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2012ル・マンGPこぼれ話【後編】:ロッシのマスコミ危機、勝てるタイヤ3種、アントネッリ「音楽聞いてたら転倒!?」…etc

モトGP『『2012年ル・マンGPこぼれ話』』




[ 前編はこちら ]


バウティスタに新nフロントフォーク
前回までの3戦、バウティスタが苦労していたのだが、特にフロントの手応えがいまいちだった。で、グレジーニ・チームにフロントフォークを供給しているショーワがル・マン戦で、それの鍵となるような改良を加えたのだ。その結果、バウティスタ選手も大いに恩恵を受け、コーナー進入の際ではなかなかの切れを見せている…少なくともドライでは。

ピッロに改良シャーシ
ミケーレ・ピッロが駆るFTRホンダ機がいまなお進化し続けている…参戦中の全CRT機と同様にだ。で、ル・マン戦でピッロ選手は新シャーシを使うことが叶った。

ロッシ危機
ヴァレンティーノ・ロッシの記者会見と言えば長蛇の列ができ、イタリアに限らず各国の報道陣で溢れかえるものだが…。ル・マンでロッシ選手は常とは異なる状況に遭遇することとなった。木曜日の恒例プレスカンファレンスがストーナー選手に集中したのは当然ながら、土曜日の予選をロッシ選手が7位で終えた後は、スポンサーののホスピタリティ・エリアに集った記者もまばらで…とにかく、いつもに比べれば非常に少なかったのだ。しかしながら日曜の午後、すべてはいつもの光景の戻っていたのだが。

勝てるタイヤ3種
予選終了後、ブリヂストンが次のことを強調した(鼻高々で…気持ちは分かる)。つまり、上位3選手が使用したフロントタイヤは各3種…ダニ・ペドロサが『ミディアム・スリック』、ケーシー・ストーナーが『ソフト・スリック』、アンドレア・ドヴィツィオーゾが『ミディアム・スリック・ニュー・スペック(あのコード32)』だったのだ。

ラコーニ&バイル登場
ル・マンのパドックにモトGP&WSBの元ライダーのレジス・ラコーニの姿が見られた。激しい事故により引退を余儀なくされた選手だ。
「今は『EuroSport France』の仕事をしてるんですよ。」と気さくに話してくれた。
「…で、今回はボックスに招かれたんですよ。普通、シーズン中はパリで番組を観てるんですがね。」
また、モトクロスの怪物ながら早々にリタイヤしたジャン=ミシェル・バイル(オートバイ世界選手権250cc・500ccクラスにも参戦)も地元での世界選手にぜがひでもと顔を出していた。
「今は何もやってないんだ。人生を謳歌し、時々、モトクロスを走らせに言ってるよ…楽しみでね。」と。

プライベートチームのためにドゥカティが
5月20日(月)の『Il Corriere dello Sport』紙で興味深い報道がされていた。
《ドゥカティがプライベート・チーム向けエンジンを製造し始めるかもしれない。》
あまりに遅すぎるCRT機の代用としては賢い策だ。ヴィットリアーノ・グアレスキが同紙で次のように話している。
《その件については、ずい分前にフィリッポ・プレツィオージと話してあります。僕は良いアイデアだと思うんですが。製品化できたら、おそらくコストを抑えることができるでしょう。しかも、それがプロトタイプエンジンとくればね…WSBの市販車からのやつじゃない…壊れないようよれよれにされ、結局、それ自体が壊れてしまうようなエンジンじゃなくね。》

カード勝負
もはや恒例のお楽しみになったようである。金曜の夜になると、マッティア・パジーニがグレジーニ・チームのホスピタリティ・エリアと赴き、ニコロー・アントネッリと組んで、パジーニの父ルーカ(彼の元でアントネッリ選手もミニモト参戦していた)やファウスト・グレジーニとカード勝負をしているのだ。

アントネッリ:とんだ転倒!
ニコロー・アントネッリがモト3予選中に転倒したものの、幸い、ケガには至らなかった。ただ、かなり痛かったようで、ニコローみずから土曜の夜、どんな風だったかを話してくれた。
「(転倒後)立ち上がったら、訳が分からなくなってしまって…どこを走ってたかも何をしてたかも分からなくなってしまったんです。音楽でも聞いてるみたいな感じでいたら、マシンが地面に倒れてるのが目に入ってきて。跳び上がって、こうつぶやきました。“音楽を聞いてたから転倒しちゃったんだ!”状況を把握するまで、もう何秒かかかりました。」
アントネッリ選手は10kgのバラストを付けて走っているわけだが、一レース毎に上手くなってきている。

ロッシ&ストーナーの愉快な一幕!
レース後のプレスカンファレンスでは、ヴァレンティーノ・ロッシとケーシー・ストーナーの間に愉快な一幕があった。互いに顔をみ合わせ、笑い出したのだ。今回の競合いの最中、2011年ヘレス戦でロッシ選手がストーナー選手を転倒に巻き込んだことが脳裏をよぎったかどうかと質問された時の話だ。
口火を切ったのはロッシ選手で、
「僕は、もちろん考えましたよ。去年はチャンスを有効活用したくって、基本的なミスをしてしまった。今回は同じ過ちを繰り返さないよう、かなり注意してました。」
そして、ストーナー選手の返答もなかなかで、
「序盤ラップで、後ろにロッシ選手がついたなって分かったんで、かなり接近して来た時、“あぁ、来るぞ”って思いました。ところが来なかったもんですから、向こうも2011年のヘレスのことを思い出してるなって分かりました。」

だから言ったでしょ
ポルトガルでケーシー・ストーナーは、
「僕が引退するなんて噂は理解できませんね。」と言ったのだ。
それが、フランスでは、
「決めました。2013年、もうマシンに乗りません。悩みに悩んだ末の決断です。もう、ずい分前から考えていました。」と。

[ 完 ]

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Moto.it 2012年05月21日



2011年へレス戦の転倒は、ロッシ選手もストーナー選手も、もう笑い話になったんですねぇ…



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