MotoGP

ロッシ見解『バニャイアの強みとは?』

『ロッシ:バニャイアの強みとは?』

★8月17日(土)、オーストリアGPのスプリント終了後、ヴァレンティーノ・ロッシ(45才、最高峰クラス7回タイトル獲得)がイタリア衛星放送『SKY』のインタビューで次のように話した。

【先程のスプリントレースは、もちろん、コース脇で観ていたの?】
「ええ、そっちまで行ってました…好きなんでね。第6〜7コーナー辺りですよ。
予選の時はあっちこっち走り回って…各コーナーから観たいんで。でも、レース本番は定位置から観ます。メガスクリーンの下なんですけどね…陰になってるから。」

【優勝したバニャイア選手は完璧だった?】
「最近は波に乗ってるし、今回は金曜セッションから強い走りをしてましたからね。
マルティンも喰い付いてたけど、今週末のペッコ(バニャイア)はプラスアルファの力が出てるから。
実に落ち着いてるし、良い操縦をしていて…驚異的なスピードでしょ。皆さんのコメント通り、あらゆる点がかなり改善されていて…現時点では弱点なしって感じでね。
1周タイムも良いし、常に好スタートを切っていて…そこは本当に重要だから。マックス・フェルスタッペンみたいな、破格選手の技ですからね。
毎回、好スタートを切るって、けっこう大変で…たまにはミスったりするもんでね。ところが、ペッコは常にOKでしょ。しかも、驚異的なスピードだし。」

【かなり穏やかな性格だが…苦労するほどに伸びていくタイプ?】
「そうですね…ここ最近はプレッシャーの中で全力を尽くし、プラスアルファの力を上手く引き出せてますね。
バニャイアの強みって、その辺にあると思うんですよ…アグレッシブなのに、ダーティーな面が皆無でしょ。クリーンでソフトな走りなんですよ。
あざとさと大胆さが上手くミックスしていて…ブレーキングも旋回も、オーバーステアでドゥカティ機を走らせつつ、ミスがないんですよね。
こうなると、ほぼ無敵状態でしょう…ただ、(ライバル陣も)喰い付いてはいるけど。」

【現時点ではホルヘ・マルティンと同点首位だが、今後、どうなっていくと思う?】
「もうシーズン中盤だって言うのに、まだ同点ってことは…かなりの確率で最終戦までもつれ込むでしょうね。
今後の流れにも依るけど…ここ最近は、ペッコがかなり追い上げてきてたじゃないですか。確か一時は、40ポイントぐらい引き離されてたでしょ。まぁ、とにかく、有利な状態ではあったけど。
そこから追い上げて、今はこう言う状態で…今後は毎週末、目が離せないでしょうね。
とにかく、良い戦いになるでしょう…マルティンは超速ライダーでミスも少なく、1周タイムが凄いから。あと、スタートも上手いしね…モトGPではその辺が重要なんで、このまま最終戦まで良い戦いになるんじゃないんですか。」

【追う立場と追われる立場なら、どちらが良いの?】
「夏休み前のペッコの状況は、ポイント的にはマルティンを抜いて、総合首位に立ってましたよね…
一方、マルティンは今年末にドゥカティを離脱し、別のチームに移籍することが決まっていて…がっかりしてたじゃないですか。本人はファクトリー昇格を希望してたんだから。
そう言う状況ながら、夏休みが明けた途端、マルティンは速攻で追い上げてポイントを稼いでるわけでしょ。
現在は、まさに互角って感じですね。はたから見ていても、あの2人が頭一つ抜き出ているし…パッと見ただけでも分かりますよ。」

【今回はドゥカティ機が好調なの、それとも、バニャイア選手とトラックの相性が良いの?】
「ここは昔から、ドゥカティ得意のコースですからね…まぁ、今は得意もへったくれもないって感じだけど。
とにかく、どこのサーキットでも…狭かろうがアップダウンが激しかろうが、低速でも高速でもドゥカティ機が最速なんだから。
以前は、ここはドゥカティの十八番トラックだったんですよ…エンジン馬力に大きく左右されるコースだから。
一方、ペッコはここのコースの読み解きが達者なんですよ…ここ数年、常に前を走ってるしね。
明日の決勝は、気温を上手く読んでいけるかどうかでしょうね…今日、最強選手陣はリアにソフトを選んでたじゃないですか。
でも、ベッツェッキなんかはミディアムにしていて…上位ではなかったけど、実に良いレースをしてましたよ(※8位)。
明日は全員がミディアムにするのかどうか…今日みたいに暑くなるのか、それとも、予報通りに気温が下がって、ソフトタイヤにする選手も出てくるのか…。」

【つまり、レースの様相が大きく変わる可能性があると…?】
「そうですね。」

[ 中編に続く ]

(参照サイト:『Sky』)
(Photo:Instagram

POSTED COMMENT

  1. ジジィ鑑賞勢 より:

    ペッコは元々スタートが上手い印象が有ったけど今シーズンのドゥカは23年型も含めてKTMを寄せ付けないスタート加速の良さを見せてるんだよな

  2. きゃめる より:

    アグレッシブなのに、ダーティーな面が皆無でしょ。クリーンでソフトな走りなんですよ。
    あざとさと大胆さが上手くミックスしていて…

    この一文が全てですね。あとは存在感を主張すればファンも増えそうだが、本人は奥ゆかしい性格なのか余り前に出ない。そこがまた素晴らしい。

  3. マルケスファン より:

    バニャイアはリアブレーキが巧みで、オーバーステアを発生させつつ、それでいて極端なドリフトにはならないようにし、空力を最大限に活かせられる角度を保つとことでああいう走りができると、情報通な方が言っておりましたね。

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