MotoGP

M.ドゥーハン:サーキットは教会じゃない

モトGP『サーキットは教会じゃない』




イギリス戦ではストーナー選手が大勝利を収め、ボックスの方では、同郷で伝説のチャンピオンであるミック・ドゥーハンが(世界選手権500ccクラスで5回総合優勝)、その向上ぶりを注意深く見つめていた。
男46才、そのミックがコースに降り立った時のライダー達の情熱に、擁護の言葉を向けている。
「レースって言うのは、いつだってレースで、個性と個性のぶつかり合いなんだよ。」

シルバーストーンの前にマン島のTTレースに行かれてましたが、むこうはどんな感じですか?
「良かったですよ。命を賭け、タイムの壁に立ち向かって走る若者達にとってはクラクラするような場所だよね。サーキットの中で、全体で競り合うのとは違いますよね。でも、あの島で走るために身も心も全て捧げてる感じって言うのは、今も昔も僕なんかには想像できないようなクラクラする感じなんだろうね。」

私もあのレースは凄いと思ってるんですが、でも中には禁止した方が良いって言ってる人達もいますよね。
「そうだね、禁止した方が良いですよ。僕が現役だった頃…世界選手権で走ってた頃はね、ああ言う状態に非常に良く似たサーキットがいくつかあったんですよ。つまり、街中が即サーキットってやつね。でも、世界選手権は進化してゆき、他の大会も同様、僕らのスポーツも進化した。マン島のTTレースだけを抜かして、すべて変わったんですよ。
ああ言うタイプのレースでケガ人が出るのを、観客が目にするのは良くないよね。実際のところ観客にはモトGPレースとTTレースの違いは良く分からないわけだから。TTレースやモトGPレースを観に行った時、よくされる質問の一つって言うのが “TTレースでは走らないんですか?今まで走ったことはありますか?”ってやつなんですよ。オートバイレースって言うのは気違いどものやることで、非常に危険なものなんだって思ってる人もいてね。これは気に入らないですね。」

今シーズンのモトGPレースは楽しんでられますか?
「現段階のところでは、なかなか興味深いですね。今のところホンダの独占レースなのは確かだけど、でも、ヤマハやドゥカティにもそう言うシーズンはあったしね。F1だってそうでしょ。誰だって、いつかは主役になる日がやって来る。良いことなんじゃないですか。」

1000ccの再来に電子制御システムの軽減で、増々面白くなると思われますか?
「そうだと良いですね。」

選手間で色々と問題が起きていて、まぁ、以前からあることはありましたが、エストリルやヘレスみたいに報道陣の前で起きたのは初めてのことですね。どう思われますか?
「(笑)カメラの前でやるよりはプライベートでやった方が良いと思いますけどね。ライダーって言うのはね、非常に激しいタイプの人種なんですよ。だからこそ、ああ言うことをやるわけで。時々、カッとなるタイミングを間違うんですよ。ただ、レースはいつだってレースですから。個性と個性をぶつけ合ってね。サーキットは教会じゃないんだし。」

ル・マン戦でのペドロサ・シモンチェッリ両選手の接触事故がかなり話題になってますが、ドゥーハンさんとしてはどちらの選手を擁護しますか?シュワンツ氏はシモンチェッリ派で、ガードナー・レイニー両氏がペドロサ派なんですが。
「その場に居たわけじゃないし、テレビ越しだと正確な角度はいつだって見にくいものだし。私としては、左から右へと曲がって行くコーナーでのことだったとしか分かりませんよね。強く突っ込んで行くって言うのは珍しいことじゃないし、良いんじゃないですか。ただ、後の選手のスペースを取ってやらないのは駄目ですよね。ああ言う状況で充分なスペースを残してやって、少し減速して、待ってみて、そして次のコーナーでペドロサに抜き返されないようにするってのは難しいことじゃないんですよ。頭を使って、もっと利口にならなければね。アグレッシブなだけじゃ駄目なんです。誰の言い分が正しいかは…私はその場に居なかったんでね。」

ケガをしても走りたいと思い、そして5回の総合優勝を果たすと言うことは体感されてますよね。そのうえ、ペドロサ選手にとっては最も憧れるライダーであるわけです。今、この瞬間、ペドロサ選手に何と言ってあげたいですか?また、何を考えていると思われますか?
「転倒する度にケガをしていると言うのを、苦にしているのは確かでしょうね。これには消耗させられますよ。そのうえ、今年は強い走りを見せていて、マシンも絶好調だったのに、それが途切れてしまったわけだ。でもね、やらなければならないのは戦い続けることですよ。非常に速くて、レースに勝てる力もあり、シーズン終盤でチャンピオンタイトルを狙える状態になるのは時間の問題にすぎないって分かってるんですから。」

ロッシ選手の状態についてはどう思われますか?
「ドゥカティのマシンって言うのは、快適な乗り心地にするには時間がかかるみたいだねぇ。最高のものにするために、日々、作業を続けているのは確かでしょ。ただ、彼は限界がどこか、マシンがひっくり返り、ケガをしてしまう寸前の…どこまで無理ができるのかを誰よりも熟知してますから。通常は転倒してしまうようなマシンにはしないものでしょ。だから、まだ安全だって思えるうちは無理をするだろうし、その結果、できるだけ多くのレースを走れるか、もしくは全シーズン完走もできるかもしれない。ただ、長い間ここでキャリアを積んできて、マシンに乗り続けてることがベストなんだって分かってるわけだし、もし勝てるならば良し、勝てないならば毎回できるだけ最良のリザルトを獲得することでしょ。」

ストーナー選手のリザルトに関しては喜んでいらっしゃるようですね。
「ケーシーに関して、ホンダのマシンに乗るってのはどう言うことか前にも言いましたよね。長いドゥカティ時代の後なら、ホッと一息ってところでしょ。今は操縦ももっと楽にできるようになってますよ。」

(日本語翻訳:La Chirico / 西語記事:Diario AS 2011年06月14日




このインタビューの数日後に
ペドロサが再手術したわけですから
ドゥーハン氏も考えを変えちゃってるのかなぁ…

考えを変えないでね…クリックPrego
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