MotoGP

V.ロッシが語る:亡き友の笑顔、事故、後悔、弟ルーカ…

モトGP『ロッシ:笑ってるシッチのことを思い出す』




ヴァレンティーノ・ロッシにとって、胸中に激しく波打つ想いを言葉に表すのは容易なことではない。
マルコ・シモンチェッリが事故で逝ってから2週間弱が過ぎ、ヴァレンシアのパドックは以前とはすっかり変わってしまった。
「大したことない…なんて言ってみたって無駄ですよね。奇妙なレースウィークエンドだけど、マルコを想うには走るのが一番だから。」
爆発しそうな感情を抑えながら、ロッシ選手が言う。
「ここまでの日々、できるだけ彼のご家族と一緒に過ごすようにしてました。僕は友人を失った。この空しさを消すことなんて不可能です。

皆の脳裏には今も葬儀の様子が焼き付いている。人々の抱擁、一度も会わずともマルコを愛した人々の暖かな想い。
「多くの方々が暖かな気持ちを示してくれて、こんな辛い時でも素晴らしい空気が漂っていた。お父さんのパオロさんとも話してたんですが、皆さんの反応がとても感動的なものでした。マルコがどれだけ愛されていたかに気づかされたし、マルコって言うのはトラックの中でも外でも、とにかく人を楽しませてくれる奴でしたね。僕らがやってるこのスポーツを、熱くさせてくれるライダーの1人でした。

ロッシ選手がより恋しく思うのは、プライベートでのシッチの存在だ。
「カートやらモトクロスやら、良く一緒に行ってましたね。いつも笑顔で、笑ってなかった記憶ってないんですよ。マルコって言うのは一緒にいるだけで楽しくなるような奴だったから。」
ほんの一瞬、両の瞳が潤んだ。あのマンガチックな風貌で、スーパーヒーローのような迫力を持った青年に想いを馳せているのだ。
ただ一つ悔やまれるのは、モトGPでマルコと良い競合いができなかったことです。去年は僕の方が強くて、今年は彼の方が強かった。ミザノ戦でほんの触りぐらいの競合いができたけど、彼の方が速かったですね。」

また、エドワーズ選手と共に巻き込まれたあの事故についても良く覚えていると。
「あっという間の出来事でした。僕はコーリンの後ろにいて、僕らの前が塞がれてしまい、どうにも避けようがなかった。マルコのライディングはフィジカルなもので…それは体格のせいでもあったんですが、マシンがスリップした際、彼はそのまましがみついて何とか立て直そうとしていた。残念ながら彼の身体が軸になってしまって、コーナーのアウト側に行く代わりにインの方へ来てしまったんですね。」

明日から再びマシンへと戻ることとなる。逃げ場のない…手の届かない場所にいる亡霊達を振り払い、時には、ほんの一瞬、すべての素晴らしさを覆い隠しさえするような仕事場へと戻るのだ。
「辞めることは一度も考えませんでした。それが今回のことに対する答えになるとは思ってませんので。先日、マシンに乗ってみたんですが、結局のところ僕らライダーと言うのはそうすることで成長してゆくもので、それが僕らを幸せにしてくれるんです。手応えは良かった。多分、モトGP機なら違っていたのかもしれませんが。」
オートバイレースの世界で最初の一歩を歩み始めた弟のルーカ・マリーノ選手については、こんな風に述べている。
「彼のやりたいことを続けてゆくべきだと思ってます。確かに悲惨な出来事は起こりえるわけだけど、それを隠しておくことなんてできないわけだし。」

明日、最終戦に向け全マシンが再び唸りをあげることとなる。たった1台…58番のホンダ機だけがボックス内に留まることとなるのだ。
「僕らは皆、ショックを受けていて、マシンに乗るのはキツいでしょうね。でも、マルコのために乗らなければ。前に進まなければね。」
シモンチェッリ選手を追悼し、ロッシ選手は土曜日から特製ヘルメットを被ると言う。
「まだ秘密です。2日後に分かりますから。」

(日本語翻訳:La Chirico / 伊語記事:Gpone 2011年11月03日



10月30日にロッシが「日曜日が苦しい。どんよりした気分がつきまとってくる…」とツィートしてまして…
本当だったらシッチとジムにでも行ってるはずだったのかなぁ…等と思ってしまいました。

ロッシ頑張れ!頑張れロッシ!!クリックPrego
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