
『グイドッティ:ドヴィツィオーゾは開発の助けになりそう?』
★3月2日(日)、タイGPのモトGP決勝で、ヤマハ選手のリザルトは以下のとおり。
11位ジャック・ミラー(ヤマハプラマック、総合11位)
14位ミゲル・オリヴェイラ(ヤマハプラマック、総合16位)
15位ファビオ・クアルタラロー(ヤマハファクトリー、総合13位)
17位アレックス・リンス(ヤマハファクトリー、総合19位)
★タイGP終了後、プラマックのジャコモ・グイドッティ(ミラー選手のチーフメカニック、2024年はホンダでマリーニ担当)が次のように話した。
[ 中編はこちら ]
【冬季テストと開幕戦を終え、ヤマハ機についてはどう思っている?】
「まだ掌握しきってはいないんですよ。例えば、ステアリング・ブッシングやチェーンの張力、サスペンションの各種リンク等…セッティングのレベルで徹底的に調べ尽くしたわけじゃないんでね。テストに関しては、タイGP用の作業をしてたんだし。
バランスの良く取れてるマシンって感じがしますよ…独特な特性ですけどね。フロントエンドの信頼感はかなりのものでね…今は、リアとコーナー進入時のグリップの改善作業をしてるとこです。
選手らの画像を見れば一目瞭然で…ブレーキングの際、リアが常に浮いてるんですよ。片輪だけでブレーキをかけるなんて、当然、最適な状態とは言えませんからね。
目標は、減速時の安定性を高めること、それから、エンジンブレーキに手を入れること…ブレーキングの第2段階をもっと制御できるようにね。」
【(ブレーキングでリアが浮くのは)短所なの?】
「長所短所と言うよりは、『マシンの特性』と言った方が良いでしょうね…ある意味、メリットになるんだから。例えば、選手が操縦のストラテジーとして利用する場合とかにはね。
ただ、物凄いブレーキをかけた結果でとか、リアを接地させたい時なんかは短所になるでしょ。まぁ、今後、選手らが高く評価してくるような『特性』なるかもしれませんけどね。
とにかく、まだ理解しきれてないんですよ…今も言ったように、フロントエンドは間違いなく長所なんです。エアロダイナミクスに依るものなのか、並列4気筒エンジンや各コンポーネントの剛性に依るものなのか…理由は分からないんですが、とにかく、ブレーキングで強いマシンなんですよ。」
【では、ヤマハ機の短所は?】
「出力や電気制御、メカニカルグリップ、コーナー中盤での初期加速に関しては、まだ仕上がってませんね。
コーナー中盤での初期加速なんかは優先事項で…今、重点的に取り組んでるところです。」
【冬季テストから開幕戦までに進化した箇所はある?】
「チームワーク、それから、マシンや選手についての情報ですね。
こうしたエンジン向けの電制セッティングについて作業してました…テスト中に使っていたエンジンより、特性が少し改善されたもんですから。
現在は車台周りの作業をかなりやってます…目的は、常にグリップ向上ですけどね。
ヤマハ内ではコンセッション(優遇措置)を活用しつつ、常にテストが続けられてます…全体的に、進化中のものが大量にあるんで、改善されているかどうかを確認しないと。
ヨーロッパ以外のレースと言うのは、ものを試すには向いてないんで…多分、ヘレスで1つステップアプできるでしょう。
電気関連も進化中だが、エアロダイナミクスのように認証はないですから…ソフトウェアは預けなければならないけどね。」
【アンドレア・ドヴィツィオーゾのような元モトGP選手と言うのは、どのぐらい開発に役立つものなの?】
「ドヴィはドゥカティ時代、エアロダイナミクスの初投入から全てのコンセプトの開発を手がけてきたんですからねぇ…巨大なデーターベースを持ってるんだから、大きな助けになりますよ。
パフォーマンス自体は高くないかもしれないが、こちらが必要としている経験は豊富に持ってるでしょ。現在はパッケージ全体がきちんと機能してるかどうかを確認しなければならないんで、どんどん段階を踏んでいかなければならないんですよ。
(ドヴィは)とにかく感覚が繊細だし、プロですからねぇ…現在のプロジェクトには適任でしょ。」
[ 完結編に続く ]
INTERVISTA – Giacomo Guidotti, capotecnico di Miller in Pramac Yamaha, ci ha raccontato del primo GP 2025, della M1, di Dovizioso, di Pirelli in MotoGP e tanto altro. #motogp #yamaha #pramacracing #corsedimoto https://t.co/JQk1lnt7e5
— corsedimoto (@corsedimoto) March 8, 2025
(参照サイト:『Corse di moto』)
(Photo:Instagram)
(2025/3/10 19:14:38時点 Amazon調べ-詳細)
お~いクラッチローの状態がどれ程深刻か情報が入って来ませんねぇ。頼れるドヴィちゃんが現役最後をヤマハで過ごしてくれて感謝ですよ(ヤマハはドヴィちゃんの言う事に耳を貸さずにファビオ様状態だったのにですねぇ)。
ヤマハの問題点も「進入での安定とコーナーリング時のエアロ効果に立ち上がりのグリップでタイヤの機能をもっと使える様に」と内容に差違はあれど各メーカー言っている事は凄く似通っています。
如何に高水準のレベルでの攻防なのかと推察します。
昔の一定選手には、スペシャルタイヤでアドバンテージの時代は遥か彼方。現在はタイヤも何かと共通でECUなんてその先にもう1つ制御する装置で差を作っている時代なので、電制類の合わせ込みのレベルの緻密さが凄い時代に突入している。
こんなの市販車には高価過ぎて安価なECUしか提供出来ないでしょうね。
日本の両メーカーともリアタイヤのグリップで苦労してるけど、YAMAHAはタイヤ特性の解析をイタリアの拠点で始めてるんでしたっけ。
YAMAHAとHONDA、どちらがリアタイヤを使いこなすマシンに仕上げてくるか興味深い。