モトGP『ペドロサがシモンチェッリ攻撃』
「彼に会った時、握手しようと手を差し出したんだけど拒否されました。」
と沈みこむマルコ・シモンチェッリ。ル・マン戦での事故後、ペドロサ選手に携帯メッセージを送ったものの返事は来なかったと言う。
ペドロサ選手はと言えば、常よりさらに暗い面持ちで、気の毒なことに、記者らの質問に無理矢理答えさせられていた。
「他の選手らがレースで走っている時に家に居るって言うのは変な感じがしましたが、マシンに乗れるような状態じゃありませんでしたし。厳しい時を過ごしましたが、今はここに居られて嬉しいです。ここはフィジカル面できついコースなんで、僕には苦しいレースになるでしょう。特に金曜日。まぁ、少しずついつもの勘が戻ってくれることを願ってます。」
…と、ペドロサ選手としてはここで終わりたかったのだが、そうは問屋が卸さない。知りたいこと、はっきりさせたいことがてんこ盛りなのだ。転倒後、スーパーモタードでのトレーニング中にケガをしたのか?ボーリングをしていたと言うのは本当なのか?
ペドロサ選手からの回答は苛ついたものだった。
「スーパーモタードですか?そんな訳ないですよ!ボーリングへ行ってた?そりゃあ、静養中はあちこち行きましたから、そのうちの1つなわけで、病院へだって行ってたし…。ただ、僕が鎖骨の手術後にボーリングをするほど馬鹿だと本当に思ってるんですか?パドックにいる皆さんはシャーロック・ホームズみたいなことをしたいんでしょうけど、意味が分かって言ってるんですか?」
質問が進むにつれ、ペドロサ選手の苛つきは増してゆく。
「一体、何があったかですか?カタルーニャ戦前のトレーニング中、右肩のどこかが動いてるような感じがしたんです。なんでもないって思ってたんですが、その2日後、痛み出すようになって、それで検査を受けて、また手術をすることにしたんです。ここ3ヶ月で3回手術したんですよ。少しぐらい落ち込んでたって普通じゃないですか。」
そして、シモンチェッリ選手への一撃。
「彼がやったことは充分はっきりしてるでしょ。」
それでは、マネージャーであるアルベルト・プーチ氏が「シモンチェッリは逮捕されるべき」と言っていたことについてはどう解釈すれば良いのか。
これについてはペドロサ選手がはっきりさせている。
「エストリルで彼が “逮捕すれば良い”って言ったら、皆、笑ってましたけど(ロレンソ選手に批判された際、シモンチェッリ選手が “じゃ、どうするんだい?僕を逮捕するのかい?”と言っている)、逮捕した方が良いんじゃないんですか(編集部注:『逮捕』と発言していたが、おそらく『出場停止』の意味で使っているのだろう)。」
ペドロサ選手の隣に座っていたシモンチェッリ選手は首を振ってみせた。今、耳にしたことが信じられないと言った様子で、なんとかマイクを握りしめ反撃に出る。
「馬鹿なことを言っていると思います。コメントする必要なないでしょ。」
一見、落着いた様子だが、状況にうんざりしているのは明白。コースの上ではアグレッシブなシモンチェッリ選手だが、基本的には好青年であり、悪く言われれば傷つくタイプなのだ。
「二人の間で問題があるのなら、その二人で話し合うべきなんじゃないですか。それなのにペドロサ選手は僕が握手しようとすれば避けるし、ロレンソ選手が言ったことに対してだってコメントしようとしない。今、僕について言ったことだっておかしいですよ。アッセン戦で僕は転倒しました。そうしたくないって一番思ってるのは僕なんです。ミスを犯したんだってことは分かってます。それから、スペイン紙に書かれていたことも読みましたけど(編集部注:『マルカ』西紙サイトに『ガゼッタ・デッロ・スポルツ』伊紙でのインタビュー記事が引用されていた)、インタビューを良く読み返して、きちんとプロフェッショナルな翻訳をした方が良いんじゃないでしょうかね。こうやってペチャクチャ話すのは辞めて、コースに出たくてたまらないですよ。過ちから学ぶものだって言うじゃないですか。完璧なレースをして見せますよ…。」
対決はこれで終わりか?
いやいや、まだホルヘ・ロレンソ選手が喋ってないではないか。
「個人的な問題を作りたくはないんですが、ただ、メンタル面で変わってくれることを願います。彼はいつも限界ギリギリで、いつ事故を起こしても不思議はないんですから。」
やれやれ、明日からは走行テストが始まってくれる。
(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事 Moto.it 2011年06月30日)
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もう、決勝、恐くて見れない…
また何かあったらどうしよう〜