を進めていると言うことです。また、フロント部にウィングを取り付けているマシンは、今回のヘレスGPではスリップ問題が多かったようです。フロントサスペンションが4mm下がり、一方、リアの方は1mmで、これによりリアの荷重が減り、マシンのバランスが取れなくなっているのです。
3つ目の原因はタイヤです。当社の責任を回避するつもりはありません。バルセロナサーキットもまたグリップの低いコースなので、当製品をいかに進歩させていくか、現在、データを収集して検証しております。一つ、これだけは言っておきたいのですが、リアタイヤに関してはオースティンGPで使用したものと同一であり、その際はなんら問題は生じておりません。」
【つまり、その3つの原因が組み合わさった結果、今回の問題が発生したと?】
「まさにそう言うことになるでしょう。レース翌日の月曜日、同じコースで同じタイプのタイヤテストを行ったところ、同様の問題は起きませんでしたから。
【問題が起きなかったおもな理由は?】
「気温が終始同じで、各チームがより適切なセッティングに向け作業したため、単純にコースにラバーが乗ったんです。
スリップ問題が起きてると感じるのはロングランの終盤のみで、しかも、日曜の決勝戦の後ほど不満を訴える選手はいませんでした。例えば、マルケス選手は90周回をこなしながらも、なんら支障はありませんでしたよ。」
【ロレンソ選手のほかドゥカティ陣も苦戦していたが…】
「ホルヘ(ロレンソ)はタイヤをオーバーヒートさせ、適正温度を超えた状態でコントロールが効かなくなってしまったのです。
ドゥカティに関しては、ファクトリーおよびプラマックチームが…つまり、馬力の多いエンジンを搭載したチームに問題が生じていたと言った方が正確でしょう。アヴィンティアおよびアスパーチームに異常はありませんでしたから。」
【カタール開幕戦の決勝レースは昨年より7秒速かったが、今回は31秒遅くなっていたが…】
「ヴァレンティーノ(ロッシ)がタイヤの問題を大きくしないよう、消耗具合を上手くコントロールしていましたね。かなり特殊なコンディションだったため、完走すべくペースを落としていた。ミシュランでは選手らの要望に応えるべく、懸命に作業を進めていますよ。」
(2016年04月28日『Motorsport.com』記事参照)
さて、この『リアタイヤのスリップ問題』…
ロッシ選手とロレンソ選手で、微妙に問題の出方が違ってたんですよ。
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【2016ヘレスGPまとめ その1 ヤマハ】[2016年04月28日 Vol. 88]
●ロッシ大勝利:独走逃げ切りはメカニックの助言
●ロレンソ反省『他の選手にもタイヤ問題が起きてたとは知らなかった』
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タイヤの安全性とパフォーマンスの両立も急務ですが・・・
「与えられた同一条件のタイヤをどうつかいこなすか」によって勝敗が分かれるというのも、レースを見ている側としては、終盤まで気の抜けない面白いレースになりそうですね!
そういえばモトGPのドキュメンタリー映画 「FASTER(2003年)」の中で、スズキがカウルにつけるウイングをテストしているシーンがあったような・・・
たしか、当時はジョン・ホプキンスが乗ってて、思ったような効果がなかなか出ないような事を言ってたように記憶してるのですが。
記憶違いだったらごめんなさい ^^;
それから10数年たった今になってウイングがトレンドになるなんて思いもしなかったなぁ・・・
でも、デザイン的にはウイングはまだまだ一考の余地ありですね(笑)
自分も知り合いに教えてもらったんですが
バリー・シーンが乗ってたスズキ(70年代)のサイドカウルにウイングが・・・
40年越しのブームですかね?(笑)
もし今後ウイングがカウルと一体化したらどんな感じになるのかな?(汗)
BREILさん
なんとそんな昔からあったんですね!
ここ1~2年の流れを見てると、一時のトレンドと言うよりは、すでに車体セッティング為の必須装備になりつつあるようですね。
今後は機能面だけではなくデザイン面での進化がたのしみですねぇ^^
ライブ中継で感じたことはターン4のバックショットスロー映像でドリフトアングルが最小だったのはロッシでした。
ストレートにおけるウイングの弊害は成る程ですね。
これこそGPは走る実験室といえる。
リア荷重掛ける必要性でリアシート用の小さいウイングとか出てきそう(笑)
ロレンソは最初自分だけのトラブルだと感じたのはヴァレの後ろしか走ってなくて、そのヴァレが絶妙なコントロールをしていたから判らなかったんでしょうね。
今回の同じ条件下で起こったトラブルと、その結果は凄く面白いケース。
ヴァレのコメント内容や対応をロレンソがしっかり受けて止めて、盗めたら雨や劣悪なコンディションでも強くなれるんだろうね。
フロントのウィングの影響のことを考えると、ダニが最もデメリットを感じやすいかもしれませんね、それにそこそこ体重のある選手も自分の体重移動でカバーできる範囲が大きいから効果を感じにくいかも??
前にも話題になった逆転エンジン特性+ウィングレット効果ですかね?となると
超高速を記録するムジェロ辺りなんか実際どうなっちゃうんでしょうか?それまでに
新スペックの対高速タイヤとかも登場するのかそしてザクセンやフィリップみたいな
片側負担の大きいコースへの対策も気になるところです。
ライディングについてはやはり3メイカーワークス機や2st機そして鈴鹿8時間など
様々な経験のあるロッシはタイヤマネージングにも一日の長があったのですかね。
ヘレスは三者三様のリスク回避策への切り替えでコントロール合戦にはなったけど
次はミシュラン地元のブガッティ・サーキット。ヤマハ優位と言われてるけど連勝と
なるのか?他がくるのか?今年はホント先の読みにくい混沌としたシーズンで
例年のようなハシャイデ騒ぎなら観ると言うよりもずっと固唾を呑んで見守りながら
motoGP元年800cc元年BSワンメイク元年などの記憶が蘇るそんな感じで観てます。
昔からレーシングマシンをセットアップする際には2つの要素を同時に変更するな!って言われるモノなんです。
変更後に起こった出来事(タイムが上がった場合でも、トラブルが起こった場合でも)がどちらに起因したのか判らなくなるからで、
今年はタイヤとECUが同時にビッグチェンジしてしまい、トラブルが起きた時に原因がどこにあるのか曖昧になってしまってるんでしょうね。
ていうか、トラブっても責任の所在がどこにあるのか追及しにくくなるように同時に導入したのかなぁ・・・
早く良い状態に仕上がってくれて安全に走れるようになって欲しいもんですね。
motogpの中継って各ピット内でも観れるんですよね?
よくスーパースローでコーナーリング時のタイヤ表面やスライドコントロール、前後サスペンションの動きとか映りますが
あれって凄い情報ですよねぇ
レース中もコース内オーロラビジョンでライダーも見るんだろうし。
メーカー的には「おいおい!機密がバレちまうだろーが!」って言ってそう。
ウィング付きのバイクが注目を集めるなんて・・・
今こそ川崎重工業の出番では??
戦闘機のノウハウをfフィードバック!!
なんちゃって
SBKでも実績残したし、そろそろ復帰してほしいなぁ
ひと昔前に戻ったという感じですかねえ
楽しめる新たな要素として
タイヤの性能を維持するためのセットアップや
滑し出してからライディングの巧みさ
てのが加わった感じで なんか楽しみ
日本の参入メーカーが減るのは寂しいですが
BS登場以来 あまりに性能良すぎて
ライディング技術より勢いだけで勝てちゃう
そんな要素が増えた気がしてたので
これはこれで けっこうオモシロい
もちろん性能アップにこだわる
タイヤメーカーさんの技術者には敬意をもってますが
バーストさえ無くなれば
しばらく このまんまで見ていたい…
そんなフクザツな気分^^
ひと昔、いやふた昔前の90年代GP500予選ではAランクミシュランタイヤ争奪戦
ルールってもろ弱肉強食時代もありましたな(笑)
確かに当時は本戦さながら全く気を抜けないシビアな予選をも勝ち抜かないと
勝てるタイヤすらも手に出来ない今じゃ差別だ公平性を欠いてると非難の的に
されそうな今では考えられないでも非常に面白い力こそ正義みたいなGPでした。
今時の電制システムも無くもっと以前はPPを取っても押し掛けスタートからの
最下位転落なんて掛かりの悪いYZRに泣いてたケニーがそれでも勝つ興奮はやっぱ
スゲー!みたいなw マシンもソフト、ルールもソフト、ライダーもソフトな時代
ソフトな筈のタイヤが多少ハードになっても良い気がしますね!勿論安全第一が
大前提の上でですがね。
BSの提供したグリップと耐久性の高次元性能タイヤと各社が追求してきたビッグバン主流の高いトラクション性能のマシン群。この均衡が崩れた今シーズン、レースディスタンスでのタイヤマネジメント能力がライダーに求められそうです。
フロントタイヤによる進入時旋回からパワースライドを利用したオーバーステアでの脱出時旋回はタイヤライフと相談しながらの加減が必要か?
劣化するタイヤの状態を掌握して入力を加減できる能力に長けているのは果たしてだれでしょうか?
GW暇なので、ちょっと考えてみました。
以下、素人考えです。鵜呑みにしないように。間違いがあれば教えて頂けるとうれしいです。
気分の悪い方はスルーしてください。
ヘレスでの各ライダーのタイヤに関する発言を拾ってみました。
ロッシ
第10ラップから最後までは減速して…直線コースでタイヤがスリップし出したんで怖くってね。
ロレンソ
レース後半、タイヤが直線コースでスピンし始めて、80%ぐらいしかアクセルを開けませんでした。まるでウェットで走ってるようでしたしよ。
ビニャ
ずっとリアのグリップ不足で苦戦してしまったけど。
ダニ
ウェットコンディションのような走りをしていた。4速~6速の時にマシンが滑ってたんで。。
ノーネ
リアのトラクション不足により、コーナー立ち上がりの加速に問題
あと、FPでビニャとバズ??がコーナ立ち上がりでタイヤから煙を吐いていたのを見ました。他のライダーにもあったのかもしれませんね。どれも各各の状況下でトラクションコントールが効かないということですね。
たぶんトルクを落としてもタイヤが再グリップしにくいのが原因じゃないかな思います。雨の日を走っているようだとロレンソやダニが言っています。雨の日も再グリップしにくいでしょう。
カーカスの硬さが増してリアタイヤ自体の弾性が落ちて(衝撃を受け止めにくくなって)、摩擦力が低下、再グリップしにくくなったと考えられます。鉄の車輪で走る機関車に似てる?
こうなると、スピンを検出→トルクを下げる→タイヤがグリップする という図式が成り立たなくなります。タイヤがスピンする前にトルクを下げる予測型のトラクションコントールでないとダメでしょうね。リアタイヤにスピンさせない。そんなこと今の電制でできるのか知りませんが。(^^;)
タマラッソさんは、路面や馬力やその他理由を述べてますが、それら全てを引っくるめてグリップするタイヤを作らなければいけないでしょう。滑りやすいヘレスなどのサーキットでレースを開催するな、馬力のあるエンジンを使うなとか言ってるようで、この人、本気で言ってるの?と思います。以前の転倒者続出のときもそうだし、ミシュランのコメントは何考えてんの的なものが感じられます。今回のリアタイヤは、トレッド剥離事件→カーカスを硬くするという対処療法ですね。根本的な解決策も模索してほしいです。
ルマンも同じリアタイヤを使うと言ってるようだから、同じことが起こる可能性がありますね。
ロッシとロレンソの場合は、ほぼ直立状態でスピニングが発生していたのでトラクションコントロールの作動範囲外だったんでしょう。リーン角センサーと連動していればですが、多分。
たぶんそうでしょうね。滑り出したらグリップしないから、アクセルを戻して車速を落とすしかなかったのでしょうね。
チーム側でどんな対策をするのでしょうね。車速を落とすくらい作動範囲を広げたりするのかな? ライダーのアクセルの操作感がなくなるけど仕方ないのかな。直線だし。
効かせすぎるとパワースライドしなくなってアンダーステアが出てしまうので対策は無さそうです。
ミシュランの言い訳が凄い。しばらくはカオスなmotogpが楽しめそうです。
むずかしいタイヤコンディションでのホルヘのぶっちぎりが観たく
なってしまうーー!